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閉店で感じた違和感【音楽スタジオ奮闘記】

伏見店を閉店すると告知してから、たくさんのメッセージなどありがとうございます。

めちゃくちゃうれしいんです……(涙)

「さびしい……」
「どこで練習したら……」
「おつかれさまでした!」
「いままでありがとう!」

さまざまな声をいただくのですが、前回言ってた「閉店を告知して感じた違和感」をつづりたいと思います。

現在音楽スタジオをご利用の方はもちろん、過去利用されていた方、関わったスタッフ(自分含む)までたくさんの思い出が詰まっている場所、スタジオラグ伏見店。

いろんな声が聞こえてきて、皮肉にも閉店するってなってからのほうが、お客さんと距離が近くなって行ってるような気がします

こんなにたくさん思い出があるなら閉店なんかしなくてもいいのでは?(笑)

なんて思ったりしましたが、その考えにもどこか違和感があってずっと考えていました。

たくさん反響があった中で、一つだけ頂いていない声があるのを発見し、閉店を確信しました。

それは

「閉店すると死ぬ」というクレームがないということ

です。

この事実はどこか予測していましたが、正直寂しくもありました。

僕らはバンド練習、楽器練習やレコーディングやスクールなどができる場所を提供しています。

当然ながらここがなくなることが死自体に直結する出来事にはならないわけですが、音楽活動を本気でやっている人、そこに命を注いでいる人にとっては、このような環境がなくなるのは死活問題なわけです。

もし地区唯一の病院や保育園とかなら、生活に支障をきたす大問題。

ただ、今回スタジオラグ伏見店閉店を発表してもそういう声は一つもありませんでした。

「音楽やっている人の本気度」がないとか、そういう精神論を話したいわけではなくて、他にも音楽をするスペースが京都にはたくさん存在している証拠なんだと感じました。

まとめると「他の場所で代用が効く」「ユーザーにとって、スタジオラグ伏見店は唯一無二の存在になれなかったってこと」なのです。

少し移動すれば、音楽スタジオは関西中にたくさんあるし、ちょっと楽器を鳴らしたいってだけなら家でも十分可能なわけです。

音楽スタジオに入ったことある人なら分かっていただけると思いますが、音楽スタジオにはドラムセットがあり、ピアノがあり、アンプがあり、マイクがあり……機材のグレードは多少違えど、機能としての差はほとんどなくて、どこもスタンダードなカタチになっています。

これが進むと最終的に差別化をはかれるのが「立地」「料金」になるのですが、立地的に通いやすい = 土地や家賃が高い = 料金も上がる……つまりこの2つで有利に立つには、莫大な資本が必要なわけです。

「身近になった、便利になった故に、たくさんスペースができて、そこで差別化が生まれなくなった」

こんな背景の20数年間の間、差別化をはかろうともがいてきましたが、それを突破できなく限界に到達したということです。

スタジオラグ伏見店を閉店してからは、スタジオラグ河原町店の店長になります。

伏見店を閉店してもこの「差別化が必要問題」は続くので、まだまだ思考回路を駆け巡らすことや、チャレンジをやめるわけにはいきません。

そして差別化を作るには、いくつかステップがあるのですが、それはまた次回。

たくさんの思いが詰まったスペースをどのようなカタチで残すか

自分に課せられた課題は山積みです。

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