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就活をして女であることがハンデだと気づいた話

就活をしていたとき、社会で働くには女という属性はそれだけでハンデになるんだな、とやっと気づいた。今日キャバクラのスカウトをされて不快な気持ちになったときにこの感情を思い出した。以下はまだ社会を知らない小娘の戯言です。

私はそこまでがつがつとした就活をしていたわけではなくて、「それなりに」ぐらいの感じでやっていたから、もっとちゃんとやっていた人はこのことについてどう感じたかは分からない。

私は当時2種類の就活エージェントを利用していて、その両方の面談でキャリアプランとは別にライフプランとして、遠回しにどのくらいで結婚・出産したいか決まっているか、のようなことを聞かれた。確かに、今後の人生を考える上でとても重要なことだし、それが明確に決まっているなら自然と今やることも見えてくるだろう。でも、結婚や出産が当たり前に想定されているのがなんだが気持ち悪かった。私たちはそういう未来が想定されている人間として見られているんだというのが私の意とは反していて、居心地の悪さを感じた。

また、就活サイトを見ると「女性が働きやすい職場特集」や「女子学生向けの情報はこちら」のような文言が目に飛び込んでくる。「女性が働きやすい職場」が特集されるってことは、女性は働きづらいのがスタンダードなのかと眩暈がした。就活の時から既に女性は社会においてマイノリティであることを実感させられる。

企業説明会では「産休・育休取得率100%」とアピールする企業をいくつも見た。これもアピールされるということはこれが普通ではない時代があった、もしくは企業があるんだなと暗い気持ちになる。自分がそれを利用するか否かは別にして、産休や育休は当然の権利だと思っていた。私の母がそれを利用して公務員をしながら私と妹を育てたからかもしれない。

私は見なかったから憶測でしかないけれど、先の「女性が働きやすい職場特集」にはこういう産休取得率が高い企業や託児所が併設されている企業が掲載されているのだろうか。出産をするのは身体が女性の人だけど、子育ては男性もできる。託児所があるのは男性の働きやすさにもつながることではないのか。

私はこういう特集やアピールをしていることを批判したいわけではなくて、企業にこうさせている社会を憂いている。女性の立場が低くて、働きづらくて、子育ては女性の役割であるのが当たり前とされている社会なら、女性向けの特集を組んだり育休アピールをしたりするのは仕方がないし、必要な情報であると思う。

私はまだ学生だから、こんなにもあからさまに女であることが生きていく上でハンデになるということに気付くことがなかった。大学進学率が上がったというのもそれに寄与していると思う。昔だったら、「女に学は必要ない」と進学させてもらえず、そこで格差を感じただろう。今は格差を感じるタイミングが遅れているだけだ。

女性が働きづらいのがデフォルトだと実感させられるのは嫌な気持ちになるけれど、でもそのマイノリティである私たち向けの情報があるというのは、その類がなかったであろう以前よりは前進していることの表れなのだと信じたい。

きっと数か月後に社会に出て、色々な人と出会い、様々なことを経験して何度も社会に落胆していくのだと思う。私の就活での経験はその前哨戦でしかない。とても怖いけれど、負けないように頑張っていきたい。私たちが負けなかったら、後の世代が少しだけ楽になると信じているから。


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