GRApPのクラウド型運営と今後のホテル開業について

今回の記事は、弊社のホテル運営と開業についてインタビュー形式でお話していきます。

弊社はいわゆる一般的なホテルとは違った、無人や省人での「アパートメントホテル」の開業・運営を行っており、現在新たなホテル開業に向けて諸々プロジェクトが進行しています。

このインタビューでは、弊社の事業について前半・後半の二部制でお話しさせていただきました。

ーこれまでの事業の経緯を教えてください。

元々ブランド古着のリユース会社にいたんですが、仕事しているうちに、店舗だけではなくネット販売もできるのでは、ってことで個人事業でアパレルのEC事業を始めたんです。それが少しずつ軌道に乗り、2012年にGRApPを立ち上げました。

2013年ごろから「シェアリングエコノミー」という言葉もちらほら聞くようになり、アパレルEC事業を他の事業にピポットできないかと考え、当時のAirbnbの勢いもあって民泊事業を開始することにしました。

ー関西では認知度は高いとお伺いしています。

ありがたいですね。

当時は民泊会社もたくさんあったと思うんですが、本格的に事業としてやっている会社は数社だったと思います。

HPを見て問い合わせてくださったり、いろんなご縁があってご紹介いただいたオーナーや不動産会社の方々のおかげでここまで成長できたと感謝しています。

なんだかんだでこれまで500室以上を運営してきましたね。

ー積極営業はされていたんでしょうか?

基本的には積極営業はせず受託営業がメインです。

特にホテル開業での積極営業となると、「不動産を任せてください」という依頼になるので、弊社のような小さなベンチャー企業にすぐ受託を決めてくれる企業はほとんどいないので。

また、オーナー側の意思決定の数も多いですし、受託営業が基本ですね。

「HPから来てくださるパターン」と「既存顧客からの紹介のパターン」がメインになります。

HP流入のお客様は、既にある建物やこれから運用を考えている会社や、あとは仲介会社からの相談があり、基本的には収支の提案になります。

全国からの問い合わせがあるので、WEBでのやりとりが基本です。

中でも、民泊事業自体をあまりご存じでない新規のお客さんに対しては、内装や人員配置などの見積もりなども含めた細かい収支を提案します。

幅広い問い合わせがあるので、提案において明確な線引きをせずなるべく希望に応じたご提案をするようにしています。信用を得てからでないと受託できないのでなかなか新規の会社からの受託はありませんが、どんなお客様に対しても真摯に対応して関係性を作っていくことを目指しています。

そういう意味では、プレゼン能力が非常に問われるのかなと思います。

ーHPからの流入は少なからずあるとのことでしが、SEO対策などはしていたんでしょうか?

特にやっていませんでしたね。当時は民泊運営がメインだったので、民泊運営会社の比較サイトに掲載していたくらいで。SEOには特に力を入れていませんでした。

現在はSEO対策というよりは、会社や事業の知名度を上げていくためのPR施策を検討したりコンテンツを増やしていくという方向性で動いていて、新規のお客様に弊社がどんな会社なのかを理解いただきやすいような丁寧な情報作りを目指しています。


ーベトナム支社でコールセンター事業も行っていらっしゃいますが、ベトナムで事業を始めた経緯を教えてください。

これまでのメインターゲットがインバウンドの旅行客だったのもありますが、無人ホテルを実現していくにあたって、弊社運営ホテルのサービス従事者はローコストの海外拠点で行いたいという気持ちがあって。

無人ホテルにしたかった背景についても、ホテルフロントを含めたサービス系の仕事ってそもそも給与などの待遇が上がりづらいので、「長く続ける仕事ではない」という考えがいまだに当たり前になっている現状があるように思います。

僕の前職のアパレル業界もまさにこの問題があるなと思っていて。

だったら、そもそもサービス系の仕事をなくしていく方がいいのではないか?という、今でいう「DX」などの文脈に近い考えがあったんです。テクノロジーによって単純作業を無くしていく。

ただ、現状まだまだカスタマー業務やホテルの複雑な価格設定を行なっているため、全てをテクノロジーでカバーできず、テクノロジーが出来上がる頃に、AI企業がGRApPと組んでサービスを作りたいと思ってもらえるような、運営スキーム・データ保有企業にしておきたいと思っています。

その上でベトナムを選んだ理由は、まずは人口ですね。1億人以上いて平均年齢も27歳ほどと若い。次に宗教。仏教徒が多いので、殺人などの重犯罪が少ないことです。

最後に親日国であることですね。政治に振り回されるとかはやはり避けたかったので。首都ハノイの第一言語が英語ではなく日本語であったりと、日本と友好関係が強いため、ベトナムを選びました。

ーなるほど、非常に納得できる要素が多いですね!現在は民泊事業だけではなくホテル事業を行っていらっしゃいます。運営を行う上で重要なことはどんなことだと考えていらっしゃいますか?

特に関西においては民泊のリプレイス案件が多いので、シンプルにコストダウンを目的とした運営を行っています。

またホテル運営については、「宿泊特化型」のような一流ホテルなどの「泊まること自体を目的のホテル」ではなく、「旅行の目的があってその手段として宿がある」というホテルの形をメインとしているので、内装関連・コンセプトを売りにしたものではなく、「管理コストを抑え、“ゲストが満足する”最低限のサービスをいかに低価格で販売するか」ということに重きを置いています。いわゆるローコストオペレーションを一番の目的としています。

実は一時期、外国人を多く採用し、第一コミュニケーション言語を英語にしていたことがあって。そうなるとベトナムで英語を使える人を募集することになるので、能力の高い人を集めることが必要になり結果的に高コストになってしまいました。

現在は日本人をベトナム支社長として配置し、日本語を話せるベトナム人マネージャーを配置、そこからベトナム語で現場に落としていく形に削ぎ落としました。

組織体制をシンプルにし、言語のハレーションを起こさないようにして、ローコストオペレーションの徹底に努めています。

ーコロナ禍の今でもたくさん問い合わせがあるとお聞きしています。

ありがたいですね。

今までたくさんの収支をご提案してきたんですが、マーケットが定着してきた中で、「当たり前のことを当たり前に丁寧にやる」という会社が少なかったんじゃないかなと思います。オーナーやゲストへのクイックレスポンスなど、どんな仕事でも丁寧に対応するようにしています。うちは本当に地道で泥臭い活動を行っていますが、これからは特にそれが重要になると考えています。

ーVol.2に続く。

次回は、収支提案で大切なこと、そして実際のホテル開業やホテル運営において特に重要視している点についてお話させていただいていますので、是非お楽しみに!

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