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【映画批評】#19「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」テレ朝は新日と特撮だけやってろ

幅広い世代から愛され続ける人気アニメ「映画クレヨンしんちゃん」シリーズ31作目「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」を徹底批評!!
デキの悪さもさることながら、テレビ朝日という企業の姿勢に関するヤダみが露呈した問題作。辛辣必至!!典型的ダメ映画!!


鑑賞メモ

タイトル
 映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記(106分)

鑑賞日
 8月13日(火)9:10
映画館
 あべのアポロシネマ(天王寺)
鑑賞料金
 1,300円(平日会員価格)
事前準備
 特になし
体調
 すこぶる良し


点数(100点満点)& X短評

なし(点つけるのもダルい)


あらすじ

「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」公式HPより引用

ネタバレあり感想&考察

「こんなのクレしんじゃない」とか以前の問題
本ぐらい、ちゃんと作れや!!

※今回は表現が若干粗野です。ご了承願います。

正直めちゃくちゃブチギレました。(↓鑑賞直後のX投稿)
ハッキリ言って仕事が低レベルすぎやしないかというのが本音。テレ朝はもう自前のコンテンツを作る力が落ちているというのが露呈した気がします。

自分はハッキリ言って、アニメーションがどうとかは全然興味ないんですよ。恐竜の作画?を頑張っているのは理解してるんですけど、なんせ本(脚本)が激烈にひどいので、マジメに観る気がしない。
そもそもクレヨンしんちゃんのアニメとしての造形は全くリアル寄りじゃないのに、恐竜をリアルに表現したところで同じ世界のモノにはみえないんですよね。だから作品内世界の表現がこの時点でブレている。反面、今回の主要キャラであるこども恐竜のナナはゴリゴリのしんちゃん世界アニメ造形なんですね。割と早い段階で「どうしたいんだよ」ってなってしまう。

いわゆるビジネス界隈が好きそうな表現で言うところの【目線が合ってない】っていうやつです。いかにもテレビマンが好きそうなビジネス用語をちゃんと押さえられていない時点で、低レベルなんです。ほとんどが早慶旧帝出てるはずなのにこんな仕事しても平気なんだから良いご身分だよな、と嫌ごとの一つぶつけてもバチが当たらない程度にはひどいです。
それでもって、話もくちゃくちゃ。ギャグも全然ウケてなかったし、子ども含め、観客もひたすら困惑。特に中盤~終盤のダジャレ恐竜のくだりとか、LOVEマシーンのくだりとかマジでキツかった。ロボット恐竜がアイドルやって、オタクやってってもう意味がわからない。春日部ではなく、渋谷でドンパチやってるのも、吉本芸人使ってる影響で∞ホールを出したいとか、テレ朝がやってる六本木の劇場を出したいとか、しょうもない理由が透けてみえて気持ち悪い。
本が最低限のレベルにも達していないのにそんなところを頑張ったところで、徒労にしかならない。当然100分も持つはずはなく。

特に本で問題なのは、悪役のバブル・オドロキーが何がしたいのか意味がわからない。娘、息子も同じく。

恐竜ランドがロボットでした、は全然いいんだけど、それが全世界的にバレてから、本物の恐竜の子どもであるナナを奪還したところで、もう名誉回復はムリでしょ。ロボット恐竜を使って破滅に向かうのは勝手にしろだけど、なんかいろいろ後手後手すぎて、どっちにしろこいつもう詰んでるやんとしか思えなかった。普通にロボット恐竜のままランドの営業続けて、バレるかバレないかのハラハラを演出しながら、同時に本物の恐竜であるナナを奪還し、本物の恐竜ランド構築を目指すという流れであれば、オドロキーの切迫感も表現できて、キャラとしても魅力が出たと思う。息子、娘との和解の機会すらなく、よくわからないフェードアウト(逮捕されたが外国人だから海外へ連行?)で終了。オドロキー一家の話は終始テキトーだった。対角にいるキャラがこんな扱いなんだから、そりゃ話なんて面白くなるわけがない。
こんな素人でもわかるようなレベルの指摘をされてる時点でアウトでしょう。

このとおり、なんせ土台となる本と世界観が終始グラグラなので、観ちゃおれん、というのが率直な感想。

最低限の仕事もされず、熱も感じない作品には点数すらつけません。
お疲れさまでした。やる気ないなら撤退してください。
映画はテレ朝社員や吉本芸人の思い出作りのために存在しているわけではありません。弁えてください。

某ルックバックにも感じた居心地の悪さ
話の都合でキャラを亡き者にする姿勢にNO!!

基本的な力量の部分で足りてない時点で論外なんですが、この映画はメッセージというか、それを表現するための手法についてもひどい。

正直、本作で唯一の良かった点は、ナナという子ども恐竜のキャラクターだと思います。これは観た人のほとんどが同じような感想のはずです。
その唯一といっていい功労者を話の都合で死に追いやるんですよね。しかも、幼き命を差し出す自己犠牲という美談として雑にまとめるオマケつき。メインターゲットの子どもに向けた映画で、子どもが自ら命を差し出す話で泣かそうとしている時点で、卑しい以外にどんな感想を持てというのか。こんな誰でもわかる構造を臆せず出してくるんだから、もうテレ朝もADKもスタッフ・関係者も必要最低限の教養や品なんてないと判断せざるを得ない。
さらにけったくそ悪いのが、本作の脚本家の名前が「モラル」さんていうらしいです。もうどんなブラックジョークなんだ、と笑うと同時にドン引きしました。

知ってやってるなら、ドン引きですし、
意図せず天然でやってるなら、もっとドン引きです。

今回どういう経緯でこの方が起用されたかは知りませんが、個人的にレッドカード一発退場ですね。マッッッジで引いた。
脚本にこの名前がある作品は事前に除けておけるって意味では勉強になりました。ありがとうございました。

批評を拒否した某ルックバックでも、重要かつ魅力的なキャラクターが話の都合で死に追いやられます。あの映画はさらに実在の悲惨な事件を想起させる表現を安易かつ無神経に使っているし、ワンハリの引用を間違った形で表現しているし、センシティブな話題を取り扱っているのにめちゃくちゃ商業主義的な営業だし、とムカつく要素てんこ盛り総合商社といった具合で今年一番キライな映画に決定かと思っていましたが、まさかの対抗馬が現れて困惑しています。

ただあの映画はファンが多いという意味で、向こうの方が一般的には全然価値がありそうです。自分が死ぬほどキライなだけで、あの映画が好きな人がいるのは理解できる。中盤までは自分も楽しめていましたし。
ただ本作は好きな人少ないだろうなぁと確信できるデキなので、庇い切れない。(庇う気なんてさらさらないですが)
あの作品も本作も似た理由でキライになったのが、悪い意味でスピ要素があって個人的には興味深い現象でした。

昨年の大問題作「しん次元」より深刻
テレ朝がもうクレしんを信じてない気がする

正直、本作を観た後だと前作「しん次元」の評価は上方修正したくなった。
「しん次元」はメッセージは最悪だったが、監督の大根仁が過去作で伝えたかったメッセージと照らし合わせると一貫しているし、そこに違和感はない。低成長過ぎる日本の現状という外的要因が映画のメッセージの負の側面を補強する性質を持つようになってしまったし、そもそも馴れないアニメ作品に挑戦していたなど、今となってはちょっと言い過ぎたかなと気の毒に思えてくる。(↓は前作「しん次元~」のX短評)

実際、大根監督は今年を代表する作品となったNetflixドラマ「地面師たち」で自身の評価を上げに上げた。
クレヨンしんちゃんで初めて3DCGを駆使した表現にチャレンジするであったり、本は決して良いとは言わないがギャグは結構面白かったし、実際子どもたちの反応は良かった。
前作の「しん次元」もブチギレたが、悪いところだけで終始したとは思っていない。良いところは認めたうえで、この映画は悪かった、という判断だった。

本作はナナというキャラクターの魅力以外は特に良いところはない。むしろ神経を逆なでするような要素が満遍なく散りばめられている。
SF世界と食い合わせが良いからドラえもんで【恐竜】というテーマを映画で取り扱う合理性は認められるが、クレヨンしんちゃんで取り扱うにはひと工夫どころかふた工夫以上は必要になるだろう。本作はそんな工夫を施した形跡は全く感じられない。恐竜の造形に力を入れたぐらいか。それも前述したとおり、徒労に映った。

エライ人:「しん次元」に続いて、泣かせる路線で行きたいネェ!
ザコい人1:うちのコンテンツですし、企画はドラえもんから借りましょ
ザコい人2:「のび太の恐竜」→恐竜とかいいんじゃないっすかぁ?
エライ人:いいじゃないかーそれで行こう!うまくやっとけよ!!
ザコい人1&2:承知しました!!

こんなノリで決まったんじゃないかと邪推したくなるぐらい、本作は一つの物語として全くと言っていいほど強度がない。

サブタイトルにもあるとおり、新日本プロレス(ワールドプロレスリング)とスーパー戦隊・仮面ライダーシリーズ(東映特撮作品)以外、個人としてテレ朝に期待感はない。その新日本プロレスも東映特撮作品もテレ朝のオリジナルコンテンツですらない。

原作者亡きいま、ドラえもんとクレヨンしんちゃんはテレ朝が誇るオリジナルコンテンツといっていいだろう。その企業にとって重要と思われる作品でこの体たらくである。いつの間にか、テレビ放送枠が金曜夜から土曜の夕方に移動していたし、その空いた金曜夜の枠に入ったのが、一茂・良純・ちさ子がウダウダ嫌ごと言うクソ番組とか、もうテレ朝がこのコンテンツを信じてないよなとしか思えない。

歴史ある作品かつ映画を作れば観客動員は見込めるから、辞めることはできない。しかし、総力を挙げて製作するつもりは一切ないといった温度の低さを感じてしまった。

個人的にはnoteのネタとして、クレヨンしんちゃんは恒例行事的に面白いと思ったので、今後は定点観測の意味でも毎年観ようと思います。
テレ朝がサボってないか、監視します。

テレ朝ウォッチメンとしての活動を開始します。


まとめ

おそらく、note投稿では初の"THE 辛辣"といった批評になりました。
さすがにテレ朝の悪口言い過ぎたので、自分が思うテレ朝のいいところを挙げて終わりにしたいと思います。

まずは、新日本プロレスが観られる。これは当然ですね。テレ朝の一丁目一番地のアピールポイントでしょう。
続いて、スーパー戦隊、仮面ライダーが観られる。これも当然ですね。

ほかは、野村アナが美女!ミタツムが良い子!ぐらいですね。

あんまりなかったですね。女子アナは好きです。
お疲れ様でした。


最後に

自分もこんな嫌ごと言いたいわけではないんです。わかってください!って感じではあります。ただこういうブチギレさせる映画というのは筆が進む進む。笑
マクガイヤー師匠もなかなか辛辣なので、本作のXポストを添付しておきます。せっかくなんで、一緒にブチギレましょう!!笑

みんなも観てね!!!

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ご拝読、ありがとうございました。

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