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介護認定調査 vol.3(受け方)

kintaです。(Twitter)

vov.1、vol.2についてはお暇ならお読みください。

今回のvol.3では認定調査の受け方に触れます。

これはご自宅で介護されている家族さんへの発信であると同時に施設で担当される方同席するケアマネさんに向けての物でもあります。つまり一律言える事ですのでその辺を踏まえてご覧下さい。

では早速。

✔何を聞かれているかを理解しましょう

偉そうにって話ですが大前提として何を聞かれているのかわからないと返答も的を射ません。

逆に何を聞かれているのかを重々理解した上であれば専門的な知識など無くともカチッとした返答ができるはずです。

でも1つ注意。専門的な事がわからずに答えていいのは家族さんだけです。施設担当、ケアマネさんは当然専門的な視点も含めて返答できるようでないと話の整合性が取りづらくなりますのでそこは定義をキチンと理解しておくことをオススメします。

では具体的に何を聞かれるのか。

できるかできないか

vol.1と少し被るんですが少し具体的に書きますね。できるできないについてはvol.1読んで下さい。

例えば麻痺、拘縮の場合

・調査員が痛みの有無を確認なく動作確認に入ってしまったらどこに痛みがあるからそこは無理に動かさないでと言っていい

普段から行ってはいけない避ける必要のある動作実施してはいけません

勿論嘘はダメですよ?でも中には強引に動かして麻痺、拘縮を確認する人もいます。根拠のある日常の状況で判断するわけなので禁止動作は実施してはいけません。

寝返り、起き上がりの場合

・実施して確認するわけですが普段からベッドを水平にできない方はギャッヂアップのまま確認して下さい。

これは寝返りに関しては日常環境状況で行えるかどうかなのでギャッヂアップも何も基本関係ないです。しかし起き上がりの場合は横たわった状態からの確認なのでそもそも水平姿勢になれない方は動作確認ができません。つまりチェックはできないになるわけです。

これも安易に実施確認を行おうとする人もいます。根拠ある日常環境で確認を。

例えで言うと

・筋力が弱くなっておりベッドを起こしていないと自力で起きられない(自立支援の為の福祉用具なので正当な使い方です)
・肺や心疾患があり心肺機能が弱い。そのため体を起こしていないと自発呼吸がしづらく無理に横たわると呼吸苦を起こす(健康状態の維持に必要な対応です)

など。これだけではないです、あくまでも一例として。

他にも立ち上がりの場合には椅子の高さからどういう形であれば立ち上がれるか。床からの立ち上がりができるかできないかは周辺情報であってこの項目でチェックの適用はされません。

歩行であれば屋内の平坦な場所を5m連続して歩けるか、どのようにして歩くかは勿論必ず伝えて下さい。ただしチェックは手引き介助が必要でも横に見守りが居ないと歩けなくてもどんな形でも歩けるかどうかを見ています。覚束無かろうが介助が必要だろうがそれはどういう形であれば歩けるかを表現しているだけのこと、いわゆる特記(注意書き)に記載される内容です。

つまりできるかできないかの話ではどういう状況でどういう介助をすれば本人ができるか、であり、そういった介助が無いと本人ができないために介助者が動作を補助しているかを環境含めて聞いているわけです。

チラッと感じる方もいると思いますがどういう介助をするかの部分は手間に当たりますよね?

手間を調べる調査です。その手間はほとんどの項目で大きく関わる情報なんです。なので聞かれた項目について掛かる手間を絡めつつ答えます。これはこの後の本来の介助方法の部分や症状があるかないかの部分でも当然絡んで来ます。

本来の介助方法

こう書かれると分かりづらいですが例えば立ち座り(移乗)、屋内の移動の様子、ご飯が食べられるか飲み込めるかトイレについて、歯磨き洗顔整髪更衣等々、他にも薬や金銭の管理もこの分野に入ります。

これらは

・普段はどういう介助をしてこういう形で行っている

と、家族が実際に介助する手間を答えるわけですが、それとは別に調査員が聴取の中で

・現状(一人暮らし等の環境を含む)はこの形だが本人の状態から本当なら家族が今行っている以上の手間が掛かる

ここは専門的な見地なのでそのためにも施設担当者、立ち会いケアマネさん、調査員がそれぞれ根拠のある説明、見方を要約してできないと話になりません。

ただ逆に過剰介護(本来必要のない物やできることを奪ってしまう介護)もあります。ここについての捉え方は難しい所があります。如何せん調査員は初見なので日常を見ていません。決め付けられないので。

特にこの本来望ましい適切な介助については

・何をどう行っているか
・その頻度は直近1週間の期間の中でどのくらいあるか(トイレなら日中何回、夜間は何回あるかなど)
・持病による体の状態や認知症を起因として発生するもの、本人の拒否によりしたくてもできないこと

こういうものも判断材料になります。

だから状態を伝えつつその状況も伝えないと答えにならないわけです。

これらの情報を基に調査員が専門的見地から選択します。ただ、状態だけ伝えられても「大変ですね」とは思えても手間が伝わらなければ反映しづらいんです。

繰り返しですが調査員は初見です。安易に選択できない立場でもあるんです。だから、手間までを伝えないと根拠が弱く話が終わります。

行動や症状があるかないか

これについては家族さんは順番に聞かれる事に現状を答えれば良いです、勿論手間に感じる部分、負担に感じる部分も吐露して全く問題ありません。ただし聞かれる質問がピンと来ないはずなので

これはどういう事が該当するんですか?

と素直に逆に質問しながら答えてくれて全く問題ありません。わからないまま「あるない」を答えるのは危険です。

調査員さんは当然1つずつ

これは統計的にはこういう事が多く該当する項目ですがどうですか?

定義に則って質問の意図は伝えた方が親切だと思います。

僕の場合ですが、特に認知症状、行動面については毎回1つずつ具体例を出しながら聞いています。だって行動障害と呼ばれる内容の一覧見せられてもわからないから

上記に家族さんはと書きましたがこれらは基本家族さんの立場ならを強調した話なので。理想を言えば施設担当者、立ち会いケアマネさんにはそんな説明は必要ない位に把握しておいて欲しいと切実に思います。でも実際には毎回調査で全て説明しないと返答できない方々は本当に多いですけど💦しなくていいケースがほぼありません。

そしてこの項目の部分で大事な事…

・該当するような行動、症状が週何回?月何回?月1回も無い?と頻度まで答えること(大まかにでも構いません)

これについての返答にありがちなのが「良くある」「しょっちゅう」「時々」「たまに」これはチェックに反映できないので止めた方がいいですよ。答えになってないんです。

・困った行動や症状が起きていて、そのために具体的にどんな手間を感じているかまで伝える

あるかないかの項目ですが、そこには必ず身体的な部分の他にも精神的な部分での負担(手間)もあるはずです。そこまで伝えないとその大変さは伝わらない、反映しづらいんです。だからここでは言っていいんです、介護者の苦悩を伝えていいんです。

「ここでは」としたのは、勿論一連に於いて大変なのが介護ではあるんですが質問に対する返答として区別して答えないと無駄に調査の時間だけが長引きます。

本来思いの丈の部分は担当ケアマネさんが聴取してるはずなんですよ、毎月。だから調査員に思いの丈をぶつけても書けるものと書けないものが出てきてしまうし、調査員は担当では無いので調査の範囲を超えた部分に応えられません。

長くなりましたが、ここまでが概ねの受け方です。

最後に施設担当者、立ち会いケアマネさんに向けての〆を。

✔質問に合致するように誘導、要約を

あるあるですが、立ち会い者さんが家族さんの話に便乗して話だけ拡げる場面が多いと感じます。それならまだ良いのですが調査員にアセスメントを代行して貰いその情報を自身のアセスメント記録に落とし込むために来る人がいます。

「何しに来たん…」→これ結構ガチでイラッと来ます。邪魔です。

折角なので僕の場合ですが、こういう意図で立ち会うというポイントは落として置きます。

・家族が質問に対して上手く答えられないことをケアマネが把握していて、且つ家族からどうしても同席を求められた場合は何を聞かれているか家族に伝えながら家族に答えて貰うサポートのため
・家族の話が方々へ飛んでしまうと調査に支障が出るため横にそれないように調整役として居る
・あくまでも補佐役としての立場で家族の返答に不足部分があった時だけ補足する

当たり前だと思いましたよね?これが意外とできないで自分が中心になって喋っちゃう人、多いんですよ。しかも話が噛み合わず整合性めちゃくちゃな事にも気付かずにチェック乗せたくて喋り倒す人。

最後は毒づきましたがこんな所です。

では本当にまとめます。

✔受け方の注意点

なぜその介助をしているのか理由まで答える

無理な動作はさせない(正当に、ですよ)

聞かれてる事がわからなければ素直に何を聞かれているのか質問し返す

「困ってます」ではなく何に困っているか、その機会はどの位の頻度であるかまで答える

専門職は定義を理解する、場を円滑に回すこと、補佐役としての仕事をする

聞かれた質問に純粋に1つずつ答える(どうしても話は派生しがちです)

全て何故そうなのかの根拠を基に返答できないと必ずズレが生じます。

後は実際の調査の場でここまで書かせてもらったことを意識してくれたら調査員はめちゃくちゃ助かりますし何より認定の誤差が小さくて済みます。だって手間を拾う調査で手間を答えて貰えれば、それはすなわち手間が正当に情報に挙げられると言うことなので。

本当に長文になってしまった💦ごめんなさい。でもこれは現場でも、担当のケアマネでも教えてくれる人は多くはないかと思います💦(勿論教えてくれる人もいるでしょう)

最後まで読まれた方、お疲れ様でした。

少しでも参考になればいいなと思います。

kintaでした。

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