青いピアスと意識のスイッチ

おととしの秋、生活経済ジャーナリストの和泉昭子さんにお会いした時のこと。事務所の一室で打ち合わせをしていると突然和泉さんが

「今からゲームをするから、ちょっと目を閉じてみて」

とおっしゃった。
何が始まるのか、ドキドキしながら瞼を閉じた私。

「さて、クイズです!この部屋にある青いものを3つ答えてください」

え・・・青いもの?すぐに思い浮かばない。

「水色でもネイビーでもいいわよ。結構あるんだけどなぁ」

楽しそうな和泉さんの声。うーん、とうなる私。
さっきまでの風景を頭に浮かべてみても、
自分のペンケースがネイビーであることしか分からない。

「もういいわよ、開けて見て」

目を開くと部屋中にあった”青”がぶわっと飛び込んでくる。
部屋の置物も、立ててあった本も、
目の前のクリアファイルも青だった。

「ね、いっぱいあったでしょ。
情報って意識するとどんどん入ってくるの。
世の中の動きや経済ニュースもね。
逆に無意識だと、どんなにそばにあっても素通りしたり忘れちゃう。
ちなみに・・・今あなたがしてるピアスも青なのよ

これまでだったら素通りしてしまうようなものが
ある瞬間を境にどんどん”入ってくる”感覚は恐ろしくもあり、快感だ。


「自分の声で鳴いてみます宣言」をした翌日(つまり一昨日)、
近所の書店に立ち寄ったらある本が目に飛び込んできた。

”炎上上等!”田端信太郎さんの新刊「ブランド人になれ!」。

多分、先週だったら素通りしていたかもしれない本。
でもその時は著者の名前がすっと目に入ってきた。

前職時代、直接お会いしたことはなかったけれど
“伝説の先輩社員”だった田端さん。
当時、私が好き勝手書いていたTwitterにRTやコメントをくださっていた。
(そのたびに舞い上がり、私のフォロワー数も爆発的に伸びた。恐るべし!)

「会ったこともない人とも言葉を通してつながるの、面白いな」
そう思ったんだった、あの時。

そんな懐かしい気持ちで本開くと・・・
いきなりパァンとストレートパンチを食らってしまった。

「(広告やメディア関係の仕事をしてるのに)SNSのフォロワーが1000すらも行かない人は、メディア関連の仕事やめた方がいい

早くも足がふらつく。でもまだ辞めない!

単にフォロワーの数うんぬんではなく、
”発信者としての自覚と能力を自らに問うてみよ”というメッセージ。
ならあえてフォロワー0から始めてみようか。
天邪鬼な考えも脳裏に浮かぶ。

明日はどんなものが目に飛び込んでくるのか。
怖くて、楽しみ。

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