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【読書感想】正義、道徳、人の命ってなんだろうと考えさせられる「ハーバード白熱教室講義録(上)」

こんにちは。Yui Kinouです。
今日は読み終えた本の読書感想を投稿します。

今回は、私が今まで読んできた本の中でも異彩を放つ本を読みました。
発端は、上司が「マイケル・サンデルさんの白熱教室が面白いんだけど、紹介した社員は途中で見るのをやめちゃうんだよね」と言われたことからはじまりました。

まず、ネットで探してみると、講座の様子を撮影した動画が出てきます。上司も同僚もその動画を視聴していたようです。
正直「講座かぁ。しかもハーバードの……難しいだろうし、理解できないから眠そう。途中で絶対寝そう…」と思ってました。

でも視聴してみたところ、意外と寝ない。
というか、生徒と一緒に考えてしまうので、そんな暇がない。

しかしながら、動画を視る、という習慣がないから個人的にキツい……そう思っていた時に見つけた本でした。



ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)

マイケル サンデル (著)


動画をそのまんま、文字に起こしてあります

1つ目の講座は動画でも観たのですが、やり取りがそのまま文字に起こしていました。
2つ目以降は比べていないので分かりませんが、おそらく内容は変わらないはずです。

なので、動画の視聴が楽な人は動画で。
文章で読んだほうが理解できる人は本で。
それぞれ好きな方を手にとってもらえたらと思います。


「正義」ってなんだろう。正解がない問題

全部の講義、まったく答えがない。しかしすごく悩み、考えさせられました。
まずネットで有名なトロッコ問題。ブレーキが壊れたトロッコ。このまま進むと5人轢き殺してしまう。しかし手前のレバーを操作すると、行き先が変わり、その先にいる1人轢き殺してしまう。さて、どちらを選ぶのが正解か。

その対象が、子どもだったら?犯罪者だったら?と問われていく。
本来なら1人の犠牲が正解に近いのだろう。でも5人が犯罪者だったら?正直、私の中の悪魔が、「いやまあ犯罪者だったら…」と囁いてしまう。

また別の講義だと、実際にあった事件である海で遭難した4人の男たちが、身寄りのない弱った男を食べて命を繋いだのは正解だったのか?罪だったのか?と問われます。

通常の状態ならとんでもない犯罪になる。だが、男たちが助かるためには仕方なかった?生きるためならいいのか?身寄りがなければいいのか?あらかじめ承諾をもらえていたらいいのか?生き残るためには必要な犠牲になるのか?

私は「いや人を食べて命を繋ぐのはどうなんだ?自分だったらそこまでして生きたくない。人を食べたくもない。責任を負いたくないから、食べられる側ならまぁ…」とまずドン引きする気持ちを持ちました。「これは極限状態でも維持される考えなんだろうか?」とも心配になる。


1講座、1講座にテーマがあり、学生たちがマイケル・サンデル教授の問いに答えていく対話形式です。
そういう考え方もあるのか、と思ったり、それは無理やり反対意見を言ってそうじゃないか?とか疑ったり、一緒に考えてしまったり。

正義、道徳、哲学……正解はない話なのでスッキリしないと思う人はいるかもしれない。けどここまで深く考える本に出会ったことはなかったので、読んでよかったです。

下巻も必ず読もうと思います。


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