おばちゃんIC(インテリアコーディネーター)の説明言葉不足はオノマトペで補う
お客様にいかにちゃんと伝えられるか・・・これはどの業種も一緒だと思う。が、インテリアコーディネーターとして打ち合わせを行う際に、とても悩むのが資材の説明だ。住宅は資材の範囲が多くて、そして体が触れる資材が多いので、お子様の年齢やはたまたアレルギーのことまで気を使う。性能や素材感などお客様によって選択基準が違うので、メーカーが出している資料からの情報はもちろん、実際に汚してみたり使ってみたりしての結果を含めて良い部分も悪い部分もお話しするようにしている。
住宅を考えている(進行中もずっと)お客様はひたすらスマホから情報を探している。そして鵜呑みにしていることも少なくない。どこの誰だか分からない人の話を鵜呑みにして目の前の人の言うことに耳を傾けないなんて!とイラっとすることも多い。が、やはり人間の脳は最初に入ってきた情報が強く残ってしまうので仕方ない。
そんな間違い情報をより良い情報・選択肢へ、いかに上書きできるか。ここで手を抜くと竣工後に「思ってたんと違う」とか「あっちの方が良かった」とか言い、クレーム案件になってしまう。
以前はとても苦労して説明していたのだが、ある時気がついた。難しい説明を一生懸命しても女性(奥様)は理解していない!男性・女性と区別するわけではないだが男性・女性の理解できる内容は違う。それぞれに合った話し方(内容)が必要なのだ。
男性は資料や説明で理解していただきやすい。女性は普段聞き慣れない言葉がでてくるだけで脳がストップしやすい。どんなものか想像できにくいから理解できない。頭の中で組み立てができない。決められないイライラはやがて負の感情を生み、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いと何から何まで気に入らないことにつながってしまう。
その時にフル活用するのがオノマトペ。
オノマトペとは「ワンワン」「サクサク」といった状態や動きなどを音で表現した言葉で、他に「ワクワク」など心情を表すものもある。このオノマトペで表現することですんなり納得していただけることが増えたのだ。
やはり質感や体感が決め手となる場合が多く、それをどのように伝えるかとても悩ましい。実物がお見せできれば一番なのだが無理な時も多い。実物の見本帳があってもサンプルはとても小さくて想像しにくい。
ところがオノマトペを活用して説明すると、例えば
・艶のある表面ですが触ったときはドライな感触で → ツルツルしていて、でもサラサラとした手触りで
・ちょっと荒っぽい感触の表面ですが柔らかい素材でできています → ザラザラしているけどホニャホニャした柔らかい素材でできています
こんな感じ。
言い換えるだけでなーんて簡単で分かりやすいのだろう!!とにかく体感・実感に近い言葉が伝わりやすい。これだったら難しい説明や情報を伝えることよりも頭に浮かぶイメージをそのまんま言えばいいだけだから私も楽だ。
おばちゃんならではの許される打ち合わせ方法かもしれないが、とても分かりやすいらしく(きっと想像しやすいのだと思う)喜ばれる。打ち合わせ時に今ひとつ理解できていなくても後から「おっしゃっていた意味がわかりました」と言われることもある。言葉は忘れても体感的に感じたことは覚えていただいているのだと思われる。
側から聞くと面白い話をしているように聞こえるらしいが私は一生懸命、伝えることに必死だ。伝える手段は他にもあるが一番有効だなぁと思っている。もう言葉がなかなか出てこなくなたり忘れちゃったりして焦ることも増えてきたが、このオノマトペでなんとか凌げている。
語彙力よりもオノマトペを鍛えねば。
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