見出し画像

極限状態で芸術は必要か

極限状態で芸術は必要か

これは大学4回の時に自主的に書いた小論文で、教授の松本先生に与えてもらったテーマである

自分が書いた内容を端的に言えばこうだ
極限状態で芸術は必要ない
なぜなら自分の考える極限状態とは人を殺したり殺されたりする戦争や、いつ水や食料が手に入るかわからない飢餓状態であると考えている
その状態で絵画や、彫刻や、音楽などのあらゆる芸術は一時的な癒しや思考のきっかけにこそなれど、極限状態の解決には直接影響出来ないからだと考える

といった内容のことを書いて、教授は少し驚き、笑った
今まで他の学生は美大生として、必要であると論じていて、必要ないと書いた学生は少なかったのだそう

最近またこのテーマが頭の中をぐるぐると回っている
理由は香港だ
もはや戦争状態と思える香港で、その時期に香港大学美術館で自分の作品を含む展覧会をしていた
また、参加していないがアートフェアも行われていた
聞いた話ではやはりアートフェアは来年に比べて人の入りはかなり少なかったそうだ。

今自分にできることは何だろう
このような状態の香港に、自分の作品の意味など何があるのかと、考えてしまう
いわゆる社会派の作品を作って人の心を動かせる人を尊敬してしまう

でも、考えても結局自分にできることはほんの少しの限られたことなのだ

自分の作品は極限状態を脱した後、もし必要とされれば、誰かの役に立つもの。それくらいのもの。

極限状態では芸術は必要ではない
だからこそ、極限状態に陥らないように私たちは普段から社会を知り、選挙に行き、労働しお金を稼ぎ、消費し、今自分たちに出来ることを全うするしかないのだと思う、そしてその先に、すべての人を豊かにする芸術の世界は成り立つのだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?