2021年、本を100冊読んでみて
2021年、目標にしていた読書100冊を達成した。さっき。
振り返りも兼ねて、「なぜやろうと思ったか」「やってみてどうだったか」「最高だった本」について書いてみる。
1. なぜやろうと思ったか
読書を習慣や目標にする人は、まあまあ多いと思う。多い分、読む理由も様々なので、なぜ100冊読もうと思ったのか整理しておく。
「読書せず学べない人間」というコンプをなくしたい
とてもネガティブな理由。あるあるだと思うけど、大学時代の後悔として「もっと本を読んでおけばよかった」がある。
図書館には毎月くらいのペースで行っていて、5冊10冊と本を借りるのだが、98%は未読のまま返却することを繰り返していた。
「読書したいけど、バイトも課外活動もあるし、まったく集中できない!」
とにかくこれだった。ついでに、「なぜ私は、誰も幸せにならない本の運搬をしているのだろう」とも思っていた。
しかし、それでも本を読める人になりたかった。本を読まないと、SNSやWeb上の浅い知識しか持てず(中には濃いものもあるけど)、狭い視野で生きてしまう感じがしていたから。あとは、賢い人に憧れがあるから。
実際、学生時代の自分も今も、なんらかのコミュニティの中で、相対的に知的である・賢いことはあったとしても、人や社会のために何かできるほどの知性はないと思っている。
せっかく先人たちが積み上げてきた知恵と知識があるのだから、どんどん吸収したい!
2. 100冊読もうと決めるまで
前提、私の読書量の推移はこんな感じ。
大学1〜4年(2016〜2019)は、ほとんど読まなかった。
2020年は、卒論で読み漁る必要があったのと、外出自粛が多く暇だったので、自然と本を読むようになった。
読書に関しては、外出自粛から多大な恩恵を受けた。コロナ前は、暇があればいろんな勉強会やイベントに赴く傾向があった。知らないヒト・コトと出会い、自分の世界を広げるのが好きだった。
そういった時間もよかったけど、じっくり1人で学べるようになったのは大きい。イベントはどうしても、時間と空間を共有している、類似性のある人々が集まるものなので、知れること・学べることに限界がある。
2021年に100冊読もうと思った経緯は忘れた。おそらく直感だったと思う。常々、「読書できる人になりたい」とは思っているので、自然と湧いてきたんだろう。
3. 100冊達成するまで
こちらは、月毎に読んだ冊数。
ペースがめちゃくちゃ。明らか中弛みしてる。
7月時点で24冊、10月時点で46冊だったのを、加速度的に読んでいった。
年100冊読むためには、最低でも月8冊、週2冊、4日に1冊読む必要がある。春の時点でこのペースを守れなかったので、結構きついなと感じた。
また、夏場は山形のシェアハウスで交流が多かったり、メンタル的な落ち込みがあったりして、ほとんど読書しなくなっていた。
そんなこんなで、「今年もダメかぁ」と諦めていたけど、10月に「そうだ、読書の秋だ!」と謎のやる気を発揮。友人にも「まだいけるんじゃない?」と後押ししてもらい、どうにかやり切った。
しかし11〜12月の「隙あらば読書」みたいな状態はややつらかった。人と話したり、大好きなアニメを見る時間を削ってやってたので、受験勉強をしてるような感覚だった。「したい」が「すべき」になる感じ。今の私は、1日2冊読むと限界で、「うわー今日はもう本ムリ!」となった。
ナチュラルに本が好きな人は、いくら読んでも辛いとか疲れたとか感じないと思っていて、そういう人はちょっと羨ましい。おそらく、読書の目標なんて立てる必要さえ感じていないだろう。
しかし、そんな中でも没入させてくれる本もあり、本と仲良くなれるのは幸せなことだと知った。
4. どんな本を読んでいたか
読んでいた本は主に、コーチング・心理・成長といったジャンル、ビジネス書、小説の3つ。
今年からコーチングを始めたので、その辺りをベースにしつつ、大学で学んでいた社会学や、知人・友人がオススメしている本など、目に留まったものはどんどん手を出した。
5. 読んでみて変わったこと
①明らかに知識量が変わった
量が増えれば質も上がるけど、まずは量。
やはり、ツイートや2,3分で読める記事で「これって、こういうことなんだな〜」というレベルの理解で終えるのと、数万字を数時間かけて読み込むのとでは、頭に入ってくる量が違う。
部屋に新しい家具を入れるような、ドカンとくる感じ。
②同じ思考パターンを繰り返さなくなった
言い換えると、新しい考え方・やり方をどんどん取り入れられるようになった。毎日のように読書していると、自然と何かしら作者の考え方・やり方をマネしていくことになる。
「あの著者だったら、どうするかな?」と考えてみるだけで、前に進みやすくなることもあった。自分の頭の中だけで完結させようとしないこと。
6. 最高だった6冊
①サピエンス全史
最高だった。すべての大学生に読んでほしい1冊。発売当初は「なんか話題になってるなー」くらいの認識だったけど、普段は古典を扱っている学部ゼミで読んだと聞き、そんなに名著なのかと驚き、購入。
上下合わせて読むのに1年ほどかかり、大変だったけど、これ以上にホモ・サピエンスの歴史を大きく・広く・深く・面白く捉えさせてくれる本はない。
虚構の話、宗教の話、戦争の話、人類がこれからどうなっていくのか、どれも「そんな見方があるのか!」と、のめり込んで読んだ。
②資本主義リアリズム
これは最高というより、「うわうわうわ」って感じの1冊だった。なんとなく世界中の20-40代あたりが共有しているであろう感覚を、見事に言い表してくれる。
荒く説明すると、「資本主義社会の限界(苦しみ・生きづらさ)にみんな気づきつつあるけど、どうしたらいいかわからないよね。資本主義の代わりなんて想像できないし・・・」って感じ。
ニルヴァーナとか映画とか、いろんなアートを絡めて論じる切り口も独特で、カルチャーに強い人ほど楽しめる1冊(私は弱い)。
ちなみに作者のマーク・フィッシャーは、うつ病を患っており、(因果は分からないが)2017年に自死された。勝手な意味づけは危ういが、彼の死が資本主義への絶望・諦めを含むものだったならば、私たちはどうやって前を向いていけばよいのだろうか。
③なぜ世界は存在しないのか
NHKに出演するなど、日本でも著名なマルクス・ガブリエル。もちろん考え方は無数にあるけど、読み終える頃には「たしかに、世界って存在しないなー!」と納得させられた。「意味の場」という概念がすばらしく、私も思考する上で多用するようになった。
④サラバ!
いろんな友人から勧められ、小説に対する重い腰を上げるきっかけとなった。読めば読むほど続きが気になって、1週間ほどで上中下を一気に読んだ。
個人的に、主人公が住む町が3つも被っていて、ご縁を感じざるを得ない。(ネタバレしない形で小説を紹介するのってむずかしいな)
⑤NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法
コーチングを受けていた美月さんからの紹介。「こういう世界ってあるんだ!」と感動すると同時に、「自分もNon ViolenceなCommunicationができるようになりたい」と切に願うようになった。
⑥はじめての哲学 哲学してみる
一目見ただけで、すごい本だと唸った。小中学生にも大人にもあげたい本。
「有限・無限」「肉体・精神」「理性・情動」など12組の概念が、CGのようなイラストで視覚的に表現されている。このイラストが秀逸で、対の概念を子どもでもわかるように練られている。
わかりやすさと、哲学的な問いの世界にいざないを両立させているのが本当にすごい。
おわりに
2022年は150冊読みたい!ただし、目標にしちゃうとタスクっぽくなるので、「楽しむ」「学ぶ喜び」を第一に。
そろそろ「読むぞ!」みたいな意識を持たずとも、自然と本を手に取る人になってきた感じがするなあ。もっと本と仲良くなるぞ。
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