人事部　異動する課

「私はこのようなものです！」
と名刺を差し出された。
そこには『人事部異動する課』という肩書きが。

「人事部…異動する課…ですか？？
どういった仕事をしているところなんです？」

「そのままの意味です！
職場で色んな事情で欠員が出ることありますよね？
退職や病気、結婚、育休、産休とか…！
その欠員が出た時に我々がすぐにそこの配属になるんです」

「え、ということはどこの所属でもすぐ即戦力ってことですか！？」

「私はまだまだそんな即戦力ってほど出来るわけじゃないですよー！
会社として欠員が出ると周りにも異動とか業務移行とか大変じゃないですか…！
なので抜けたところに、
我々異動する課の社員が、
常にいつ抜けが出ても、そこに異動して業務に支障が出ないようにしているんです！」

「それって仕事が本当にできるってことですよ…！すごい」

「いえいえ！そんな！抜けた所に入るだけです！
会社にとって業務が円滑に進むようにするのが
私の仕事なので！！」

「それなら、育休、産休も取りやすいし
部署的にも逼迫しないし、気持ちよく送り出せますよね！いいなぁ」

「私たち異動する課の社員も、色んな部署の仕事の経験が出来ますし楽しいんですよねー！
色んなところに行くと大変なこともわかりますし、俯瞰的に業務状況、改善点も見えますし、
会社としても異動する課作ってよかったみたいですよ！」

「うちの会社にも人事部異動する課ほしい…」