先週のkinologue【9/18-24】in Finland
今回も事後報告的な「先週の」kinologueはフィンランド2週目。半ばに映画祭の業界の集いがあったので、仕事モードにスイッチしたが、その前に訪れたのはkoulukino(コウルキノ)。kinologueにとっては故郷のようなところで、初訪問した2011年以来、毎年温かく迎えてくれている。フィンランド映画業界の状況やオススメ映画、彼らの現在の活動の話などをたっぷりと。あっという間に午前中が終わっていた。大学院の研究の相談もしたり、本を出したこともとても喜んでくれた。いつも楽しい時間を本当にありがとう。
『ファブリックの女王』の製作会社からプレミア上映の招待があり、久しぶりにプロデューサーや配給担当に再会。セクシャルなシーンが多い映画で、アフタートークではインティマシー・コーディネーターの話に。世界標準になってるんだなぁ、やはり。業界の集い初日はマーケット・スクリーニングから。会場はKallioにあるミニシアターの姉妹店、RIVIERA PUNAVOURI。2人がけソファーに飲食できるサイドテーブル、コート掛け、鑑賞中に充電も出来て最高すぎる。
アパートからホテルにバタバタと移動し、オープニング・レセプションに出てから上映へ。日本のフィンランド映画祭で2本上映されているティーム・ニッキ監督の新作で相変わらずのダークコメディ。ラストがちょっと違ったらなぁと思うのは私だけか?
その後、ある監督から直接アプローチがあったので、もう1本観に行った。セリフがないモノクロ映画で、美しいビジュアル。クレジットを見ると本人が全仕事をしていて、上映後に話をすると、それがやりたかったことらしい。ヘルシンキのトラムの音が嫌いという小さなビレッジからやって来たという監督を、とにかくいっぱい映画祭に出すように激励した。
次の日は9時から16時まで、フィクションとドキュメンタリーにわかれてショーケース。ポスフロ中のものはクリップも見られる。これから製作するものはプロデューサーと監督が熱くプレゼン。午前の部が終わるとネットワーキングランチでホテルに移動。以前は1時間以上かけて全員自己紹介をしていたし、確か5年前もインターナショナルゲストだけは挨拶したので、何となく認識したりされたりがあったが、今回は全くなかった。ま、圧倒的に参加人数が増えたから仕方ないのだろうけど、残念。知っている人は皆無だが(5年ぶりで忘れていることも💦)、ランチで隣り合わせると声を掛け合って色々話が始まる。「今、撮影中なんだけど逃げてきちゃった。笑」というプロデューサーや、プレゼンが終わったばかりのプロデューサーと監督コンビとは意外な話題で盛り上がる。その他にも、アイスランドのプロデューサーに紹介して貰った人がいたり、こういう出会いはオンライン参加では得られない。後半の部が終わると、各プロジェクトと15分ずつミーティング。こちらからの希望やあちらからの希望をマッチングしてくれる。前に会った人もいれば、こちらのことを調べてくれている人もいて(サイトに英語のディスプリクションを載せねば!)、たくさんのミーティングもあっという間に過ぎていった。その後のサウナパーティーに向かうバスで隣り合ったイギリスから来たジャーナリストは彼らのオーガナイズをとても褒めていた。観光客に大人気のおしゃれサウナ・Löylyにてディナーの後、本日のベストプレゼン3組が表彰された。
一日中、色んな人たちと話したが、この時期『パービー』と『オッペンハイマー』を観ておいて本当に良かった。大体その話になる。世界的ヒットに日本が完全に乗り遅れているのを感じる機会でもあった。フィンランドの人たちはハヤオの新作を楽しみにしているらしく、私はイマイチだったと告げると表情がちょっと曇る(ごめんなさい)。
スケジュールが合わなくて見逃したものも多々あったが、最後に観たのはアニエス・ヴァルダの”The Creatures”(1965)。事故で声を失った妊婦のカトリーヌ・ドヌーブはメチャ美しいが、不穏なバイオリンの音色が響く、ヴァルダならではのサイコホラー?なかなかすごかった。
色んな想いを抱えながらもう帰るのか〜と寂しくて仕方ない空港にて。
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