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今週のkinologue【6/21-27】

6月もあっという間に残りわずか。つまり、もう今年も半分終わるという、オソロシイ事実。夏至に湧く北欧とはちがい、1ヶ月を切った東京五輪開催にまったく湧けない我が国の夏は、一体どうなるんだか。

今週になって、ようやく納得いく予告編ができ、ポスターができ、これまでロゴしかなかったところから、『〈主婦〉の学校』は来週大きく前進予定。こんな映画なんですと、ようやく伝えることができる。そして1ヶ月ぶりに、イメージフォーラムさんとの配信番組「配給さんと映画を届ける」第2回も。すべてはまた改めてお知らせを。
「北欧アイスランドの歴史・文化・社会」というオンライン講座を聴講したこともあって、今週は特にアイスランドの政治や経済について色々調べた。調べていくと、初めてアイスランドに行った2010年は、アイスランド社会が大揺れの時だったらしい。リーマンショックからの世界金融危機にがっつり巻き込まれたアイスランドは、イギリスやオランダの投資家の銀行破綻による損失を国民が被ることに猛反対して突っぱねた。そして、そんな状況を招いた男性政治指導者や企業幹部が退任し、女性首相やCEOが誕生。まさにどん底から這い上がっていっている時だった。お土産屋に「経済破綻でご迷惑をかけたアイスランドです」とか「火山噴火(発音が異常に難しいこともネタにしているエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山が噴火し、その火山灰でヨーロッパ中の空港が閉鎖になった)で有名になったアイスランドです」と書かれた自虐Tシャツが売られていて、これはもう危機から立ち直ってきてるなと思ったのを覚えている。アイスランド社会の大きな変化は1970年代と言われており、女性がムーブメントを主導したが、2010年代の飛躍も女性たちの柔らかな力によるものが大きい。こちらがその一人@TED。

「男性か女性かのどちらかを選ぶという構図にうんざり。バランスが大事」
ホントその通り。男性か女性か、なんて意味がない。女性活躍推進とか言ってる国にいると、アイスランドは眩しくて仕方ない。

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今週は週末までびっちりオンラインだったが、その中で珠玉の時間となったのが、バリー・ユアグロー『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』刊行一周年記念イベント。ユアグロー氏本人と翻訳者の柴田元幸先生、作家の川上未映子さんと通訳・翻訳の由尾瞳さん(どこかで見たことがあるんだけど思い出せない!)というゴージャスなメンバーが揃った。ユアグローには90年代に柴田先生が翻訳した『一人の男が飛行機から飛び降りる』(タイトル字は柴田先生の味のある手書き)という短編集で出会った。ぐっと引き込まれていくユアグローの形容詞は癖になり、ずっとお気に入りの1冊だ。そして、2020年4/5-5/11、コロナ禍のニューヨーク(ジャクソンハイツ辺りらしい)で「正気を保つため」に書いて柴田先生にメールしてきたという、12本の物語からなる『ボッティチェリ』。去年刊行を知って速攻手に入れたが、1年経って、ニューヨークの部屋にいる本人の朗読によって味わい直すことが出来るとはまさに至福。オンラインって素晴らしい!この場を作っているのは、間違いなく柴田先生の媒介力であって、他の誰もなし得ない。感動だった。今週もいろいろあったけれど、これで来週もなんとかやっていける、かな。


 


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