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今週のkinologue【9/19-25】

いつからか定着したシルバーウィークの今週、3年ぶりの秋祭りが各地で開かれようとしていたというのに、雨と格闘する残念な日々。こちらも出かけた途端の土砂降りに2回遭遇。ずぶ濡れになったものの、風邪も引かずに乗り切れたのは、お尻に火がついた忙しさ故だろう。

1本目の基本宣材物がほぼ手を離れて(まだ大物が残ってはいるが)、来週には初号試写を控えている2本目に少しずつ頭をスイッチ。この映画だからこそ実現できる楽しい企てのために、打ち合わせを始めていく。お土産に美しいシナモンロールを頂いて、ああ、カルダモンの幸せな香り〜♪

20秒レンジの後にトースターという教えを守って、大成功。

この時期になると、これまで何度も参加してきたヘルシンキの映画祭のFB投稿が毎日現れて「やっぱり今年は頑張っていくべきだったか〜」と後悔の念に苛まれ、「いやいやどう考えても無理だったでしょ」という正当化とのせめぎ合い。今年もオンライン参加だというのに、ランチ会場で会えるかしら?とかミーティングの申し込みメールが相次ぎ、ますます悲しくなる。今後のプロジェクトのショーケースは後から録画で見るとして、オンラインでいくつか作品を視聴。シニアが主役の2本はどちらも良作だった。

海辺の景色が本当に美しい。家政婦としてやってきた彼女も日本人好みな美しさ。

1本目は『ヤコブへの手紙』以来、ちゃんと日本で公開されているクラウス・ハロ監督初の英語作品 "MY SAILOR, MY LOVE"、シニアのメロドラマだ。前作の『ラスト・ディール〜』もそうだったが、今回も主役のお爺さんの描き方が切なく温かい。2018年に前作を観た後、監督と話す機会があり(お爺ちゃんっ子だったのか、聞きそびれたのが悔やまれるw )、その時にこの企画の話を聞いたが、聞いていた通りの出来になっていた。シニアの物語に挟まれるミドルの苦悩が、この監督のもう一つの持ち味。今回は自分で自分を不幸に追い詰めていく娘が描かれていた。なぜ英語にしたのか?マーケット的な狙いなのだろうが、作品上はフィンランド語でも問題がなかったように思った。日本のミニシアターはシニア層がまだ完全に戻ってきていないけれど、かかるといいなぁ。

シリーズ3作目。寅さんみたいになるのか。

もう1本は、THE GRUMPシリーズ第3弾の "THE GRUMP: IN SEARCH OF AN ESCORT"。毛皮の帽子がトレードマークな「常に不機嫌なお爺ちゃん」が主役のシリーズで、テレビシリーズにもなっている。1作目と2・3作目では主役を演じる俳優さんが違っていることに初めて気がついた(1作目の俳優さんは今年亡くなっていた)。全て監督が違っていて、1作目は『トム・オブ・フィンランド』などを撮っているドメ・カルコスキ監督だったが、2作目は女性監督(驚いたことに、この監督は3作目では女優として出演)で、そっちの方がずっと面白いよとオススメされたことがある。3作目となる今作はミカ・カウリスマキ監督が登場。アキと違って、毎年のようにドキュメンタリーから歴史ドラマ、コメディまで幅広く新作を出していて、本当によく働いているw 今回も泣かせるコメディとして安定感が抜群だ。こちらも仲違いしていたシニアの兄弟の物語にミドルの息子たちの苦悩が挟み込まれていたのが、1本目との共通点。寅さんの時代と違って、ミドルが呑気にしていられないのがイマドキなのか。くー。THE GRUMPシリーズとして、一気に日本で上映されないかなぁと他人事のようにつぶやいてみる。

昨日はご縁あって地元の起業家セミナーで、起業家の先輩として登壇。偉そうに話せるようなことは何もないのだけど、創業補助金の申請は絶対にした方がいい!と熱弁し、「こんな私だって起業できたのだから、皆さんにも出来ます!自分だけで背負い込まないで、頼れるものは何でも頼っていきましょう」というエールを送った。終わった後に「『365日のシンプルライフ』は100回くらい観ている大事な映画なので、一言お礼が言いたかった」と声をかけてくれた方がいて胸熱。話を聞いて頑張れそうな気がしてきたとおっしゃってくれた方もいて、こっちも元気になった。何より驚いたのは、一緒に登壇した方が偶然にも兄の飲み仲間だったこと。地元ってオソロシイ〜。

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