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5/15(日) 『〈主婦〉の学校』上映ワークショップ@はじまりの美術館 レポート

翌日は青空でしたー!磐梯山頂上近くに雪が残っているのが見えました。
今日の『〈主婦〉の学校』上映ワークショップは午後から。
ちなみに昨日のワークショップはこちら↓

参加者はやはり女性が多かったが、ご夫婦での参加が2組、男性お一人での参加もあり、頼もしい限り。最初に、どこからいらしたのかと「好きな家事は?」に答えて頂く自己紹介をお願いする。「福島での上映がなかったので、待ってたんです!」という嬉しいお言葉も。料理が好きな方が比較的多かったが、男性陣は「家事はしてなくて・・・」のエクスキューズが必ずと言っていいほどあった。一緒に参加している奥さんは「結構、料理してくれるので助かってます」と言っているのに、だ。いかに男性が「家事をやっている」と堂々言えるハードルが高いか、、、下げていきたいなぁ。

昨日はフィンランドのおじさんばかり、今日はアイスランドの女子ばかり。
どちらもわがままボディなのは共通。愛らしい。

上映後、出来るだけ知らない人と3人ずつグループになって、映画の感想や気になったシーンについて話し合って貰う。「男性が観て正解な映画(だから旦那さまを連れてきた奥さまたちは素晴らしい!)。生きるために必要な、武器になるものを身につけるっていいですよね」「子どもたちにも観て欲しい映画。YouTubeではなく自分の手を動かす体験は大事ですね。(テーブルセッティングのシーンなどから)アートと家事は地続きだと思った」「得体の知れない料理がいっぱいだった。出来上がりが見たかった」「ああいう学校があったらいいな。学校で家事を習えるのは良いですね。機織りするのもすごい」「音楽が特徴的だなと思って観ていた。古い映像の髪型がかわいい」など、わかる範囲で映画や学校の説明もしつつ、みんなで共有する時間を持った。

短い時間だったものの、グループトークは賑やか。知らない人と話すのも楽しそう。

今度はテーブルを囲んで「自分の暮らしを考える」ワーク。「好きな家しごと」「嫌いな家しごと」「いつもやる家しごと」「やってない家しごと」で区切った4象限のマトリックスに、「好きでいつもやる」「好きだけどやってない」「嫌いでやってない」「嫌いだけどいつもやる」という家しごとを、深く考えすぎず、付箋に書いて貼っていく。

「うーん」と悩みながら、他の人の付箋も見て、自分にとっての家しごとを考える。
1人3-4枚ずつほど貼り終わったところで、みんなで見ていくことに。

当然だが、同じ内容の家しごとでも、人によって貼る位置が違う。たとえば「風呂そうじ」は「好きでいつもやる」以外の3箇所に貼られていた。風呂そうじを「好きだけどやってない」家しごととした人は、「好きなんだけど、子どものお手伝いにしてるので、やらないことにしてます。自分が入った時に床を磨いたりはしてますけどね」。確かに、子どもが家事をする経験も大切だ。「掃除」ではなく「掃除機をかけること」を「好きでいつもやる家しごと」とした人は「スケルトンの掃除機じゃないとダメです。見えないと達成感がない」と道具の重要性を主張。なるほど、道具もモチベーションアップの大事な要素だよなぁ。「ご近所付き合い」が「嫌いでやっていない家しごと」にあることに「深いわ〜」と納得の声。

「いつもやっているけど好きでも嫌いでもない」ラインにいる「雪片し」。
雪深いこの地方ならでは。
家しごとには色んな思いが詰まっていることが、話を聞くとよくわかる。
「嫌いでやっていない」に貼られている家しごとは、出来れば誰かにやってほしいもの?

「『やってない』を『やる』ようになるのには何が必要だと思いますか?」という問いに、「体力」と「時間」という答え。時間は納得だが、体力は目から鱗。確かに体力がなくなるとしんどくなって、好きだったものも嫌いになってしまう。家事は体力が要るのだ。家事をエクササイズと捉える考え方もあるくらいだ。「家事が楽しくなる時はどんな時ですか?」という問いには「やっていることに気づいてもらえたとき。地味なことはやって当然になっていて気づかれないんですよね」。日常には名もなき地味な家事が溢れてますからね(涙)。「洋服を作ったり、穴を繕ったりするのも家事なんだと思えたら、好きなことも家事にもっと組み込めるのかも」という意見は、家事と趣味の境目は一体どこなのか問題につながる。どちらも報酬がないという共通点はあるが、好きで楽しくやっていたら、それは家事ではなく、趣味なのか?家事=楽しくないものなのか?すぐに答えが出ない難問だ。
「好きでいつもやる」家しごとには、結果が見えるものが多い。例えば「料理」は美味しいと言ってもらえたり、「ペットボトル捨て」はポイントが貯まる。継続的に楽しんでやるには、結果の力は大きいのだ。

映画の場面写真やポスターにあるイラストも貼っていくと、柔らかくまとまりました。

<参加者アンケートより一部抜粋>
「色んな感じ方があり、それぞれの話を聞けたのが良かった」「気になった事や疑問を人と意見を交わすことで、価値観の共有や新しい気づきとなって視野が拡がります」「家事は家の中で完結してしまうものだと思ってましたが、彼女たちのように(そして今日の対話のように)共有する、一緒にやると楽しめるのかもしれません」「家事についてはできることから進んでやれたらと思いました」「満身創痍の日程の中、生きるヒント、日常を豊かにする方法論がたくさんつまっていて、とても有意義に見させて頂きました。来て良かった感100%でした。また明日から頑張れます」「いくつになっても "学ぶ" というのはおもしろい。気づきが知恵になる瞬間が人としての醍醐味だなーと感じたので、今後もこういったイベントや映画・本で学び続けたいです」「もう一度、この表を作って書いてみようと思います。体力や時間がないのを言い訳にしないで、家事を楽しいものにできたらいいと思います」

初めての『〈主婦〉の学校』のワークショップ、たくさんの学びがありました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

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