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背徳の水曜日

タイトルからエッチなこと考えた人、はい残念でしたー! 何もありません。

おっとそこで「戻る」をクリックせず、たまには読んでいってくださいよ。わたしは長く人生を生きてくたびれてはいますが、それでもいつも感動する心を求めているのです。

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土日に出勤することが多かったので水曜日に代休を取りました。別にヒマなわけではありません。水曜に休めばあちこちに迷惑がかかるのは十分承知。だけど休まないと。

休日も休まないのがかっこいいみたいにダラダラと仕事を続けてきたら身体が壊れたので、大変反省して現在に至っています。お休み大事。超大事。

休みの日はゴロゴロ寝転がっているだけのことも多いのですが、せっかくの休日、しかも水曜日で家族も家にいない、というわけで、マスクなどで完全防備して出かけました。アルコールスプレーもバッグに忍ばせています。

平日の昼間にブラブラする背徳感!!

別に平日休みの仕事はたくさんあるし、だいたいお金をもらう仕事をしてたらえらいわけでも何でもない。なのに水曜日のお昼に街を歩くとなぜ背徳感でふるふるしちゃうかなあ。貧乏症でしょうか。

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目的地、北海道立近代美術館

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ここは街の真ん中ですが知事公館などもあり緑の多い地域。車はたくさん走るものの、目に入るのは紅葉の進んだ木々が多く、歩くだけで癒されます。

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実は上に載せた所蔵品展のポスターを見て、頭を使わずにぼ~っと展示を見るのもいいかなあと来たんですが、同時に大きな展覧会も開かれていました。ていうか美術館的にはそっちがメイン。観るのは予定していなかったのに、当日券の列に並んだらズルズル流されて自動的に入ることになってしまいました。ま、いいか。

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神田日勝。NHKの朝ドラ「なつぞら」に出てきた山田天陽のモデルです。名前や有名な絵は知っていたけど、今回は生涯を通しての回顧展で、初めてこの画家についてちゃんと知ることができました。

キャンバスではなくベニヤ板に描かれた馬や牛。暗い色調の壁。年代を追うごとに変化していく画風。変化しない馬や牛への「共に生きるもの」としての視線。貧しさで正規の絵画教育を受けられなかった農民画家のパッションと、農業も画業もと働きすぎて、30そこそこで病魔に倒れた短い人生の密度が迫ってくるようでした。見てよかった。

その後、収蔵品展の方もはしごし、せっかくだから隣のブロックまで歩いて三岸好太郎美術館にもお邪魔しました。街中のいい場所なのに事前の情報収集不足で昼ごはんを食べ損ねたのはご愛嬌。ミュージアム・カフェにフードはなく、コーヒーとケーキで昼の代わりにしました。たまにはいいよね。

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三岸好太郎も30歳そこそこで病死しています。旅先の名古屋で倒れ、そのまま病院に運ばれて。妻の三岸節子も画家。こちらは長生きでしたが、夫亡き後、幼い子どもたちを抱えて画業で生きていったのにはどれほどの苦難があっただろうと年表をみていて思いました。節子の美術館は出身地の愛知県一宮市にあるみたい。ぜひ今度行きたい!

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秋たけなわの佳い日でした。こうやって一人で美術館やら図書館やら公園を歩くのが大好き。二人でもグループでも好きだけれど、ひとりで歩くのもよいものです。ひとりでどこへでも行けるのは天の恵みだと思っています。交通手段、治安、そして自身の健康、すべてそろわないと、オババがひとりでブラブラはできません。

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仕事も他のことがらもみな忘れ、命の洗濯の水曜日でした。
Viva背徳!
今度また水曜日に休みを取ろうっと。






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