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死ぬまでにもう一度アレが食べたい

ごちそうさまグランプリというページにたどり着いたのは3月16日でした。

#ごちプリ 、知った時には終わっていた〜と書いたら、なんと主催者のごはんさんから「これから書いていいですよ」とのお言葉が! 

ありがとうございます❣️

それにしてもなんと美味しそうな企画でしょうか。タグを追って読んでいくとそれはそれはいろんなうまいものが出てきます。ああ飯テロだこれは。胃弱にはつらい。そう、最近は胃弱なので量が入らないのです。以前は300g程度のステーキならスルッといけたのに。

忘れられない味はいくつかあります。大昔に東京で食べたものが多いです。ひとつは渋谷スペイン坂の登り口にある「びいどろ」というお店の「マッシュルームのセゴビア風」。マッシュルームのアヒージョですけど、初めて食べた時は感動のあまり叫んだ(迷惑)くらいうまかった。お店はもうなくなったみたいな話を聞いた気がしたのにガセで、いま調べたら変わらずちゃんとありました。ほほほ、ごめんなさい。

六本木の「リラ・ダーラナ」のナスのオバジンも忘れられません。でっかい米なすみたいなんがグラタン風になっている料理。「ナスとチキンのアンチョビグラタン」という名前になっているけど、わたしが食べた時には「オバジン」と呼ばれていました。ナス嫌いの友人が一発で宗旨替えしたすごい料理です。これも感激するほどうまかった。付け合わせのキャベツのグリーンサラダも激うまでした。キャベツはいまも付いてるのかな?

ナス続きで連想しましたが、中野にある「カルタゴ」の焼きナスのディップも絶品。これをピタパンにつけて食べながらワインをぐびぐびと、ああ幸せだった。また行きたい! こちら地中海(中東近辺と地中海の南側)料理のお店で、食べたことのないものばっかりだったのだけれど全部おいしかったです。シェフ一人で作っていらっしゃるのであらかじめコースで予約するのが吉。大勢で行ってシェアするとさらに良し。

でもね、書きたいのはそれじゃないんですよ。上にあげたのはだいたいガーリックがきいた料理で書いた人の趣味がモロバレですね。だけど死ぬ前にもう一度食べたいのはガーリックじゃないんです。ガーリック入ってません、多分。

では忘れられない一皿の思い出を書かせていただきます。もしできることならもう一度。生きてる間に行けたら。

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平成になって間もない頃、ウィーンに行きました。パック観光旅行です。てか、ぶっちゃけ新婚旅行でした。その夜は夕食が付いていなかったのですけれど、ウィーン在住の友人が会いましょうと声を掛けてくれ、一緒にご飯を食べることになったのです。

彼女とはそのときが初対面でした。わたしたちが知り合ったのはnifty-serveというパソコン通信。ネットもまともに無かった頃です。ピーガガガという音と共にモデムで電話回線に繋ぎ、電話料金を気にしながらテキストだけでやりとりしていた時代でした。

でもネット友だちと実際に会ったことがある人はわかるでしょう? 遠くから見ても(あ、この人だ!)という感じがして、会えば共通の話題があって昔から知っているような気がしてしまう。お互い文字から抱いた印象とあまり変わらず、わたしたちはすぐ打ち解けたのでした。一緒にいたダンナも、何せ彼女は日本人で日本語で話せるのでホッとした様子でした。

そうこうしているうちに彼女のパートナーがやってきました。パートナーさんは韓国人。ふたりの会話は地元オーストリアのドイツ語。わたしは怪しい英語しか話せず、パートナーさんは一所懸命わたしたちのために英語で説明してくれたりしました。うちのダンナに至ってはほぼ日本語オンリー。彼女らがドイツ語でやりとり、時々わたしたち夫婦と彼女が日本語で、そしてパートナーさんと彼女が得意でない英語でわたしたちに説明、わたしがダンナに日本語通訳というものすごいシチュエーションだったのですけれど、楽しかったという記憶しかありません。

そのパートナーさんがわたしたちのために予約してくれたレストランが、ピアリステンケラーです(リンク先、日本語も選択できます。ちょっと変だけど)。歴史あるレストランで、ピアリステン修道院のワイン倉をそのままレストランにしたとのこと。当時も既に日本語のパンフレットがありましたから日本人のお客も多かったんでしょうね。

メインに何を食べたかは覚えていません。ワインも、デザートも何も覚えていません。でも今でも思い出す、死ぬ前にもう一度食べたいのは、スープです。スープがおいしかったんです。

それは透明なコンソメスープの中に大きめの肉団子がはいっている料理でした。たぶん、レバークネーデル・ズッペ(レバー団子スープ)というやつ。正確には覚えていません。でも、そのコンソメの絶妙な味が、もう、とにかく、すばらしかったのです。

暖かいスープに溶け込んだ何種類ものエキスが重なり合って、すばらしいハーモニーをつくりだしていました。複雑にしてシンプルな旨み。その中にゴロンと入った肉団子を食べてしまうのがもったいなくて、でもスープがあまりにも美味くて、あっという間に食べてしまいました。めちゃくちゃうまい、という思い出だけが残っています。ああ語彙がない。海原雄山に怒られそうだ。

何せウィーンなんで、ニッポンからあまり出ない人間としては行く機会がありません。もしもウィーンに行く折があって、地元料理のレストランをお探しならお勧めです。

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当時のパンフレット。大事にアルバムに貼ってあります。「ここで食べた!!」は自分で書いて貼り付けたもの。

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日本語もあったの。これも切り取ってアルバムに貼ってありました。マメだったのね~当時の自分。

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