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健やかに眠りたい

#チコちゃんに叱られそう日記  32日目。

今朝は寝坊した。

実は先日からよく眠れないことが続いている。「眠れない」のにもいろいろあるが、今回のは「入眠できない」、つまり寝付きが悪いやつだ。そろそろ眠いなあと思って寝床に入ると途端に頭がさえざえとして、眠りがどこかに行ってしまう。昨夜は2時過ぎにやっと寝た。それでつい寝坊してしまった。

以前は「中途覚醒」、つまり途中で起きてしまうので閉口していた。でもその頃は寝付きは良かったのだ。これまでだいたいにおいて寝付きの良い人生だったので、この「眠れない」にはちょっと驚いている。

あまり寝た気がしないと一日中だるい。

何をしてもはかどらずグダグダしてしまう。今日も仕事でzoom打合せをしている時は元気だったのに、ひとりに戻るとぼんやりが再開する。考えがまとまらない。さっきまでテキパキ話しながらちゃっちゃっと判断していたのは何なんだー、別人か、と思う。

ランチは近所のカフェに出かけていってもそもそ食べた。睡眠不足だと昼食後に恐ろしく眠くなりそうだが、そういうこともない。年を取ってから午後に眠くなるということが少なくなった。一見すばらしいようだが、眠くないのに頭がふわふわしてしっかり脳みそが働かない。起きていても夢うつつである。こんな日は能率も悪いしあきらめて早く帰ろう、と思いながらグズグズ余分なことをして帰りが遅くなるのも眠りが足りないせいだろうか。


眠れない時には養命酒を飲むことがある。薬のように少量をキュッと一杯流し込む。けっこう度数が高いので、その場はホワンと暖かくなり眠れるような気になる。うまく眠れる日もあるし、そうでないこともある。その養命酒が尽きてしまった。調べたらちょっと先のドラッグストアがまだ開いていたので、夕食後に車を走らせることにした。

夜も更けて養命酒を買いに出る。月がもう欠けてきている。この間満月だったばかりなのに。え、この間って、もう何日も前だ。いつの間にこんなに時間が経ってしまったのだろう。気がつくと時間が恐ろしい速さで過ぎ去っていて、その間自分が何をしていたか思い出せない。

こんな夜の道を歩くのが好きだった。

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かなり遅くなり人通りも少なくなった頃、等間隔に並ぶ街灯とまだ開いている店の灯りに照らされたアスファルトをひたひたと歩く。昼の暑さは捌けてひんやりとした風が時折通り過ぎる。頭の中ではユーミンの「影になって」がエンドレスで流れ、「なんて素敵な夜」を気持ちだけは踊るようにずっと歩いて行く。家に着くのが惜しいような。

思い返すと、それは都会の、ひっきりなしに街灯があって店も多くて夜なのに明るい道だから歩けたんだ。怖いのは暗闇よりも知らない人だった。今は夜の暗さそのものが怖い。もちろんすれ違う知らない人間も不気味ではあるが、それより街灯の数もまばらで人気のない歩道と、そこここの暗闇がもっと原始的な怖れを呼び起こす。


まあ田舎なので夜だろうと車でぴゅーっと何キロか出かけるのは苦でない。煌々と明るいドラッグストアで養命酒と入浴剤と切れていたファンデのレフィルを買い、ぴゅーっと戻ってきた。便利だし時間もかからない。趣はないけれどね。

今日こそ眠れるだろうか。何がいけないんだろう。頭は疲れているのに、身体があまり疲れていないのが良くないような気もする。つまりは運動不足か。ストレッチもどきをやってみることにする。本当に、今日こそ普通に眠れますように。


写真は足成さんからいただいてきました。



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