夏の上映会

小学生の頃、年に一回
夏休みだったと思うけど
夜、小学校の体育館で映画が上映される日があった。
椅子が用意されてるわけでもなく
床に座って観る。
何なら扉は四方八方全部開けっ放しだったので、外から立って観てる人もいた。

今ほどじゃないにしろ
当時も暑かったと思うけど
体育館にすし詰め状態だった。
うちは、両親と3姉妹の5人で参加。
値段とかは覚えてないけど
印刷の薄いチケットのようなものを町内会か何かで買っての参加だったと思う。

田舎で映画館までは車で1時間以上かかるし、レンタルビデオ屋さんもない。
映画はテレビで放映されているものを観るのが普通で、初めての映画館デビューは高校生の時だったと思う。

最近ではドライブシアターが2~3年に一度ある。ディズニーやピクサーの映画を上映してるみたい。

その体育館での上映は「風の又三郎」だった。私は、多分、小学1年か2年だったので内容は全く覚えてないし、もしかしたら寝ていたかもしれない。
唯一、白黒だったのだけ覚えている。
調べたら1940年の作品らしい。

後にも先にも家族5人で上映されてる映画を見るなんて、この体育館での上映会以外にはないと思う。
なかなか貴重な思い出だ。

その体育館も今は取り壊されてない。
木造でたまに床がギシギシ鳴ったり、風が吹くと窓がガタガタしたり…体育館自体も映画の雰囲気を盛り立てていた気がする。
懐かしいなぁなんて昔を振り返ることが増えて、年を取った実感が半端じゃないけど、振り返る思い出ばかりが輝いてることのないよう、日々、頑張っていきたい。