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ブックレビュー「サーチ・インサイド・ユアセルフ」


図書館で借りてきた

休職してからも、辛い状況は続いていたので、自律神経の本とか、ストレス心理学の本とか、図書館で借りては読む、そして実践、を繰り返しています。
辛い状況というのは、仕事で頭がグルグルしてアドレナリン大分泌みたいな状況が、不安でドキドキ状況にすり替わってしまったことです。
どちらにしても毎日心拍数多めのドキドキ状況というのがなかなか収まりませんでした。
そこで、呼吸を整えるのがいいのではないかと思い至り、図書館で借りたのが「サーチ・インサイド・ユアセルフ」でした。

付箋びっしりで、本を返却する時に付箋を剥がすのが大変なほど、心に響く言葉のオンパレードでした。


心に残った文章の抜粋

以下は、付箋を貼った個所の抜粋です。

「EQは大人になっても鍛えることができる。この主張は、「神経可逆性」という、かなり新しい科学分野の考え方に基づいている。これは、私たちが考えたり、したり、注意を払ったりすることが、脳の構造と機能を変えるという考え方だ。」
「神経可逆性は重大な意味合いをもっている。私たちはトレーニングによって 脳を意図的に変えられるのだ。たとえば~社会不安障害の人はわずか16回の認知行動療法(CBT)セッションを受けるだけで、自己統制や言語処理や注意と結びついている脳の領域の活動を、ネガティブな自己信念に対処しているときに増やすことができる。」
「ジョン・カバットジンはマインドフルネスを、「特別な形、つまり意図的に、今の瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うこと」と定義する。」
「偏桃体は敏感に反応を示す。あとで後悔するよりは先に用心するにこしたことはないという主義なのだ。偏桃体は、あなたの生存に対する脅威と思える事態、たとえばサーベルタイガーが猛然と迫ってくるのや上司があなたを鼻先であしらっているのなどに気づくと、あなたを「闘争・逃走」に備えたフリーズモードにして、分別ある思考を損なう。」
「私たちはたいてい、心よりも体で情動をより鮮明に経験できる。したがって、情動を知覚しようとしているときには、注意を心ではなく体に向けたほうが見返りが大きい。」
「水の入った壺があって、そこには澱がたくさんたまっている。その壺をたえず揺すっていたら、水は濁る。だが、揺するのをやめて床にそっと置いておけば、水は鎮まり、しばらくすると澱が全部底にたまり、水は透き通る。これこそが、リラックスしていて、しかも隙のない心の状態を表す古典的なたとえだ。」
「心が穏やかでしかも明瞭なとき、幸せが自発的に湧き起こる。…幸せなのは心の基本設定状態だからだ…」
「運動と瞑想には、こんな類似点もある。どちらも、人生の質を大きく変えうるのだ。」
「マインドフルネス瞑想のプロセスは、図に示したとおり、とても単純だ。このプロセスは意図から始まる。まず、意図(マインドフルネスの状態でいたいと望む理由)を生み出す。たとえば、ストレスを減らすことでもいいし、自分の健やかさを増すことでもいい。…意図を生み出したら、今度は呼吸をたどる。呼吸のプロセスにそっと注意を向けるだけでいい。それだけだ。…この時点で、注意が増してくる。気が付くと、心が穏やかで集中した状態になっている。…たいていの人は、数秒だけだ。そして、気が散った状態に陥る。しばらくすると、注意がそれたことに気づく。そのとき、たいていの人が見せる、基本設定された反応は、自己批判だ。…第一にやるべきなのは、呼吸のプロセスに注意を戻し、たんに注意の集中を回復することだ。第二に、重要な洞察を思い出す。第三に、自分自身に対する態度を自覚することだ。…自分に対する優しい態度を生み出す旅に、その習慣が少しずつ深まり、それを何度も繰り返せば、自己嫌悪の多くを克服できるし、自分の親友になることさえできる。そして最後に、自分の呼吸をたどるところに戻り、役立ちそうなときにはいつも、自分の意図を思い起こす。」
「1.「矢のように」背筋をまっすぐ伸ばす
2.「蓮華座」に足を組む
3.肩の力を抜き、「ハゲワシのように」高く、引き気味にする
4.あごは「鉄のフックのように」心持引く
5.目は閉じる。あるいは、虚空を見つめる
6.舌は口蓋につける
7.口をわずかに開き、歯は噛みしめない」

「瞑想中、…気が散ることがよくある。それには次の4つのステップで対処するといいだろう。
1.認める
2.評価や判断も反応もせずに経験する
3.反応する必要があっても、マインドフルネスは保ち続ける
4.放してやる」
→マインドフルネスは2分バージョンと10分バージョンがある
「アントワーヌ・ルッツは、仏教の瞑想の達人たちがふり幅の大きいガンマ波という脳波を生み出せることを示した。ガンマ波は効果的な記憶・学習・近くと結びつけられることが多い。そのうえ、こうした達人は、瞑想をしていない標準状態でもガンマ波の活動が盛んで、ここから、瞑想トレーニングによって休息状態にある脳も変えられることがうかがえる。」
「私たちは、痛みがないこと、日に三度食事をすること、Aという場所からBという場所まで歩けることなど、人生の苦でも快でもない事柄の多くはごく当たり前のことだと思っている。だが、マインドフルな状態では、これらが喜びのもとになる。もうあたりまえだと感じないからだ。そのうえ、もともと快い経験はいっそう快くなる。そこに注意がむけられていて、めいっぱい経験できるからだ。」
「自分認識や正直さは、正確な自己査定から生まれる。…人生における最優先事項を知り、何が自分にとって重要で、何が重要ではないので手放してかまわないかわかる。やがて、あるがままの自分でいるのがしっくりくるようになる。まだ知らない不面目な秘密がなくなる。自分に関して、対処できないことが何ひとつなくなる。これが自信の基礎だ。」
「自己認識を深めていくと、ついにはとても重要な悟りが得られる。私たちは自分の情動ではないのだ。…マインドフルネスの練習を十分に重ねれば、やがて、微妙ではあるが重要な変化に気づく。情動は自分が感じるものにすぎず、自分ではないのだと思えてくるのではないか。情動は自分の存在そのものから、自分の経験するものに変わる。さらにマインドフルネスの練習を続ければ、再び微妙ではあるが重要な変化が起こるだろう。情動がただの生理的現象に見えてくるのだ。情動は体で経験するものになり、たとえば、自分が怒りそのものである状態から、怒りを体で経験する状態へと移る。この微妙な変化は途方もなく重要だ。なぜなら、自分の情動を克服できることを示唆しているからだ。」
「思考と情動は雲に似ていて、美しいものもあれば、暗いものもある。一方、私たちの核を成す存在は空のようなものだ。雲は空ではなく、空で起こる現象で、現れては消える。同様に、思考と情動は私たち自身ではなく、心と体で起こるたんなる現象で、現れては消える。」
「悟りを開いた心に忌まわしい思考や情動が湧き起こるときはいつも、水面に字を書くようなもので、書いた途端に消える。」
「トリガーとはいうのは、一見すると些細な事柄が、不釣り合いなまでに大きな情動反応を引き起こすこと…トリガーへの対処法を身に着けるための最初のステップは、トリガーされたときに、そうと知ることだ。
・肉体ー呼吸が浅くなる、鼓動が速まる、むかむかする
・情動ー闘争・逃走反応を経験し、情動の爆発(偏桃体によるハイジャック)を起こすか、「自動車のヘッドライトを浴びたシカ」のような気持になる
・思考ー被害者のような気持がする、非難や批判が頭に浮かぶ、注意を払うのが困難になる
ほとんどの場合、トリガーの裏には長い過去がある…過去の出来事がよみがえってくるからであることがとても多い。」
「ミンゲール・リンポチェは、情動の友となることを、身をもってはっきり示してくれている。彼は13歳まで、本格的なパニック障害に苦しんでいた。13歳のとき、瞑想修行の最中に、彼は自分のパニックを奥底までのぞいてみることにした。すると、自分のパニックを強大にする方法がふたつあることに気づいた。パニックを自分のボスのように扱い、その言いなりになること。そして、敵のように扱い、消えてなくなるように願うこと。ミンゲールは、そうせずに、パニックと仲良くすることを学ぼうと決めた。パニックの言いなりにもならず、消えてなくなれと願いもせず、ただ、少な陽に現れたり消えたりさせ、優しさをもって扱うことにしたのだ。すると、わずか三日でパニックは消え、二度と戻ってこなかった。…「私は三日間、自分の部屋にこもって瞑想した。何年にもわたってわつぃを悩ませてきた思考や情動がじつはとても弱くはかないこと、そして、小さな問題に執着すると、それが大きな問題となることが、徐々にわかってきた。静かに座って、自分の思考や情動がどれほとすばやく、多くの点で不合理な形で、現れたり消えたりするかを観察しているだけで、それらがみかけほど堅固でも実態のあるものでもないのがはっきりとわかってきた、そして、それらが語るように思える物語を信じなくなるにつれて、その向こうにいる「著者」が見えてきた。心そのものの本質である、はてしなく巨大で、はたしなく開かれた意識だ。」
「整合性とは、自分の仕事を自分の価値観や崇高な目標と整合させるということだ。二度と働かずに、それでもお金をもらう方法を見つけることだ…自分が楽しみとしてやっていることを仕事にするのがその秘訣だ。そうすれば、どのみち娯楽としてやっているのに、誰かがたまたまそれにお金を払ってくれることになる。…この手の仕事は、次のふたつの特質の少なくともどちらかを、多くの場合は両方を備えている。
1.その仕事はあなたにとって、とても意味がある
2.その仕事は、あなたの中にフローの状態を生み出す」
「多くの類似の実験からは、昔ながらの金銭的モチベーションが、手順の決まった、規則に基づく仕事、つまり、あまり創造性を必要としない仕事には効果があることがわかる。創造性や、そのほかの認知的技能を必要とする種類の仕事には、金銭的なモチベーションはあまり効果がなく、逆効果になることさえある。」
「ロズはもともと冒険家だったわけではない。ボートによる大冒険に乗り出す前は、私たちの多くと同じ、ごく普通の、快適で、あまり運動をしない、中流階級の暮らしをしていたと彼女は断言する。ロンドンにある投資銀行の経営コンサルタントとプロジェクト・マネージャーをしており、安定した収入を得て、郊外に家を持っていた。30代なかばだったある日、…あるエクササイズをやった。…これが彼女の人生を変える悟りだった。…仕事も、安定した収入も、家も、結婚生活も捨て、ボートで大洋を漕ぎ渡るという夢を追うことにした。人生を変える悟りへとロズを導いたのが、未来を創造するエクササイズだ。」
「エクササイズ:自分の理想の未来を見つける
きょうから自分の人生で、何もかもが自分の一番楽観的な期待を満たしたり、それを上回ったりしたら、5年後には私の人生はどうなっているか?頭に浮かぶイメージが詳しいほど、このエクササイズはうまくいきます。
・あなたは何になって、何をしているか?
・どう感じているか?
・人々は、あなたについて何と言っているか?
書く前に一分間黙って考えてみましょう。
書き始めてください。」
「自分の理想の未来に心が奮い立ったら、それについて、ほかの人にたくさん語ることを強くお勧めする。」
「ポジティブ心理学者の著名な先駆者、バーバラ・フレドリックソンは、一つのネガティブな経験を乗り越えるにはポジティブな経験が三つ必要であることを発見した。」
「何かについて考えれば考えるほど、その思考につながる神経の経路が強化され、それについて考えやすくなる。やがて、そう考えるのが心の習慣となり、頻繁に苦もなくその考えが浮かぶようになる。思いやりのトレーニングのために私たちが使う心の習慣は、強力ではあるが、同時に快くもある。それは、善良さだ。」
「デイヴィッド・ロックは…脳が主な報酬あるいは脅威として扱う5つの社会的経験の領域を説明している。この5つの領域は、私たちにとってとても重要なので、脳はそれを生存にかかわる問題と同等に扱う。…「SCARFモデル」…「Status(地位)」「Certainty(確実性)」「Autonomy(自律性)」「Relatedness(関係性)」「Fairness(公平性)」だ。
…幸い、他人を害することなく自分の地位を上げる良い方法がある。「自分との競争」と呼ぶものだ。」

感想

たくさんありすぎですね汗。でもかなり心に響く記述がありました。瞑想は2分バージョンを寝る前にやるといつの間にか眠っています。
あと、抜粋には入れてないですが、常に相手が幸せになるように願って接することの大切さを説いていて、それを実践したら、かなり穏やかな気持ちになれました。
すごい良書でした!

今の仕事が合っていないよ、という心の声が、今回の休職に繋がったと思っているので、抜粋にある、未来の理想の自分のエクササイズをやってみます。




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