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ブラック企業の1日ってどんな感じ?元ブラック企業出身者が語る、リアルな日常

昨日書いた外資系コンサルの1日が好評だった。
読んでくれた方ありがとう。

では、真逆に日系バリバリブラック企業の1日を3年経験した僕の1日を紹介しようかな。


ブラック企業の1日

・8:00 出社
始業は9:00だが若手は早めに出社。理由は会社の掃除をしなくてはいけないからだ。ブラック中小企業は、経費削減のため掃除業者は雇えない。社員がすべて掃除を行う。

出社後は社内報告書のチェック。深夜1時に上司から日報の差し戻しが来ている。今日の仕事は昨日の日報添削からスタートだ。

・9:00 朝礼
社訓を言い、部長のありがたい言葉を聞き、それぞれ目標を語る。それが毎日の朝礼なのだ。早く朝礼を終えてタバコを吸いに行きたい。

・9:30 部門朝礼
朝礼その2。今度は部門ごとに朝礼を行い、今月の目標と自身の行動指針を報告する。僕は建材営業だが、現場訪問予定やスケジュールまで細かく報告する。

・9:45 タバコ休憩
ちなみに現在は禁煙してるが、当時は朝礼が終わってからタバコとトイレを済ませることがルーティーン。そのあと、日報添削を行うのだ。

・10:00  社内報告書作成
毎週の会議に向けて報告書を作成する。会議は毎週水曜日、月曜日から資料を作り始めないと間に合わない。しっかり営業として動けるのは木曜と金曜日くらいなのだ

・11:00  訪問資料準備
何度もiPadを支給してほしいと抗議したが無駄だった。カタログを準備し、資料を大量に印刷し、ホチキスで止めることで午前は終わる。その間にお客様からの電話がくるが、間に合わないので後で折り返す。

・12:00 昼食
取締役から「よし、昼飯いこう」の声かけ。それは、昼食1on1と一緒。僕はそれから逃れるために、「13:00からアポなんで、すいません!いってきます」と脱出する。この時が1日で一番営業マンらしさをPRする瞬間。

・13:00 外回り
お客様との商談はいかに短く終わらせられるかが勝負。なぜなら、合間を縫って社内業務をドトールで行う必要があるからだ。ちなみに、なぜドトールかと言えば、コーヒーの単価がどのカフェよりも安いから。またはマックのコーヒーだ。

・15:00 社内会議
さて、仮にここで水曜日だったとしよう。社内会議が開始した。まず取締役関口宏「サンデーモーニング」ばりの喝!。ここでHPが50%削られる。しかしこれはそれほど大した攻撃ではない。問題はこのあとに行われる営業報告だ!!

ここで下手を打てば業務量がまた増えることになる。ここで上手く立ち回る方法は、、ひとつの案件をいかに大きく見せることができるか。

営業会議において、正直で真っすぐな心はいらない。残念ながら正義という言葉は会議室にないのだ。

・18:30   会議終了 
さて、会議が終わった。今日の会議は意外と短い方だった。
いつもなら20:00くらいまで会議しているのだから。ここからは見積書作成の地獄がスタートする。

・22:00 見積もり相談
この時間になっても会社に8割残っている。上司が帰ろうと鞄に荷物を入れ始めた。ここでストップをかけるのが大切である。

礼儀がなってない? 違う。見積もりの確認を行ってもらう時間がないのだ。そして、この帰り間際は上司が一番リラックスしている状況で「仕方ないなー」と必ず見てもらえる確率が高い。

・23:00
ここで、カウントダウンがはじまる。
名探偵コナン風のタイトルで言うならば「終電のカウントダウンだ
(♪パパラーパー パラパーラーパラー 「コナンのテーマ」)

しかし、ここで思わぬトラブルが発生する。
取締役からの電話だ!!

取締役はすでに帰宅しているが、暇なときに電話をしてくる。電話がかかってきた瞬間の画面に書いてある「取締役」の文字を見るたびに、頭の中ではワルキューレの騎行が流れる・・・・


____ ここで、新橋のサラリーマンにアンケートしてみました。あなたは23:00に上司から電話が来たらでますか?

Aさん(30歳男性)「いやー出るわけないでしょう。非常識ですから」
Bさん(28歳女性)「そもそも、その時間寝てるしね」
Cさん(50歳男性)「まぁ我々の世代はよくありましたが、最近はもうね」

___________以上、新橋で働く皆さんの声でした。スタジオにお戻しします。


24:00 電話終了
取締役との電話が終わった。最後にかけられた言葉「おやすみ」は「帰っていいよの合図」。こうして鞄に荷物を詰め込み、駅までダッシュする。

街のネオン、サラリーマンが放つアルコール臭、そしてガールズバーのキャッチ。その間をすり抜ける僕と同期・・・

25:00 帰宅
安月給で都内に住むなんて自殺行為。住める場所は埼玉県の家賃5万円マンション。夕飯の支度と仕事の残りを片付け、1日が終わる。

ブラック企業は閉ざされた世界

 
これがブラック企業営業社員だった僕が、3年近く過ごしてきた1日だ。営業先からの直帰もあったが、その場合は引き続き家で作業することとなる。

ホワイト企業の人から見るとあり得ないと感じるだろう。「なぜ、そのような世界から抜け出さないのか」と聞かれたが、その当時は抜け出す意味がわからなかった。

僕にとってはこの世界が当たり前で、明日も同じ1日を過ごすようになっている。それに対して周囲が「お前の世界はおかしい」と言ってこようが、なぜおまえたちにそれがわかるんだと言い返したくなる。そう、ブラック企業に居続けると、集団行動の激しさから錯覚が起きる。

では、どうすれば錯覚から目が覚めるか。
それは、自分で考えさせるしかないと僕は思います。

「何かあったら言ってね」「大丈夫?」「がんばってね」という声よりも、「ブラック企業にいるのは自由。だけど、その生活を50歳になってもできる?」と言ってあげれば、本人も考えるきっかけになると思います。

あなたの周りに、ブラックで働く人がいたなら
少し声をかけてあげてほしいな。


今日も読んでくれてありがとう。



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