
Webディレクターかくあるべしの呪縛から開放された話~ストレングスファインダーコーチング~
理想のディレクター像と現実の乖離
SNS上で並み居るベテランディレクターさんの影響を受けてか、私の中でWebディレクターとはいわゆるリーダーっぽいリーダー、
トークが上手、瞬時に適切な言葉を選んで返せる瞬発力がある
リーダー格でビシッと言うとことは言いみんなを引っ張っていく
常に先のことを何パターンもシミュレーションしている
という像がなんとなく作られていて、ディレクターはそのように振る舞わなければならないと、いつの日からか思うようになっていました。
けれども私はどちらかというと喋りが苦手だし、部下を叱ったり強く指摘したりするのはできれば避けたいし(そうならないようあらかじめ手を打ちたい)、何パターンもシミュレーションできていないし…。経験が浅いことによるものもありますが、目指すディレクター像と現実とのギャップに苦しんでいました。
それによって「Webディレクター向いていないのかな」と思ったこともありますが、人とのあいだに入り、関わりを持ち、ウェブの企画段階から携われるこの仕事は好きです。
仕事を辞める気はない。
理想像を目指してやってみても、自分に無理が生じて苦しい。
だからギャップに苦しむくらいなら、私なりのWebディレクター像を作っていきたい。
しだいにそう思うようになっていました。
ストレングスファインダーとの出会い
ある日、Twitterで繋がりのあるデザイナーのmocoさんが、ストレングスファインダーテスト※のあとコーチングまで受けてみた、という体験談のブログを書かれているのを拝見しました。
そこで、診断後に「コーチング」で解説やアドバイスをいただけるという選択肢があることを初めて知りました。
※ストレングスファインダーとは、アメリカのギャラップ社が開発したオンラインツールであり、web上で177個の質問に答えることによって、自分の才能や強みを発見することができるというものです。
このオンライン才能テスト(以前のクリフトンストレングス・ファインダー)を受けることで、以下のことが可能になります。
自分が本来得意とすることを発見する
自分の最も優れた才能を強みにする方法を学ぶ
個別化された結果とレポートを使用して、潜在能力を最大限発揮する
https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/253634/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0.aspx
以前からSNSで自身のストレングスファインダーの結果をシェアしている人を見かけてはいましたが、「よくある性格診断だろう」ぐらいにしか正直思っていなかったのです。
テストは有料ですし(トップ5の資質を知るには2,340円、全34資質を知るには5,850円)性格診断にしては気軽に出せる金額ではありません。
自分の資質を理解して、コーチングまで使い倒してみれば、自分の強みをWebディレクションに活かせるのではないか?
そう思い、早速テストを受けてコーチングを申し込みました。
いざ、コーチング

コーチングは、ウェブ解析士の交流slackでお世話になっているGallup認定ストレングスコーチ・コスギさんにお願いしました。50分のセッションで私が希望したことは以下。
・それぞれの資質の解説を読んだが、わからないところがあるので詳細な説明を聞きたい。
・資質と資質の相互作用がどのように働くのかについて教えて欲しい。
・Webディレクターとして仕事をする上で、仕事に活かせる自分の資質・強みを再認識したい。
感想
先にコーチング後の正直な感想を述べます。
ストレングスファインダーはただの性格診断ではなかった
「私なりのWebディレクター像」の方向性が見えた
それぞれどういうことか、ご説明します。
1. ストレングスファインダーはただの性格診断ではなかった
コーチングでは、「仕事でクライアントさんに喜んでもらえたことは?」「トラブルになった場合どういう行動を取りますか?」といった質問から、普段どのように仕事をしていて、その場面でどう思ったか、なぜそういう行動をしたのか、を対話の中で深掘りしていきます。
その対話の中で、
「マニュアルを残したり標準化するのは公平性の資質があるからですよ」
「原点思考が上位にあるので、クライアントさんの想いや背景が理解できるとアクセルが踏めるんですね」
「回復志向さんは問題が見つかれば動くけど、問題と認識しなければ平和のまま動かないんです。あえて問題を見つけることで、解決する方向に動けますよ」
など、いつも無意識にしている行動、考え方のクセ、を資質に絡めて一つ一つ言語化していただきました。
思考のプロセス、価値観を丸裸にされているようで恥ずかしくもありましたが、「自分は無意識でこういう考え方・行動をする傾向にある」と知ることで、それを意識のコントロール下に置けるようになるのがこのツールを使う一番の意義だなと感じました。
また、疑問点であった資質と資質の相互作用についても解説していただきました。
例えば私の場合、
1. 「原点思考」によってまず背景や過去のデータを揃え、
2. 「分析思考」によって論理的に理由や原因を追究する。
タイプです。成果に向けていくつものアプローチ方法を考える「戦略性」資質は第32位と弱いですが、原点思考+分析思考によって、代替のような働きをするそうです。ただ、背景やデータが無いままに分析をすることは苦手で、原点思考で「まず背景を教えてくれ!」となります。
(※メモをもとに書き起こしていますので、プロと解釈が多少異なるかもしれませんがご容赦ください)
2. 「私なりのWebディレクター像」の方向性が見えた
冒頭にあるように、私が描いていた理想のWebディレクター像がありました。
・トークが上手、瞬時に適切な言葉を選んで返せる瞬発力がある
・リーダー格でビシッと言うとことは言いみんなを引っ張っていく
・常に先のことを何パターンもシミュレーションしている
理想とのギャップ、私なりの強みについてもセッション中に紐解いていきます。
ー以下コーチからの投げかけー
「ビシッと言うことを言ってみんなを引っ張るのは何のためでしょう?」
「やるべきことを実行していくため、ものごとを前に進めるためですよね。」
「けいさんは「調和性」を第1位の資質に持っているので、『みんなの意見を聞いて、落とし所を見つけて、ものごとを前に進める』タイプです。」
「「前に進める」という目的は指令性タイプもみんなの意見をまとめるタイプも同じです。ただやり方が違うだけなのです。」
目的が一緒で、やり方が違うだけ
そうか!と目からウロコが落ちました。
私が理想像のようにできない…と気にしていたのは「やり方(手段)」の部分だったのです。目的が一緒であれば、やり方は私のやりやすい方法で良いじゃないか。
喋り上手が役に立つのは、お客様との会話だったりチーム内の司会進行です。
私は私で、上位資質の「原点思考」や「調和性」を強みに『傾聴』できるディレクターになれば、喋りは上手くなくとも相手からの信頼を得られるかもしれない。インタビュー力・ファシリテーション力を磨けばさらに武器になる可能性もある。
常に先のことを何パターンもシミュレーションするのは苦手だけど、そもそもトラブルにならないよう「慎重さ」で意思決定や選択の際に細心の注意を払える。
普段の仕事では「手段と目的が入れ替わらないように」と気をつけているくせに、「私は勝手に作り上げた理想像、しかもその人のやり方になぜこだわっていたんだ…」と、心がスッと軽くなりました。
ストレングスファインダーテストを振り返って
今回思い切ってテストもコーチングも受けてみて、自分の無意識な言動がクリアになったのは非常に有意義でしたし、コーチングでも終始褒めていただいたことで「このやり方でもいいんだ」と改めて思えました。
ただ、注意すべきは資質を言い訳にして目の前の問題から逃げたり、「自分はこうだから」とレッテル貼りをしたりしないこと。
少なからずコントロール下に置けたのだから、苦手な弱い部分を得意・強い資質でどう補填していくかを考えるべきだと感じます。
私はこれを機に「私はこういうタイプのWebディレクターです!」と、在り方・ふるまいに自信を持てるよう、得意な資質をさらに磨いていきたいと思います。
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