あなたの「旅の方程式」は?
寒い熱いを繰り返しているうちに、3月に入りましたね。今年は本当に寒暖の差が激しすぎますよね。
さて今回は、ちょっとした機会があってエッセイを書く機会がありました。
自分ではなかなかエッセイを書く機会がないので、一旦書いてリライトもしてみました。
皆さまのお目汚しになるかもしれませんが、こちらに投稿させていただきます。
あなたの「旅の方程式」は?
旅に出よう!
そう決めたとき、あなたはじっくりと行き先や宿泊先の計画を立ててから出かけますか? それとも詳しい内容は決めず、行き当たりばったりで出かけますか?
ちなみに私の「旅の方程式」は、だんぜん行き当たりばったり。
なぜって……そんな無計画な旅には、しっかりと計画された旅にはない「あること」が待っているからです。
そもそも私が行き当たりばったりの旅を好きになったのは、20代の頃、よく一緒に旅に出かけた2人の友人が、私と同じく細かいことを気にしない行動派で、揃いもそろって「温泉と歴史が好き」だったことが大きかったと思います。
「今度の旅は、どんな感じで行く? 山奥の温泉がいいんじゃない?」
「今回はパワースポットがイチ押しかな!」
そんな感じで適当に、おおよその「行く地域」を決めたあとは、細かなことはまったく決めず、友人の車で出発。現地で温泉や史跡、そして、その土地でしか食べられない郷土料理を楽しむというのがパターンでした。
冬に、3人で福島県の奥会津方面へ旅したときのことです。
そのときも行き先はアバウト。温泉を求めて山中で車を走らせていると、「木賊温泉入口」という看板を発見し、「行ってみよう!」と意見が一致しました。
「何温泉って読むんだろう?」
「さあ、『きぞく温泉』かな? なんか、昔は山賊が多くいたような名前だよな」
読み方すらわからないところを行き先にするのが、いかにも私たち3人です。
舗装もされていない細い道に入り、さらに西根川という清流に沿って1時間ほど走って、ようやく目指す宿に到着しました。
その「黒い影」を見つけたのは、宿の駐車場に車を入れているときでした。
こちらに向かって、トットコトットコと小さな影が近づいてくるのです。
「うり坊(ぼう)だ!」
野生のうり坊(=イノシシの子どものこと。体の縞(しま)模様が「縞(しま)瓜(うり)」に似ていることからの愛称)を見るのは初体験です。
こっちまで来るか? と思いましたが、30メートルくらい近づいたところで立ち止まり、くるりと身を反転すると、もと来た道を戻って山林に消えていきました。途中、こちらを振り返ったのは、人間が珍しかったのでしょうか。
宿の湯は、体の芯まで温まり最高でした。ただ、風呂場の一角に。緑色の枝がない茎のような地味な植物の鉢植えが5つ並んでいたことが、妙に印象に残りました。
夕食はワラビやゼンマイなどの山菜に加え、イワナの刺身(イワナの卵はまさに黄色いイクラです!)、そしてメインは野菜とお肉がたっぷりのお鍋です。
女将(おかみ)さんに、なにげなく、「この肉は何ですか?」と尋ねたところこんな答えが。
「イノシシですよ。クセもなくて美味しいでしょ!」
駐車場で見たうり坊の姿が頭に浮かびます。まさかあの子の親イノシシ?
一瞬、そんな考えがよぎりましたが、日本酒の酔いと共に消え去りました。
翌朝、宿を出発する時、玄関に内湯で見たのと同じ植物の鉢植えが並んでいることに気づきました。聞けば、それは、茎を木工品磨きに使うこともある「トクサ」という植物で、その温泉近くに群生し、温泉地の名前の由来にもなっているのだとか。……そうか、「木賊」は「とくさ」と読むのか……。
行き当たりばったりの旅には、こんな「まったく予期していなかった小さなハプニングや出会い」が待っているのです。
旅は、細かく計画を立てれば、名所や名物を漏れなく堪能できるかもしれません。でも、下調べをした分、意外な展開が少なくなってしまう。いっぽう、無計画な旅は、うり坊と出会ったあとでイノシシの鍋を楽しんだり、宿泊先の温泉の名前の読み方をあとから知ったり……そんな小さなハプニングが醍醐味です。
事前計画派のあなた。「行き当たりばったり旅」を楽しんでみてはいかがですか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。若き頃の旅の思い出を綴ってみました。
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