面白い小説を書くには、「書斎に座るということから始める。」~レイモンドチャンドラー方式について~

こんばんは。木下雄斗です。

皆さんはレイモンドチャンドラーという小説家をご存知でしょうか。村上春樹に対してあるインタビューで、どうやったら面白い小説が書けるのかを聞いた際、このチャンドラーの小説の書き方を紹介したそうです。

以下引用。

「まずデスクをきちんと定めなさい、とチャンドラーは言う。自分が文章を書くのに適したデスクをひとつ定めるのだ。そしてそこに原稿用紙やら(アメリカには原稿用紙はないけれど、まあそれに類するもの)、万年筆やら資料やらを揃えておく。きちんと整頓しておく必要はないけれど、いつでも仕事ができるという態勢にはキープしておかなくてはならない。
 そして毎日ある時間を――たとえば二時間なら二時間を――そのデスクの前に座って過ごすわけである。それでその二時間にすらすらと文章が書けたなら、何の問題もない。
 そううまくはいかないから、まったく何も書けない日だってある。書きたいのにどうしてもうまく書けなくて嫌になって放り出すということもあるし、そもそも文章なんて全然書きたくないということもある。あるいは今日は何も書かない方がいいな、と直感が教える日もある(ごく稀にではあるけれど、ある)。そういう時にはどうすればいいか? 
 たとえ一行も書けないにしても、とにかくそのデスクの前に座りなさい、とチャンドラーは言う。とにかくそのデスクの前で、二時間じっとしていなさい、と。
 その間ペンを持ってなんとか文章を書こうと努力したりする必要はない。何もせずにただぼおっとしていればいいのである。そのかわり他のことをしてはいない。本を読んだり、雑誌をめくったり、音楽を聴いたり、絵を描いたり、猫と遊んだり、誰かと話をしたりしてはいけない。書きたくなったら書けるという体勢でひたすらじっとしていなくてはならない。たとえ何も書いていないにせよ、書くのと同じ集中的な態度を維持しろということである。
 こうしていれば、たとえその時は一行も書けないにせよ、必ずいつかまた文章が書けるサイクルがまわってくる、あせって余計なことをしても何も得るものはない、というのがチャンドラーのメソッドである。  …(中略)…
 僕はもともとぼおっとしているのが好きなので、小説を書くときはだいたいこのチャンドラー方式を取っている。とにかく毎日机の前に座る。書けても書けなくても、その前で二時間ぼおっとしている。」(村上春樹『チャンドラー方式』より)

これがチャンドラー方式でありますが、これはなにかを極めて行くにあたって非常に重要な考え方だと思います。

重要なのは、できなくても書く気がおこなくても席に座るという点です。何か他のことをせずに、それができる状態の前で時間を過ごす。これこそ意志の力であり、そこからすばらしいものを生むことができる、それこそ事業開発においても大切なことなのだと思います。

わたしも常に毎日、デスクの上でブログを始める時は、その時間に集中すること。書くことがなくても座ること。そしてバンライフの事業について考える時間を持つこと。これを徹底したいと思います。

ではまた!


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