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文系でも楽しめる数学の本・7選

こんにちは!ウェブストアスタッフのNです。

本題に入る前に、一点ご案内がございます。
こちらのアカウントの更新は、スタッフのMとNで行っているのですが、「更新者がMとNで分かりづらい!」という声が社内でありまして…
MとN改め、「ミケ」と「ノラ」に更新者名を変更させていただきたいと思います。(…猫?)
アカウントが始動したばかりなのに、早速申し訳ございません。
何卒よろしくお願いいたします。

ということで、改めましてウェブストアスタッフのノラです!
今回は「数学」に関する本を取り上げてみたいと思います。
私自身は筋金入りの文系で、定期テストの度、何とか赤点を回避すべく苦労しておりました…が、自分ができない分数学への憧れもあって、数学関連の本を読むのは大好きです。

数学の面白さに気付く本、数学者たちの人間ドラマに感動する本、天才たちの思考の一端に触れられる本…などなど、数学の専門的知識がなくても楽しめる本がたくさんあります。
数あるおすすめの中でも、選りすぐった7冊を紹介いたします!


1.数学が好きになるロングセラー『数の悪魔』

楽しく数学について学べる本と言ったらこれ!子どもから大人まで長く親しまれてきた定番書です。
ロバートは、ある日夢の中に現れた「数の悪魔」と名乗る老人に、突然数学の問題を出されてしまいます。はじめはいやいや付き合っていたロバートでしたが、いく晩も続くうちに、だんだん悪魔と会うのが楽しみになっていきます。そして、悪魔による数学の授業を聞くのも。
ロバートと悪魔のテンポの良い会話や可愛いイラストでするすると読めてしまいますが、「無限」や「素数」など、正直頭が痛くなりそうな問題もたくさん出てきます。一度読んだだけじゃもったいない。身近に置いておいて、理解できるまで何度も手に取りたくなる本です。


2.人気番組が書籍化!『笑わない数学』

NHK総合テレビで放送された人気番組「笑わない数学」が本になりました!番組で取り上げられた数学の重要トピックのうち、「素数」、「無限」、「フェルマーの最終定理」など6つのテーマをさらに深堀りした内容となっています。
もちろん、すべて難しいテーマではあるのですが、その難しさを単純化せずに数学と向き合う姿勢がこの本の魅力だと思います。基礎的な内容から始まって、だんだん発展的な内容へ。どんなところが、なぜ難しいのかを解説してくれて、そのうえで数学的な考える楽しさも教えてくれる、数学入門にはぴったりの1冊です。


3.落ちこぼれ大学生の数学修行『数字であそぼ。』

主人公の横辺建己は優等生で、名門大学の理学部に見事合格!前途洋々かと思いきや、初っ端の数学の授業で躓いて不登校に。それというのも、高校までの数学は暗記で乗り切ってきたため、数学の考え方が理解できていなかったから。
このままではいけないと、卒業のために一念発起。数学の克服(と、一緒に勉強してくれる友人作り)を目指します。
濃いキャラクターと大学数学科ならではのエピソードで、「数学ってなんだか面白そうかも?」と思えるコミック。数学の豆知識もちょこちょこ登場するので、ちょっと勉強にもなります。


4.暗号の進化に纏わる壮大な人間ドラマ『暗号解読』

ミステリー小説好きなので、どうしても暗号に惹かれてしまうところがあります。この本もそれで手に取ってみたのですが、暗号技術をめぐる研究者たちの闘いに胸を打たれました。
古典的な換字式暗号から、現代のインターネット社会に欠かせないRSA暗号まで、暗号の歴史を丁寧に追った作品です。2分冊なのでなかなか骨が折れますが、読了後は充実感が味わえることと思います。

作品中にも登場するアラン・チューリングの生涯を描いた映画『イミテーション・ゲーム』もおすすめです。
第二次世界大戦中、ドイツ軍が使用していた最強の暗号「エニグマ」の解読に挑んだ数学者アラン・チューリング。その研究は現在のコンピュータ科学にも活かされています。
チューリングを演じるベネディクト・カンバーバッチがはまり役!未鑑賞の方はぜひ!

『イミテーション・ゲーム』
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-10-4589921403641


5.コンピュータ言語の仕組みが物語で学べる『白と黒のとびら』

魔法使いの弟子・ガレットが「古代ルル語」を駆使して遺跡の謎を解明する、ファンタジーとして面白く読める作品。数学と何の関係があるのか、と思われるかもしれません。
実はこの本、ざっくり言うと「コンピュータはなぜ動くのか」というテーマについて分かりやすく解説してくれているんです。専門的には、副題にもある通り「オートマトン理論」「形式言語理論」と言うらしいです。
著者の川添愛さんは現役の言語学者なのですが、オートマトンを架空の古代語に喩えてくれているのが本当に分かりやすい!ガレットと一緒に古代語を学んだり、遺跡を調査したりしながら、いつの間にかオートマトン理論と形式言語の基礎が身についてしまいます。
単なる解説書とはひと味違う、ただのファンタジー小説ともまた違う、良い意味で分類が難しい本。パズルや謎解きが好きな方にもおすすめです。


6.とことん考え抜く楽しさ『数式なしで語る数学』

たしかに数式は出てこないし、可愛いイラストの表紙に目が行きますが、中身はかなり難しい話をしています。でも、それ以上に面白いです!
例えば、はじめの章は「トポロジー」ですが、文系の私にとってはまったく馴染みのない分野。ものの形について考える、数学の一分野のようです。「形はいくつある?」なんて考えたこともなかった…
「正方形と円は同じ形」から始まって、四次元にまで話が及んだところで頭がパンクしそうになりました。自分の想像力・思考力の限界に挑戦している感じ。でも、脳をフル回転させて、とことん考え抜く感覚が気持ち良かったです!
「数学者ってこんなことを考えてるんだ!」という驚きと発見に満ちた1冊です。


7.文系・理系の垣根を越えた1冊『数学する身体』

数学というと学校で習う数式が真っ先に思い浮かびますが、この作品の数学の捉え方はもっとおおらかだと感じました。
自らの身体を使って数を理解していた古代に思いを馳せ、その身体感覚を現代の数学にも見出そうとする壮大な試み。その過程では、先人の数学者たちの思考を辿り、数学を単なる数式ではなく、血の通った人間の軌跡として捉え直しています。それはむしろ、哲学的・文学的とも思えるほど。
タイトルに「数学」とはありますが、それだけで敬遠してほしくない。文系・理系の垣根を越えて読んでいただきたい1冊です。
読み終えた後、爽やかな風が吹いて、世界の新しい一面が見えてくるような。そんな清々しさのある、若き研究者によるエッセイです。


さて、7冊をざっと紹介してまいりました。気になる本は見つかりましたか?
ここでは紹介しきれませんが、数学を扱った面白い本はまだまだたくさんあります。今回紹介させていただいた7冊を入り口に、お気に入りの数学本を発掘してみるのも楽しいと思います!
皆さまの読書の幅が広がれば幸いです。