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推し

僕は今、震えている。

人生の中で、おそらく誰もが1度は絶対に引き下がれない場面に遭遇するであろう。

その対象の規模の大きさも他人から見れば人それぞれ変わってくるはずだが、少なくともそういった局面に立たされている本人にとっては例外なく大きく感じるものだろう。

そして僕もまた、その局面に立っているのだ。


推しとはなにか。

全国各地に身を潜めているオタク達は日々哲学ともいえる問いに頭を悩ませながら生きている。

推しも多種多様な存在だろう。アイドル、俳優、声優、歌手など3次元に存在している人であることもあれば、2次元のアニメキャラクターやボーカロイドであったり、人によっては動物や植物、電車などの無機物ですら推しとなり得るのだ。

短い人生の中で推しと巡り合うことは実は奇跡に近いものではないか、と僕は思う。

事実20年ほど生きているが、今までどれだけ美人な女優さんや素敵な音楽を提供してくれるバンドマンに出会っても、「いいな」とは思うが推しと呼べるほどの存在にはならなかったのである。

そんな僕がついに、出会ってしまったのだ。推しと。


この駄文を拝読いただいてる皆さまはディズニーをご存知であろうか。

いや、もはや知っているか尋ねることすら失礼ともいえるアニメーション界の王である。

僕はディズニーが好きだ。子供のころから僕の近くには常に彼らの作品がいた。ハッピーエンドと魅力的な登場人物、ロマンに満ちた演出は辛いときには笑顔に、幸せな時はより笑顔にしてくれた。

ディズニーの最大の特徴は悪役の華だと僕は考えている。

ナイトメアのブギー様、アラジンのジャファー様、リトルマーメイドのアースラ様にヘラクレスのハデス様。全員主人公たちに負けず劣らずの魅力が備わっており、彼らなくしてはディズニーがここまで栄華を極めることはなかったのではないかとさえ思う。

そんな僕が最も好きなキャラクターはヘラクレスに登場するハデス様だ。

彼はとにかく声がいい。そして冥界の王でありながらひたすらに陰キャで、意外と約束は守り、その穴をついて悪事を企む。神でありながら根暗で皮肉屋な人間らしさがなんとも憎めないいい味になっている。

ハデス様に憧れた僕は気だるげな話し方を真似しようとしてみたこともあった。、、、どんな結果になったかは皆さまの想像に委ねたい。


そして、今年の3月に日本中でブレイクしたあるアプリがリリースされる。

そう、ツイステッドワンダーランド(以下:ツイステ)である。

ツイステはディズニーのヴィランズと呼ばれる先述した悪役たちをモチーフにしたキャラクターたちと学園生活を送る、所謂乙女ゲームである。

その勢いは凄まじく、Twitterのタイムラインでツイステの二次創作を目にしない日がないほどだ。監督性たちの画力の高さには敬服するばかりだ。

さて、やっと僕の推しの話をするが、お気づきの通り僕の推しはツイステのキャラクターである。

その名も「イデア」

根暗で皮肉屋の生粋の陰キャである。

、、、さっきも見た?それもそのはず、彼のモチーフはハデス様なのだ。

ただモチーフがあくまでハデス様なだけであり、イデアくんにはイデアくんの個性がたくさんある。それについて語ってもいいのだが、それをすると小説1冊分くらいの分量になってしまう気がするので割愛させてもらう。

なぜ今回突然推しの話を始めたか。

実はイデアくんのバースデー召喚が始まったのだ。

未プレイ勢には何がなんとやらという感じだと思うので説明をしておくと、ツイステはソシャゲであり、ソシャゲにはガチャというシステムが付き物である。ゲームによって差はあれど、大体のソシャゲは武器やキャラクターをこのガチャで入手する。ツイステではガチャの名称が「召喚」なのである。

これまでに蓄えてきた石の山を見る。いける、これだけあればきっとお迎えできる、、、!そうは思ったものの中々勇気が出ない。

まずはお風呂に入って身を清め、就寝前に静かに行うことにした。


僕は今、震えている。


追伸

ここまで読んでくれた人の中には僕を「推し」と呼んでくれる方々も少なくないと思う。なのでこの場を借りて改めてお礼を言いたい。

僕が日々楽しく活動できるのはいつも皆さまから素敵な声をかけていただいているからに他ならず、これからもお世話をかけるかもしれないけれど見守っていてほしいなぁと思う次第だ。

書き物をするときの文体なのでいつもと口調が異なり堅苦しく、恥ずかしさもこみ上げてきて、心なしか顔が熱い。まだ入浴はしていないのだけれど。

とにかく、僕自身も皆さまが「推し」と自慢できるような存在でいれるようこの先も精進していくつもりだ。どうか僕と同じ景色を、1分1秒でも長く見てくれることを心から願っている。

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