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日本におけるロッククライミングとアドベンチャーツーリズムの現状

■ 日本におけるロッククライミング アドベンチャーツーリズムの現状

アドベンチャーツーリズムは、世界的に増加傾向で21%で成長している7 5兆円市場だが、日本では実装が遅れている。

ちなみにアドベンチャーツーリズムに限らず、日本の産業構造は製造業で外貨を稼ぐ発展途上国型から、内需つまり、サービス業を主たる経済エンジンとする先進国型に転換して、かなり経っているのにも関わらず、価値観の転換が遅れ、賃金への反映も、国民の認識も遅れている、という現状があり、経済的視点で見ても、今後、日本は観光立国となる道が最も実現可能性が期待できる道のようである。(https://www.youtube.com/watch?v=3HUaHalL2hQ

さて、ロッククライミングについては、日本は、海外には閉ざされた国であり、海外の岩場サイトなどでも掲載がなく、日本百岩場という岩場のガイドも、一般的に公開されているとはいえ、日本人クライマーだけしか見ることが難しいような置かれ方をしている。

そもそも、岩場の安全器具であるボルトが、すでに40年経過している(通常は10年が取換期)岩場がほとんどである…など、一般日本人クライマーにとっても問題山積であるので、海外のクライマーが気軽に訪れることができる状況かと言うと、いささか疑問であり、安全のためには現状ではガイドを雇うのが好ましいだろう。つまり、非促進要因の解消が、まずは問題になる段階である。

国内事情を見ると、クライミングの上位団体である、JMSCAやJWAF等の組織は、ガバナンスに問題を抱えている。

アドベンチャーツーリズムの舞台になる、ロッククライミングには、山岳上位団体は、関心が低く、対立概念であるスポーツクライミングの大会主催によるスポーツクライミングの推進に偏っている。つまり、アウトドアのロッククライミングについての推進活動は、上位団体からは放置されている。ババ引きのババみたいなことになっているということだ。

苦肉の策で、クライマーの自治団体として、有志により、日本フリークライミング協会が設立されているが、独立団体で、上位団体との連携や協力なども得られていない。

結果、ロッククライミングにおいては、群雄割拠的に、著名な個人クライマーが、それぞれおのおのの思いで、自由に協会等を設立しているため、NPOだったり、社団法人だったりと様々な団体が起こされているが、結局のところ、活動実態がないことが多く、求心力が分散し、結果、各地での縄張り争いのような様相に陥っており、国全体としての足並みは、揃っているとはいいがたい。

UIAA等の国際機関からの支援も、日本国としての、受け入れ母体になる母体団体がどこなのか?はっきりしないため、支援が受けがたい状態になっている。

結果日本のクライミング教育は、山岳教育後発国のモンゴルにすら後塵を帰すことになっているが、その事実も共有はされていない。

アドベンチャーツーリズム協議会などの民間の顧問団体にも、クライミングに詳しい人材が所属していない。

結果、75兆円市場と言われるアドベンチャーツーリズム市場には、日本の岩場(ロッククライミング)は、参加していない。

以上が、ロッククライミング日本の状況だ。

こうしたことは何も、ロッククライミングに限ったことではない。私が元々いたIT業界でも同様で、日本は30年ほど問題解決を後回しにしてきたが、まだツケを払う気はないようで、いまだに後回し、プロクラスティネーションが行動の原則だ。

一体このツケを払うのは、どの世代になるのだろうか…

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