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太ってなくても要注意!中性脂肪のリスクと対策

中性脂肪って何?

「脂肪の元」というのがわかりやすいイメージでしょう。
酸性の脂肪酸とアルカリ性のグリセロールが結合すると中性脂肪(トリグリセセリド)になります。
中性脂肪が過剰になり体に蓄積されたものがいわゆる脂肪です。

太るメカニズム

過剰な食物を摂取すると体は使い切れないカロリーを蓄えようとします。カロリーの蓄え方は様々ですが、その一つが「脂肪」つまり太ることです。
脂肪酸は脂質からグリセロールは脂質、糖質から作られます。
これらが肝臓で中性脂肪に合成されます。
そして糖質をとることで血糖値が上昇しインスリンが分泌し中性脂肪を脂肪細胞への取り込みを促進します。これが太るということです。

高い中性脂肪が招く健康被害

高カロリーな食事、特に脂質や糖質などが中心の乱れた食生活、運動不足、飲酒などにより中性脂肪が高くなります。
高い中性脂肪は様々な健康被害を招きます。

  1. 動脈硬化 中性脂肪が血液中で増加すると、血管内膜に付着して血管内膜の細胞を刺激し、炎症を引き起こします。この炎症が長期間続くと、血管内膜にコレステロールやその他の脂質が蓄積され、動脈硬化が進行します。これによって、血管が詰まりやすくなり、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。

  2. 肝臓疾患 中性脂肪が肝臓に蓄積することで、脂肪肝や肝硬変などの肝臓疾患を引き起こす可能性があります。肝臓は、脂肪酸を代謝する重要な役割を持っていますが、中性脂肪が肝臓に蓄積すると、この代謝機能が低下します。

  3. その他の健康被害:高い中性脂肪は、糖尿病、高血圧、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、脂肪肝、炎症性疾患などの健康被害のリスクを高めます。

太っている人が中性脂肪が高いイメージがありますが遺伝的要因や糖尿病を患っている方、飲酒習慣がある方などは痩せていても中性脂肪が高いことがあります。

改善方法

運動療法

運動療法の目的は過剰なカロリーの消費、基礎代謝の向上、蓄積された脂肪の除去です。

運動は週3回以上の頻度で行うと効果的です。ご自身で継続しやすい運動であることが大切ですが、有酸素運動、無酸素運動を両方行うといいですね。

  • 有酸素運動 心肺機能の改善、脂肪燃焼効果があります。ジョギングや水泳、自転車など少し息切れする程度の強度で行ってください。

  • 無酸素運動 みんな大好き筋力トレーニングです。筋力強化、基礎代謝の向上効果があります。胸、背中、足など大きな筋肉を刺激するトレーニングが効果的です。

体を動かすことになれた方にはHIIT(高強度インターバルトレーニング)をおススメします。短時間で高強度の運動を繰り返すトレーニング方法です。有酸素、無酸素運動の両方の効果を期待できます。激しいトレーニングなのでケガには十分気をつけてください。お勧めのHIITの動画のリンクを添付致します。

食事療法

中性脂肪を改善するのには食事はとても重要になります。

  1. 糖質の摂取量を控える 糖質を摂りすぎると、血糖値が上がり、それに伴いインスリンが分泌されて中性脂肪が脂肪細胞に蓄積されやすくなります。そのため、糖質の摂取量を控えることが大切です。具体的には、糖質の多い白米やパン、麺類を控え、代わりに野菜や魚、低脂質の肉類などの糖質の少ない食品を積極的に摂るようにしましょう。

  2. 飽和脂肪酸の摂取量を控える 飽和脂肪酸は、動物性の食品に多く含まれます。低温で固まる油が飽和脂肪酸です。バターや乳製品、揚げ物は避けましょう。肉類は脂質の少ないもの、牛乳は低脂質のものを選びましょう。逆に魚に含まれている不飽和脂肪酸には中性脂肪を下げる効果があるので積極的に摂りましょう。

  3. 食物繊維を豊富に摂る 食物繊維は、腸内環境を整える効果があり、中性脂肪の蓄積を抑えることが知られています。そのため、野菜や果物、豆類、海藻などを積極的に摂るようにしましょう。

  4. 低GI食品を選ぶ GI値が低い食品は、血糖値の急激な上昇を防ぐことでインスリンの分泌を抑え、中性脂肪の蓄積を抑える効果があります。代表的な低GI食品には、玄米、豆類、野菜、全粒穀物などがあります。ミカンやリンゴなど低GI値のものであれば果物も食べて大丈夫です。

  5. 酒類を控える アルコールは中性脂肪の合成を高め、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドは中性脂肪の分解を抑えてしまいます。日常的に飲酒習慣がある方は控えましょう。

  6. 食事の量をコントロールする 摂取カロリーが多すぎると、体内で中性脂肪が合成されやすくなります。油ものやジャンクフード、スナック菓子を控え適量の食事を心がけましょう。

朝食はしっかりとって夕食は少なめに、寝る3時間前には食事を終えていましょう。


効果的なサプリメント

中性脂肪を下げるサプリの紹介です。

  1. オメガ3脂肪酸  DHA、EPAなどで知られている魚油やえごま油、亜麻仁油などに含まれる必須脂肪酸です。多くの研究で、オメガ3脂肪酸が中性脂肪の減少に効果的であることが示されています。しかし、オメガ3脂肪酸はサプリにする工程でどうしても多少は酸化してしまいます。セサミンやビタミンE、アスタキサンチンなど酸化を防ぐ成分が含有されているものを選びましょう。


2.ナイアシン(ビタミンB3) ナイアシンは、中性脂肪、LDLコレステロール値を下げ、HDLコレステロール値をあげる作用があるとされています。サプリメントはビタミンB3単体のものではなくビタミンBが複合的に含有されるビタミンB-50コンプレックスというものをおススメします。

3.食物繊維 特に水溶性食物繊維が中性脂肪を下げる効果があります。腸内環境を整え、血糖値の上昇を抑制する働きがあります。難消化性デキストリン、グルコマンナンがこれにあたります。

4.緑茶カテキン 緑茶に含まれるカテキンには、中性脂肪を下げる効果があるとされています。緑茶カテキンは、脂肪の酸化を抑制することで、中性脂肪の減少を促すと考えられています。

これらの成分は、中性脂肪を下げる効果があるとされてはいますが大事なのは生活習慣を改善することです。あくまでもサプリメントは補助的なものであり中性脂肪をあげてしまう要因を取り除かなければ意味はないでしょう

まとめ

中性脂肪が高い状態が続く状態がいかに健康的に害になるか理解していただけたと思います。少しずつでもいいので体に悪い習慣を取り除き良い習慣を取り入れていただければと思います。

  • 中性脂肪とは取りすぎたカロリーでありこれが脂肪になり様々な健康被害を招く。

  • 運動は有酸素運動、無酸素運動両方やるのが望ましいが週3回以上持続できるもので行う。

  • 食事は脂質(飽和脂肪酸)、糖質、酒類、過剰なカロリーを控え、食物繊維の多い野菜、魚などを積極的に摂る。

  • サプリメントはあくまでも補助的なもの、中性脂肪が高くなる要因を取り除くことが重要です。

これらの情報が少しでも皆さまの健康寿命をのばす手助けになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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