【第3回】VIX(恐怖指数)で100万円を700万円にする投資法【投資戦略と銘柄選定・基本編】
こんにちは、きんくまです( @KINKUMACH )
第3回はいよいよ実践、投資戦略と銘柄選定です!
はじめに
今回は第3回の連載記事ですので、未読の方はまず、以下より第1回記事をご覧ください。
第1回では、VIX指数の値動きがオプション料金に連動することを説明しました。保険の胴元になって高確率に稼ぎましょう、という話をしました。
第2回では、VIX先物とオプションが持つ「時間的価値」の連動について説明しました。そして、それによる先物取引に有利な取引タイミングについてお話ししました。
今回、第3回では、VIX先物取引の投資戦略と銘柄選定について解説しますので、是非とも最後までご覧になってください。
今回は基本編ですので、シンプルに分かりやすく説明していきます。
どの証券会社で取引するか?
VIX先物取引する上で、当然ですが証券会社の口座が必要になります。
世の中には色々な証券口座があり、VIX先物を取引できる証券会社も数多の数があります。
ですが、これからVIX投資取引しようとしている方がいたら、開設する証券会社は一択で「IG証券」です。
(なお、アフィリエイトはないので紹介しても、きんくまには1円も入りません;)
なぜIG証券なのか?というと、
VIX関連銘柄が最も豊富だから、というシンプルな理由です。
基本的な戦略はもちろん、先物を活用しての応用が利くので、銘柄は多いに越したことはありません。
どれくらい豊富かというと、VIXだけでざっと12銘柄以上です。
GMOクリック証券のような取引枚数制限もないので、(空売り規制中を除き)いつでも好きな量の取引することができます。
逆にこれだけ多いと、「いったいどれをどれだけ取引すればいいんだ?」となるかもしれませんが、基本的に取引するのは3つだけで十分です。
まずは、この3銘柄を抑えておきましょう。
それぞれの銘柄の特徴は後ほどに説明しますが、最初はVIXのエントリーポイントと投資戦略について解説します。
どこでエントリーするか?
まず、VIXという銘柄の性質は「急騰した後に急落」する銘柄です。
したがって、どこまで急騰するのか分からない間は保留にしておき、天井が見え始めるか下落が始まるタイミングでエントリーする、という考え方が基本です。
とはいっても、エントリー時にある程度の指針は必要なので、3つのチャートを見比べて、大きな方向性を固めます。
このとき見るべきチャートは第1回、第2回で紹介した以下の3つを確認してください。
まずは、何がともあれ、S&P500のチャートを眺めます。
VIXの原資はS&P500ですから、S&p500のチャートを眺めないことには投資が始まりません。手っ取り早く見るにはYAHOO Financeがオススメ。
ただし、S&P500のチャートは、ファンダメンタル情報とエントリーの2次情報としての色合いが濃く、S&P500のチャートはVIXのエントリー判断には使いません。
現在米国市場を取り巻く、どういうニュースがあり、どういうチャートの形になっているか、まず頭に入れておいてください。
次にVIX指数を眺めます。
どのVIX関連銘柄を売買するときも、必ずVIX指数を眺め、VIX指数を基準に動きましょう。やっぱりYAHOO Financeが手っ取り早くて良いです。
VIXが直近(60日前後)の値動きから、現在のVIX指数が「底」「中間」「高値」のあたりをつけていきます。
このあたりは、だいたい・ざっくりで構いません。
最後に、第2回で紹介した「VIX Central」を眺め、先物のカーブを確認します。
ここから、「コンタンゴ」「バッグワーデーション」「中間期」のどれになっているのか確認します。
以上、VIX指数およびVIX先物カーブ、この2つから現在の状況を整理します。
ヨコにVIX指数の値、タテに先物の価格差を入れて当てはめると、以下のような表(きんくま式 投資戦略判別表)にまとめることができます。
①VIX指数は、1~2か月程度の期間の間で現在が「底」「中間」「高値」のいずれかなのか
②先物カーブは、「コンタンゴ(大)」「コンタンゴ(小)」「両方」「バッグワーデーション」のどれなのか
こんな感じで、機械的に当てはめていき、のエントリー戦略表をあらかじめ決めておくと判断に迷いが生まれず、メンタルにやさしい投資できるかと思います。
各人リスク取り方やエントリーの選り好みがありますから、お好みにアレンジしても良いかと思います。
ともかく、「投資の判断基準をつくる」ことは、どの投資を行うにしても重要ですが、VIX投資の場合は、表を作ることをオススメします。
例題①
具体的な場面を想定して、ひとつ例題を考えてみます。
2022年6月3日現在の相場で説明します。
VIX指数を俯瞰すると、底ラインは18~20あたりで、高値が36~39程度という相場です。
このとき、24.79という値は(中間)に相当します。
つぎに先物カーブの価格差を確認します。
VIX先物と期近の先物の価格差=1.24
期近先物とその次月の先物の価格差=1.30
となっていますので、コンタンゴ(大)に分類してよいでしょう。
したがって、先ほどの投資戦略判別表に当てはめると、「ショート×0.5」になります。
これは気持ちとしてかなり余力を残した状態でショートする、という戦略をとります。
というのは、コンタンゴが大になる、ということは市場としては現在が安定しており、早急にVIXが下がる見込みが少ないからです。
コンタンゴ幅が大きくなると、VIXは急落しない、と覚えておくとよいでしょう。
ただ、上記例の状態ではVIX指数はまだまだ下落余地があるため、VIXにエントリーしないことはもったいないです。
株高を期待してINしておくべきなので、少しだけエントリーする、というのが投資妙味がありますね。
S&P500のチャート、ファンダメンタルも加味して、ロット調整すると吉です。
例題②
お次は、2021年12月15日現在の状況。
早速VIX指数を見てみましょう。
底ラインは15~17あたりで、高値が35という相場です。
このとき、VIX指数=19.29という価格は、「底」寄りの判断をしたほうがいいでしょう。
丁度この時、QEが縮小された時期であり、これにより相場がかなり過敏に反応していることから、VIXもレンジアップしている可能性があるためです。
次に、先物カーブを眺めてみます。
言わずもがな、きれいなコンタンゴです。
期日間の価格差を見ても2.895ドルもあり、文句なしコンタンゴ(大)です。
先ほどの投資戦略判別表に当てはめてみると、「ロング」もしくは「両建て」が吉だということが分かります。
第1回で説明したとおり、VIXショート=保険の胴元ですので、VIXが低いということは、保険金も安くなっているということです。
この状態でVIXショートする作戦は筋悪ということが分かります。
ところで、「ロング」と「両建て」がどちらがいいのか?
というのは、そのときのファンダメンタルによるというのもありますが、以下の基準で考えます。
もっと視点はありそうですが、迷うときは「ロング」を選択しておけばそこまでハズすことはないです。
今回、2021年12月15日のケースでは米株市場はQE縮小から「逆風」が通説でしたので、「ロング」の選択ということになります。
なお、「両建て」は継続的に株高になりそうな場合で、もっとVIXが下がりそうなときに活用するものです。
とりあえずイーブンポジションを取って機会損失に備える、という作戦になります。
エントリーポイントに関しては、いかがだったでしょうか?
今回は基本編なのでここまでにしておきますが、VIX投資戦略の応用編(執筆予定)では、より幅広いケースについて考えてみますので、乞うご期待です!
どの銘柄で取引するのか?
エントリーする銘柄は3つ、というように説明しましたが、IG証券はCFDですので、それぞれロングとショートが可能です。
したがって、ロング戦略も3通り、ショート戦略も3通りあることになります。それぞれ説明していきます。
ショート戦略
ショート戦略を取る場合は「UVXY(VIXブル1.5倍ETF)」一択です。
中長期的に見ても、レバレッジETF×VIX先物の掛け算で加速度的に下落しています。
この下落カーブが、オプションの時間的価値の下落をそのまま意味しているので、きんくま的に結構好きだったりします。
ところが、UVXYのショートは頻繁に「売り規制」にかかってしまい、新規で取引できなくなる場合があります。
特に高騰時からの下落場面で売り規制にかかることが多く、チャンスを逃しがちです。
それに、アメリカNY時間(日本時間で22:30以降)にならないと取引できない銘柄であるため、ザラ場でVIXが高騰した時のチャンスをつかみきれないこともあります。
したがって、これらの要因でUVXYがショートできない場合に、かわりにショート戦略を取るのが、VIX先物(無期限)のショートです。
VIX先物(無期限)はIG証券独特の若干ややこしいルールがありますが、ほぼVIXYと同じ値動きをしますので、損益はこちらのチャートを参考にするとよいでしょう。
VIXYのチャートを見ると分かりますが、VIX先物(無期限)のショートはUVXYに比べて下落がイマイチとなります。
その代わり、売り規制にかかりにくい、また24時間の取引に応じることができるため、チャンスを逃さない、という点が魅力的です。
基本はこの2点の使い分けでショート戦略は組むと良いでしょう。
ロング戦略
ロング戦略を取る場合、「SVIX(VIXベア1倍ETF)」のショートが基本です。
VIXが上昇するときに、SVIXはすさまじい勢いで下落します。その後VIXが元に戻っても、SVIXはもとの水準に戻らない、という点がベアETFの魅力となります。
しかし、御多分にもれず、SVIXも頻繁に「売り規制」がかかります。加えて、アメリカNY時間にならないと取引できない点も、UVXYと同様です。
ですので、そんな感じで取引できない場合は、VIX先物(無期限)のロングを仕掛けることになります。
まとめると、ショート戦略・ロング戦略は以下の通りとなります。
おわりに
今回はVIXのエントリーポイントと投資戦略判別表、ショート戦略・ロング戦略の場合にどの銘柄でエントリーするのか、といった基本的な投資戦略について説明しました。
ここに加え、第2回で説明した第3週のSQ清算日に合わせて、ポジション取り(ショートの場合はSQ清算日前、ロングの場合はSQ清算日後)ができれば高い効果が得られることになります。
第4回では様々なケースにおいて、BESTな戦略を選定する応用的なポジション取りについて説明していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回も是非ともご覧になってくださいね。
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