見出し画像

【ペットを飼っているおじいちゃん・おばあちゃんに伝えよう】ペット信託について

みなさんこんにちは!東京都調布市でペットホテルを運営している、株式会社キンクドテールと申します。今回は、ペットへの相続を円滑に行うことができる、ペット信託という制度について、分かりやすくお伝えします!欧米では活発に利用されている制度ですが、日本に入ってきたのはつい4、5年前で、まだまだ普及していません。ただ、とても良い法律なので、ぜひみなさんに知って欲しいのです!

ペット信託とは

ペット信託とは、信託法の131条および132条に定められたもので、飼い主にもしも(長期の入院や死)のことがあった時も、ペットが生涯幸せに暮らせるように考えられた仕組みです。法律上、ペットは日本で「物」として扱われるため、遺言でペットに遺産を残すことができません。そのため、信託会社にお金を預けておいて、飼い主にもしものことが起こった際は、飼い主が生前決定した預け先にペットが移され、その預け先がペットにかかった費用を信託会社に毎月申請することで、実質ペットに遺産を相続するという制度です。なお、ペットが信託会社に預けた金額を使い切る前に亡くなった場合は、余剰金は本来の相続人に分配されますのでご安心ください。

スクリーンショット 2020-05-16 19.30.17

ペット信託を活用するメリット

・ペットをお世話できなくなった時、すぐに契約が開始されること
遺言は、飼い主が亡くなった時に効力を発揮しますが、信託は「不慮の事故、大病の発症、長期入院、老人ホーム等の施設に入居」等、飼い主がご存命のタイミングでも効力を発揮することが大きな特徴です。保険のようなイメージですね。

・相続財産と切り分けて、ペットのためだけにお金を残せること
誰もペットを飼えず、ペットが保健所に渡されて殺処分される等、最悪の事態を確実に回避できます(ペットが保健所に渡されることは実際にあります)。

・ペットのお世話に、法的な強制力と監視力をつけることができること
受託者には、「善管注意義務」「忠実義務」「分別管理義務」等を遵守する義務が発生し、お金も信託会社が管理をします。遺言書で、ペットを飼ってくれる人にお金を残すよう記したとしても、法的な強制力・監視力はなく、新しい飼い主の善意にペット飼養の全てを委ねることになります。例えば、病院は〇〇を利用して、△△というペットフードをあげて、□□というお菓子をあげて欲しいと依頼しても、遺言書では実現されるかどうかは分かりませんが、ペット信託ならば実現されます。

・信頼できる監督者を設定できること
ペット預け先が、ペットのことを幸せにしているかどうかを定期的に確認する、監督者を設定することができます。

ペット信託を活用するデメリット

・一時的な出費が発生すること
ペット信託の契約時に、信託会社にまとまったお金を預ける必要があるため、一時的な出費が発生します。

・監督者の選任が難しいこと
ペット信託を利用する際は、親族・友人・ペットホテル等がお世話をちゃんとしてくれているか監視する、監督者を設定することをお勧めしますが、長期に渡ってペットの預け先とコミュニケーションを取るため、預け先に迷惑をかけることなく、誠実で信頼できる方を選任する必要があります。

画像2

ペット信託にかかる費用

預け先とペットの年齢により変化します。

・預け先が親族・友人等、飼い主の身近な人の場合
犬の平均寿命が14歳程度、猫の平均寿命が15歳程度で、ペットに生涯かかる金額は、食費・医療費を合わせて200万円程度という調査結果が、日本ペットフード協会から発信されています。加えて、預かってもらう謝礼金もお渡しするのが礼儀です。
日本ペットフード協会 2019年度アンケート結果
※37スライド目等を参照

ペットは高齢になるほど医療費がかさみ、長く生きる可能性もありますので、例えば10歳になる犬を飼っている場合、残寿命は4年ですが、100万円以上は残すようにしましょう。余剰分は相続人に返却されますので、少々高目に設定することがポイントです。加えて、謝礼金も20%程度見ておけば十分です。

・預け先がペットホテル・老犬老猫ホーム等、第三者の場合
施設によって金額がまちまちだと思いますが、上記の謝礼は必要ありません。ただ、食費に加えて人件費・場所代がかかってくるため、親戚や知人に頼むよりも必然的に金額は上がります。
例えば弊社の場合、1年お預かりするのに60万円(1日あたり1,650円)のため、4年間で240万円いただいております。身近な人に預ける2倍ですね。
※高いように思われるかもしれませんが、1日1,650円(食費込み)でお世話をすることは、破格の安さです。バイトで1時間働けば800円稼げる時代です。

画像3

最後に

ペット信託という制度、いかがでしたでしょうか。欧米では、若い方も信託契約を結んで、不慮の事故の際にペットが路頭に迷わないよう保険をかけています。ペット信託はとても良い制度だと思いますし、ペットのことを大切に思うならば、「自分は事故や病気をしないから大丈夫」ではなく、「自分が病気をしたらどうしよう」という最悪のパターンを考えた行動をとるべきではないでしょうか。一度ご検討いただければ幸いです。

また、弊社は、ペット信託の監督者代行をしております。みなさんがペット信託を契約し、実際に預け先にペットが移った時に、監督者はペットが幸せかどうかを定期的にチェックする役割です。「チェックについては第三者を入れたい」というお声が多かったために始めたサービスなので、もし同じようなお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけくださいませ。

最後になりますが、私たちはペット関連でお困りの皆様の声を元に、ペット関連イベント・ペット関連の新規事業立ち上げ等を行い、社会的な問題を解決するべく日々活動をしておりますので、何かお役立ち出来そうなことがございましたら、どしどしご連絡くださいませ!

株式会社キンクドテール ホームページ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?