見出し画像

ブラックホールは蒸発して消える

光さえも脱出することのできない強力な重力を有するブラックホールは宇宙の中で永遠に存在し続けるのだろうか。一昔前まで、ブラックホールは周囲にあるものを飲み込んで、ひたすら質量を増やしていくものと考えられていました。

しかし、1974年にイギリスの理論物理学者スティーヴン・ホーキング博士が「ホーキング放射」という衝撃的な理論を提唱しました。

ホーキング博士は極微の世界の物理法則である量子論(量子力学)の考えを、極大な世界であるブラックホールに当てはめて考えました。

量子論によると、一見何もない真空と思われる空間においても「仮想的な粒子」のペアが生まれたり消えたりしています。そして、こうした粒子のペアの片方だけがブラックホールに飲み込まれてしまうことがあるのです。その時、飲み込まれなかった方の粒子は、その反動で遠方にはじき出されてしまいます。

この様子を遠くから観察すると、ブラックホールが粒子を放ち、その分だけエネルギーや質量を減らして小さくなるように見えるのです。これが『ブラックホールの蒸発』と言われています。

2016年にイスラエルの研究チームが、この理論をを裏付ける研究論文を学術誌「Nature Physics」に発表しました。

それは人工的に作ったブラックホールによって、ホーキング放射を観測したというもの。詳しくは割愛するが、気になる方はこちらの記事(7年かけて作った「人工ブラックホール」でホーキング放射を初観測。ブラックホールが完全にブラックではない証拠になるか)を読んでいただきたい。

そして、ブラックホールの蒸発はブラックホールが大きい時には非常にゆっくりとしか進行しません。ブラックホールが小さくなるにつれて、蒸発の速度は雪だるま式に速くなっていき、質量がどんどんと減少していきます。そして、最後には激しく蒸発して、大爆発を起こすとされています。

ちなみに、太陽ほどの重さのブラックホールが完全に蒸発するには、10の66乗年ほど時間を要するそうです。銀河の中心部にあった大質量ブラックホール(太陽の1兆倍の質量)の場合、10の100乗年ほどととんでもない時間が必要となるのです。


**お知らせ

**

気になる宇宙のnoteをお読みいただきありがとうございました。知っている方も多いかと思いますが、「気になる宇宙」が11月30日に書籍を出版することが決定しました!

Amazon予約などは既に始まっているので、気になる方は予約の方よろしくお願いします!!

気になる宇宙が知っている興味深い宇宙の話を全て出し尽くしたので、かなりオススメです!


image:NASA

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

おもしろかったらサポートお願いします。。。

336
サイエンスやテクノロジーに関する情報をお伝えします。

こちらでもピックアップされています

note編集部お気に入りマガジン
note編集部お気に入りマガジン
  • 19468本

様々なジャンルでnote編集部がおすすめしている記事をまとめていきます。

コメント (2)
https://note.com/abikonobuhiro666/n/n342a9db627e6
『クォーク不要論 反粒子は何が反対なのか』

よかったら読んでみてください。
最近科学に関するnote始めました。
https://note.com/bonbon_xaoc/n/n56ec5481c269
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。