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もうきっと見つからないもの。

この音楽があれば生きていける。
そんな存在はいますか。

ここ数年、同じアーティストの音楽を
聴き続けている。
それは飽きないからでもあるし
それらを聴くことで、
自己内省することができるから。

いつからか、音楽に耳馴染みや
リズム性を求めることがなくなった。
表面上にある表現の奥への
入り口に気がついたから。

表現された楽曲と対峙することでの
自分の発見や想いに気づくこと。
音楽や芸術に触れることの
醍醐味であるとわかってきた。

中学、高校時代はAAAやUVERworld、
大学時代はサカナクションや
ユニゾンを聴いてきた。

その時代を表すそれらしい音楽。
今ももちろん第一線。
多くの人々を魅了する音楽。

それを否定する訳ではなく、
ただ、そこにはもう
自分の居場所がなかった。

誰もが一度は経験があるかな。
好きな音楽探し。

ツタヤに行ってインスピレーションで
レンタルしたり
YouTubeで聴き漁ったり。

ちなみにこれはサブスクなるものが
まだない時代の話。

出会いは突然。
あの頃のYouTubeはまだMVを見るための
ものだった時代。

おすすめ動画で現れた動画をみて
知った彼らの音楽。

それからというもの、
彼らの創る楽曲
それさえあればいい。

今年の冬に、彼らが出演した
対バンイベントに行った。

対バン相手のファン層は若め。
高校生や大学生など多し。

アラサーの私にとっては
少しドキドキする現場。

入れ替えのタイミングなど
周りの若者の会話が耳に入る。

多くの好きの中の一つに過ぎない。
たまたま見に来てみたくらいの。

それが悪いわけではない。
自分にもそんな時代があった。

彼女、彼らにとっては
まだ、唯一が見つかっていない。

これから色々な音楽を聴いて
色々なアーティストに出会って
自分の好きなものを追求して
いくのだろう。

まだ、それが定まらない
これからそれを探す道がある。
複数の道が。

ああ。もう一本の道しかない。
並行して走る道はあれど、
耳を貸すことはあれど
本気でその道に行くことはもうないと
知ってしまった。

もうこれしかないと
知ってしまった絶望を
大人たちはいくつ抱えているのだろう。



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