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「大豆田とわ子と3人の元夫」感想日記

初めにタイトルを見たときは、「3人も元夫いるなんてどんだけやべーやつなんだ」ってかんじで、ものすごい変な人たちが集まったドラマなのかなあと何となく思っていました。

まあけど坂本さんだし、巻さんと別府くんいるし(てかこいつまた報われなかったのか)、岡田くんかわいいし、東京03の人はよくわかんないけど、坂本さんだから、見よ。

そんな感じでそんなに期待値高くもなく始まった「まめ夫」ライフ。ここまではMIU404のときと同じ流れなんだけど、実はMIU1話はあんまりハマらず、本格的に入り始めたのは3話だったのに対し、「まめ夫」は1話ですぐハマりました。何に心のピンを倒されたかと言いますと。

そうです。松たか子の「ロマンティックあげるよ」です。

別に私世代じゃないし、ドラゴンボールとか見たことないし、この曲も初めて聞いたのに。松たか子が、大豆田とわ子が歌って、八作が楽しそうにしてて、ああこのドラマ、絶対今期一番面白い。そう確信して、それは間違ってなかったと思います。

そして後に「八作の家でドラゴンボール」の意味がじわじわと染みてきて、また「カルテット」思い出したりするんですが、それはもうちょっと後で、なんかヤバい!っていうふんわりした興奮だけあるかんじ。

こんなこと言ってるけどまだこの段階で私たちは何も知らないので、甘いなあって感じですね。



そのテンションがちょっと変わったのが5月頭、「坂本裕二朗読劇2021」を観劇した頃です。

「不帰の初恋、海老名SA」「カラシニコフ不倫海峡」「忘れえぬ 忘れえぬ」の3つの本を読む、つまり3公演、2泊3日で北海道まで観に行きました。こんなご時世なので1人です。

割と早めに着いて時間があったので、カフェでチョコレートパフェを食べることにしました。それでも時間があったので、「まめ夫」4話を見始めました。TVerって便利。散りばめられていた色んなものに気付いた、気付くよう仕掛けられた4話。衝撃的だった。ちょっと待ってほしいって感じ。まあけどもう公演始まるので、再び坂本裕二に殴られに向かいました。

そんな感じで迎えた初日の夜公演、「初恋」。本当に素敵で、ご飯食べられなくなっちゃうくらい素敵で、夜ご飯入らないくらい素敵で、色んなもの思い出して息が苦しくなりながら本を読んで、また思い出していました。

2日目昼公演「不倫海峡」、劇中で柚子胡椒ラーメンが出てくるんですが、その後に食べたお昼に柚子胡椒乗ってました。食欲無くなりましたが頑張って食べました。

2日目夜公演「忘れえぬ」、最後の公演が終わり、もう一泊して帰りました。その道中、電車の中で「カルテット」8話を観ました。上手く言えないけど、こぼれて、ああ、人って不器用でもどかしくてめんどくさくて、でも悲しいほど美しいなって、この朗読劇を経て、色んなものの受け取り方がちょっと深くなったような気がしました。

朗読劇から一週間くらい、とても気分が落ちていたので、そのままの気分で6話を迎えてしまい、また落ち込んで、カルテットとまめ夫のシナリオブックを購入しました。坂本さんの手のひらの上です。それでも辛くて、元気な市川さん見た過ぎてアンナチュラル見たら冒頭辛すぎてまた落ち込んで…。まあ翌日の星野源・新垣結衣の結婚でテンションは回復するんですが。



最終回が終わった今、振り返ってみると「ロマンティックコメディー」がピッタリの作品だったなと思います。

何故かすごい筋金入りの坂本裕二ファンですみたいな顔してるけど、思えば私が観た坂本作品「それでも、生きてゆく」はロマンティックの欠片もないし、「カルテット」はロマンティックの欠片はあるけどコピーとして付けられるかと言えば絶対にNOな作品で、朗読劇も恋愛だったけどロマンティックではないし、「まめ夫」がこんなに年取るのが楽しみになるような仕上がりになるとは思っていなかったので、なおさら「ロマンティックコメディーだったよ!!」ってびっくりしてるところです。

色々あっても、どんな関係でも、大事だと思える人がいて、大事だと思える場所があるって幸せだな。例えひとりで起きられても、ひとりで網戸直せても、誰かに起こしてもらいたいし誰かを起こしたい。そうやって思える人って、意外と周りにいたりするのかも。

希望的な、楽観的な考えって、言っていたようにずっとは続かないし、唄が医学部落ちる可能性だって大いにあるんだけど、その時幸せで、その時頑張ろうって思えるのって意外と大切なのかもしれない。馬鹿みたいな考えかもしれないけど、今この時を考えることを積み重ねていけばいいんじゃないかな。人生に失敗はあるけど、失敗した人生はないみたいだし。

あと肯定できるようになったのがもう一つ。

これは朗読劇を経てのツイートで、二つの気持ちが共存してるっていうのを初めて感覚的に分かった気がした、というのがひとつの変化でした。このツイート少し続くんですが、ダメとかそういう話じゃなくて、相手からしたらたまったもんじゃないなって思ってたんですよ。

9話、八作を選んで3人で生きることにして、10話、4人で生きてもいいじゃんってして、あ、いいんだって思ったんですよね。

「二つの気持ちが共存するのは自然なことだから浮気はしょうがないよね!」とかそういう話ではないけど、「不倫海峡」待田さんみたいに「不倫ひどい、不倫最低」と、ただ正しいことを言うだけなのはなんかちょっと違うなっていうのを感じました。21歳の春。


基本的に暗い世界観の中で生きている人間なので、みんな色々ある、その上で全部包み込んで、愛だなって、40代楽しみだなって思わせてくれる作品に出逢うことができて、とても幸せでした。


最後に、もしここまで読んでくださる方がいらっしゃいましたら。お知らせです。

今日お誕生日を迎えられた風間俊介くんが6/20の「おしゃれイズム」に出演します。なんと坂本裕二が風間くんについてインタビューに答えてくださるようです。もしお時間ありましたら、坂本さんの「黒風間」論を一緒に楽しんでいただけたらと思います。

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