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起業のススメ


3月末に会社員を卒業しました、いわゆる脱サラをしようと考えたわけです。

実は計画もゆるく、何もかも細かいところまで決まっていないし、気づくと確実な収入の見込みもなかった。
それでも、人生は楽しく生きたいと思い、自分のやりたい仕事が他にあるのでは? と考え、この道を選んでみようと思ったからです。
中高年なら誰でも一度は考えるはず、 そしてごくわずかの人を除いて諦めているはずではないかと思います。
ぼくはやってみるほうを選択しました。


しかし、「現実は甘くはなかった」とはこの状況を言うのだろう。


会社員というのは、浮世離れしている。
毎月、いやいやながらも会社に行けば、月末にお給料がもらえる。
そんな風に恵まれていると思ったことも会社勤め中には、あまり無かった。


現実の世界に入ってみると、まず最初にブチ当たったのは、社会保険とか年金とか。
いままで、会社がすべてやってくれていて、いろいろ差し引かれて給与が振り込まれていたので、全く意識していなかった。
お恥ずかしながら、社会保険に何が含まれているかとか、知らなかったのである。

どこに行けば、申請できるとか、誰に相談すればいいのかとか分かっておらず社会から取り残されている感じもした。
多くの会社員はこんな感じなのだろうか?
意を決して、カゴから脱出したインコが飛び立ったのはいいけど、どこに向かうのか、食べ物がどこにあるのか分からない状態かもしれない。

厄介なことは他にもある。
会社員時代は管理職だったので、誰かに仕事をお願いして、その出来栄えを確認して、指摘する。
そして、「ご苦労さん」 これがぼくの仕事だったかもしれない。
なにかを始めるときには、誰にやってもらおうかと考えてた。
管理職なら、当然の思考だ。 
しかし、いまここは家庭なのだ。 全く環境が違う。

こんな風に仕事をしていたおじさんが部下を無くしたんだ、どうなるだろう?

無意識に奥さんを部下的に見てしまう。
「あ〜、それ奥さんに言っちゃったの? マズかったな〜」
と、心の声はあるものの、無意識に態度に出ている。


更には、
ぼくは収入を得るために起業しようと考えていた、
これが、さらなる混迷の中にぼくをいざなった。
起業するために何が必要なのか? ネットで調べたがいまひとつ明確に分からないところが残る。 明確に分からないと気がすまないタチである。
誰に聞けばいいのか? 税理士? 行政書士? 司法書士? 社会保険労務士?
こちらも今ひとつ自信が持てない。
商工会議所を頼ってみるが、コロナの影響もあり説明会は休止しているらしい。
結局、いくつか方法はあるらしいのだが、士業の先生を紹介してもらい、個別に聞いてみることになった。

なんとも頼りない自分だ。


聞きまくることで、起業に何が必要かは、明確になった。
しかし、売上がなくても、会社経営には意外にお金が必要だということもわかった。
たとえ合同会社でも、法人税や税理士へのお支払い、 社印の購入などモロモロお金はかかる。


社印が届いて数日後、 残念なことも発覚した。

一番重要なお仕事の受注が延びてしまったのだ。
コロナの影響がぼくにも押し寄せてきたのだ。

この仕事が受注できないと、会社をつくる意味は半減どころか、激減する。
国や県、あるいは市の支援金や給付金など、受けられるものは無いのか? 更には税金も減免してもらえる制度は無いのか? など、知らないことも片っぱしに当たって見た。
色々と理由はあるが、今のところ受給は難しそうだ。


その一方で、4月ということもあり税金ばかり取られている感じもする。
社会の仕組みが身に染みる。

こんな短い期間で、小さいながら色んな希望と挫折を味わえた。
なんとなく、社会の大海原で漂流している感じもする。 体の感覚はふわふわしている。


きっと、これが社会なのかもしれない。
学生の延長で会社に入り、先輩から学び、後輩に教える。 

うーん、それではない、

リアルな社会にやっと社会に出た気がしてきた。

そこには、ぼくが見てこなかった世界が目の前に広がっており、
それは、無理に見なくても生きてこれた。 しかし、見ることにしたのだ。
すこしずつ感じてきているが、これが社会なのだろう。
野生というか、必死で生きないと食べられてしまう。

しかし、このフワフワを味わうために脱サラしたわけでは無いのだ。
やりたいことや、自分の想いがあってこのひろーい世界に飛び出してみたのだ。
ここで満足するようなことでは無いはずだ。


もう一度、想いの原点に立ち戻り、この野生のサバンナでどう生きていくか考えてみようと思う。

ここまででも、実体験を通して社会とは何かの学びを得た。
まだ、はじまったばかりだが、ぼくの起業の第一章である。
死ぬ前に経験できてよかった。

皆様にも起業をおススメする。


<おしまい>


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