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書籍紹介:「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」その3


前回に引き続き経済学者ヤニス・バルファキス氏の著書
「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」の紹介を行います。

前回の内容はこちら。よろしければ読んでみてください。


はじめに~借金についての考え方

日本では基本的に借金は悪としての考え方が根強い。私も学生の頃は借金は悪だと教わってきましたが、社会に出るとそうでもない事が分かってきた。
一般的に投資に繋がる借金は悪ではなく。浪費に繋がる借金は悪とされている。

著者ヤヌス氏も同じ様な事を言っている。今回は歴史に沿って借金とそして利益について説明してくれている。

結論:過去借金は悪だとされて来たが、いつしか場合により借金しても良しとされる様になった。

第三章「利益」と「借金」のウエディングマーチ

ヨーロッパでは16世紀以降宗教改革でローマ・カトリック教会からプロテスタントの分離へと発展した。カトリックは借金が悪。プロテスタントは返済できれば借金は悪ではない。と成っていると言う。
その理由はプロテスタントが勢力拡大した時代的な背景であるという。

カトリック全盛期の封建社会は、
農民が畑を耕す(生産)⇒領主が年貢を徴収(分配)⇒領主が得た年貢から支払いをする(債権・債務)
プロテスタントの時代は囲い込み政策などで市場社会が確立され、封建社会とは逆転していた。
土地を追われた農奴が領主などから金を借りる(借金)⇒農奴が生産活動する(生産)⇒農奴が領主などにお金を返す(債権・債務)
そしてより多くを生産するには、借金が欠かせないものと成った。

ヤヌス氏はこうも言っている「産業革命を動かしていたのは、蒸気機関の燃料石炭ではなく、借金だった」

結論:市場社会の変化から借金は必要不可欠なものと変化していった。

余談ですが、

日本は義務教育でお金の教育がほとんどされていないという話を良く聞きますが、封建社会のお侍さんの時代からあまり変わっていないという事でしょうか。自ら学んで行かないと難しい世の中という事だという事ですね。

次回は第四章をご紹介したいと思います。

最後までお読みいただき有難うございました。

次の記事はこちら。


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