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口端に三日月

地上に耀くものを見つけた。
三日月の窪みに預けていた身体を剥がす。
そうして星屑を足場にし走り始める。
滑らかな星を選びながら加速する。
とっとっとったったったたた。
最高速に達し踏み切る。
地上へ飛び込む。
ぐんぐん近づく煌き。
僕はそれに手を伸ばすが失敗する。
水浸しの僕。
『なんだ君はそこに居ながらにして泳いでいたというのか』
宇宙遊泳、湖中の微笑、揺れる月。

僕の言葉が君の人生に入り込んだなら評価してくれ