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反り腰の人の特徴

猫背や反り腰など、いわゆる「不良姿勢」呼ばれるものがいくつか存在します。


今回はそのなかでもよくある姿勢として「反り腰」の特徴を運動学的に解説していきます。


簡単にまとめると今回の記事は以下のような内容になっています。


・反り腰の特徴が運動学的に説明

・反り腰になりやすい人、すでになっている人の特徴を解説

・反り腰の人が良い姿勢になるための方法を紹介


それではいきましょう!


反り腰とはどのような姿勢のことか?

反り腰とはつまり、腰椎の前弯が過剰な状態のことを指します。

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腰椎は脊柱の中で腰の高さにある5つの骨のことです。

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腰椎は正常な状態で前弯しているのですが、反り腰の方はこの前弯が通常よりも強い状態になっています。


腰椎の前弯が過剰になる要因としては、背中の筋肉である「脊柱起立筋」や「腰方形筋」と呼ばれる筋肉が硬くなっている可能性があります。


腰椎の前弯が過剰になってしまう要因としては、様々ありますが、脚の付け根である「股関節」が固くなっていることが挙げられます。


特に股関節の「伸展」が不足していると、身体をまっすぐに立たせることができないので、腰椎の前弯を強くさせることで、まっすぐ立とうとします。

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この場合、骨盤の「前傾」も同時起こっていることが多く、太ももの筋肉である「大腿直筋」や股関節の「腸腰筋」と呼ばれる筋肉が硬くなっている可能性があります。


実際には他にも腰椎の前弯が過剰になる要因はあります。姿勢は運動学的な要因以外にも心理的な要因や履物などの外部環境の要因を受けるからです。


しかし、その土台となる身体的な影響としては、腰椎や股関節周囲の筋肉の硬さが存在していると思います。


反り腰になりやすい人、すでになっている人ってどんな特徴があるのか?

反り腰になりやすい人、すでになっている人にはどのような特徴があるのか、まとめてみました。この中には運動学的な要素もあれば、心理的・環境的な要素も含まれています。

私見も含まれているので、参考程度にお願いします。

特徴は簡単に言うと以下のようになります。

①腰の筋肉が硬い

②股関節が硬い

③太ももの前が硬い

④お尻の筋肉が使いにくい・弱い

⑤お尻を綺麗に見せようとしている

⑥ヒールの高い履物をよく履く

こちらも順番に説明していきますね。


①〜③の特徴に関しては、最初に説明した通りです。


④のお尻の筋肉の弱さですが、これは股関節を伸展させる作用のある「大殿筋」などのお尻の筋肉が弱い人や、お尻の筋肉が硬まっているなどの理由から使いにくい状態にあると、太ももの筋肉や腰の筋肉でその弱さを補おうとします。


太ももの筋肉などを過剰に使用し、硬まることによって反り腰になります。


これはスクワット動作などを行うとわかりやすいです。スクワットを行うときに、お尻の筋肉が支えていないと、膝を曲げたところから伸ばす際に、股関節が十分伸展せず、反り腰になりやすいです。

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⑤のお尻をきれいに見せようとしているに関しては、少し心理的な要素も含まれてきます。


お尻は骨盤の傾きの角度によって、見た目が変わります。


簡単に言うと、骨盤が後傾していると下がって見えて、前傾していると上がって見えます。


そのため、お尻が下がっていることを気にしている人は、骨盤を前傾させやすい傾向にあります。骨盤が前傾すると、腰椎は前弯しやすくなるため、反り腰になりやすくなります。


⑥のヒールの高い履物を履いているは、主に環境の要因です。

こちらの説明は、以前の記事でより詳しくお話ししています。

簡単に説明すると、ヒールの高い履物を履くと、足首が下を向く動きをするため、姿勢のバランスをとるために、骨盤が前傾しやすくなるということです。


以上が反り腰になりやすい人、またはすでになっている人の特徴です。


もちろんこれも人による個人差があるため、必ずしも当てはまるわけではありません。


しかし、以上の特徴がある方は反り腰になりやすい可能性があるので、ご自身の姿勢を確認してみましょう。


反り腰の人が良い姿勢になるために

反り腰の人が良い姿勢になるためには、腰椎の過剰な前弯を軽減させる必要があります。


腰椎の前弯が過剰になっている場合、

・腰や股関節周辺の硬さが原因で起こっているパターン

・重心の偏りをカバーするために行っているパターン

・環境、心理的な影響で起こっているパターン

があります。


筋肉の硬さが原因のパターンの場合、腰椎周囲の筋肉をほぐしていくことに加え、股関節の柔軟性も重要になります。


重心の偏りで起こっているパターンの場合、重心が前、もしくは後ろに移動しているときに腰椎の過剰な前弯が起こります。


重心が前方に偏っている場合、骨盤を前に動かすことでカバーする場合もありますが、股関節の伸展が硬い場合などは、これが行えず、腰椎を過剰に前弯させてバランスを取ろうとします。


重心が後ろに偏っている場合、バランスをとるために、骨盤は前傾しやすくなるので、こつばんの動きに合わせて腰椎も前弯が過剰になりやすくなります。


重心の偏りを修正する場合は、前後のどちらに重心が偏っているのかを評価しないといけません。

簡単に確認する方法としては、立った状態で、爪先立ちと爪先上げをやってみましょう。


重心が前に傾いている場合、爪先上げがやりにくく、後ろに傾いている場合は爪先立ちがやりにくいことが多いです。


あくまで簡易的な評価になるので、個人差は出ると思いますが、その場ですぐにできるのでオススメです。


さらにこれはトレーニングとしても使えます。

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重心を前に移動させたい場合は爪先立ちを、重心を後ろに移動させたい場合は爪先上げを練習してみましょう。それがそのまま重心移動の練習になります。


環境・心理面の影響としては、先ほど履物の影響や姿勢をよく見せようとする心理が影響していることをお伝えしました。


解決方法としては、ヒールの高い靴を履くこと極力控えること必要になります。しかし人によっては、履物が選べない方もいると思います。その様な人は、仕事終わりにしっかりとケアを行うことが重要です。

ヒールが高い靴を履いている人がするべきオススメのケア方法はこの記事に載っています!

最後に

今回は、反り腰の人の特徴を運動学的に解説していきました。


反り腰の姿勢は、「猫背」とならび不良姿勢の代名詞のようなものですが、原因や細かい特徴の違いがあるので、ご自身の身体の状態に合わせて最適なケア方法を選択してくださいね。

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