石巻ニューキネマパラダイス第15回 「NO KINEMATICA NO LIFE」


「映画と演劇を楽しむラジオ!劇場キネマティカ!」
 このフレーズに聞き覚えのある方々もいらっしゃると思う。ラジオ石巻FM76.4MHzで絶賛放送中のラジオ番組「劇場キネマティカ」が始まるときのいつものセリフだ。ご存知ネモこと阿部拓郎とチンこと矢口龍太のあの二人がパーソナリティとなり、毎週金曜日12時30分(再放送は土曜日17時)に放送している。唐突に宣伝をいれたような形になってしまったが、今回話したいことはこの劇場キネマティカについてだ。

 まず、今年8月にオープンした複合エンターテインメント施設「シアターキネマティカ」も、毎週末はイベント盛りだくさんであり、私たちの自主企画に加えて街の方々が面白おかしくシアターを活用してくださることで、毎回飽きさせないイベントをお送りすることができている。本当に感謝をしてもしきれない。街の人たちがキネマティカをシアターとして形成してくれている。カフェの方も、フルーツサンドやベーコンエッグライスなど少し珍しいメニューを楽しんでくれているお客様も増えてきた。街の新参者として、我らが施設も石巻の日常に溶け込み始めてきている。

 そんな、シアターキネマティカだが、これまでも作ってきた理由は何度も話してきたと思うが、本当の発端は正にラジオ番組「劇場キネマティカ」と言っても過言はない。映画と演劇を楽しむラジオ番組がスタートし、番組名を劇場キネマティカと命名し、二人組としての活動が始まってもう4年以上がたつ。おかげさまで「映画と演劇のあの二人組」という印象を街の人たちに持ってもらえたのは、この劇場キネマティカという番組が大きな影響があったように思う。本当に、「キネマティカ」という言葉が広がったのはラジオ石巻の方々の  ご尽力によるものなのだ。

 正しく、シアターキネマティカは劇場キネマティカによって生み出された。これまでやってきたことは無駄ではなかったと思う瞬間はたくさんあるが、これほど強く思うことはそうそうない。そしてこれまでの人生で、石巻をフィールドにたくさんの活動をしてきたが、その活動の全ての点は一つの線となり繋がっている。牡鹿半島で生まれた事、荻浜小学校に通っていたこと、石巻西高校へ行ったこと、尚絅学院大学に行ったこと、東京で働いたこと、レンタルDVDショップで働いたこと、ISHINOMAKI2.0で街づくりをしていること、コミュニティを作る仕事をしたこと、移住相談窓口をしていること、映画を上映していること、ラジオ番組をしていること、オタクであること、サブカルが好きなこと、天然パーマであること、ダイエットをしていること、それら全てが私であり、それら全てが影響しあい反響し、「シアターキネマティカ」を作る道筋となった。その中でも、「劇場キネマティカ」は大きなターニングポントなのは間違いない。

 だからこそ、「キネマティカ」という言葉は私にとってとても大きな意味を持っている。だからこそ、「キネマティカ」という狂騒は終わらない。
終わらせないのが私たちの使命であり、人生の一部なのだろうと、強く、強く思う。 阿部拓郎

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