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【夢のくらし】麗しきノルウェー オスロに住まう
昔、旅好きの伯父が「老後はノルウェーに住む」と話していました。
よくタイやベトナムなどアジアに行くことが多いのに突然ノルウェー?
学校で使っている地図帳を持ってきて場所を調べたことを覚えています。
ヨーロッパ、上の方。きっとすごく寒いのだろう。フィヨルドとオーロラが有名らしい。わたしにとって遥か彼方の遠い国でした。
初めて首都オスロを訪れたのはちょうど10年前です。それから3回。
行くたび、年齢を重ねるたびにこの街を好きになっていきます。
「ここに住みたい」伯父の気持ちがとても分かるようになりました。
美しく清潔な街
首都であり最大の都市なので近代的なビルが多い一方、メインストリートであるカール・ヨハン通りは歴史を感じる石畳。
ヨーロッパらしい古い建築物も多いため新旧が混在していますが、どこを見まわしてもごちゃごちゃ感がなく洗練された印象。
窮屈なく余裕があり、どこに行っても「余白」と「静けさ」を感じます。
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洗練された街という印象の大きな一因として、ゴミが少なく道が清潔であるということが挙げられると思います。
2019年に欧州グリーン首都賞を受賞したオスロ。2030年までに世界初のゼロエミッション都市になるという目標を掲げています。
毎年、「Klimafestivalen 112」という大規模気候フェスが開催されていたり、市内の自動車のすべてをゼロ・エミッション車への切り替えを進めていたりと、自然環境の保護や気候変動対策に熱心に取り組んでいます。
また、景観の美しさもさることながら、オスロ市内はバス、メトロ、トラムなど公共交通機関が非常に発達しているため、生活の不便がありません。
治安が良く、女性一人でいても身の危険を感じたことがありません。(とはいえ、遅い時間には一人で出歩かないようにしています)
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美術館やオペラハウスをはじめとするアートに関連する人気スポットが多くあり、北欧らしいモダンでお洒落な雰囲気。何度訪れても新しい発見がある街です。
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フィヨルド 自然の癒し
わたしがオスロに住みたいと初めて思ったのはAker Brygge(アーカーブリッゲ)を散歩していた時です。
オスロ湾の造船所の跡地を再開発したお洒落なウォーターフロントエリアで、ショッピングセンターやレストラン、カフェ、ホテルが立ち並びます。
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美しい海辺を眺めながら散歩し、少し疲れたらベンチで休憩する。
当時、仕事を辞めたばかりで心が疲れ切っていたわたしは、毎日ここに来ていました。
周りで聞こえるノルウェー語の会話が心地良く、ベンチに腰掛けて海を見ているだけで涙が出て、心がすーっと静かになっていくようでした。
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中心部から少し離れると森があったり川が流れていたり、常に自然が身近にあります。やはり人間は自然の力で元気になるもので、徐々に心も体も回復し、毎朝ランニングに出るようになりました。海辺は毎日美しくて、鳥が整列して歩いていたり。透き通る空気。
なんて幸せなんだ!フィヨルド最高!と心から思いました。
オスロから足を伸ばせばさらに大自然を楽しむことができます。ノルウェー最大のフィヨルドであるソグネフィヨルドも素晴らしく圧倒的な絶景。鉄道で向かう道中の景色も美しく飽きません。
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車窓からの緑の山々に始まり、氷河、雪山、滝、フィヨルドと次々と変わる大自然を感じられる旅ができます。
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美味しい水産物
どこかに住むとなると、国内・海外問わず出てくる食問題。
わたしは海辺の街で生まれ育ったので、上京したばかりの頃に新鮮な魚が手軽に食べられなかったのはつらかったです。
そこはさすがノルウェー。
スーパーには鮮魚コーナーが充実。魚の缶詰やペースト状になったもの、サーモンの種類も豊富です。お寿司を見かけることも多かったです。
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水産物ではありませんが、個人的にはブラウンチーズと飲むヨーグルトが美味しくて美味しくて、おやつにしていました。
欧州各国へ アクセス抜群
これは非常に重要な点です。Oslo Gardermoen Airport からはロンドン、フランクフルトをはじめとする欧州各地への直行便が毎日運航しています。
オスロ→パリは2時間半ほど。東京→沖縄の感覚で行くことができます。
LCCを利用すれば10,000円かからずにチケットを購入することも可能。月1のペースで海外旅行に出かけると思います。
幸福度ランキング上位 穏やかな国民性とほどよい距離感
物価が(物凄く)高いことで知られるノルウェーは給料が高いことでも有名です。現地の方に聞いたところによると、留学生のお皿洗いアルバイトの給料が、日本の一般的な会社員の給料よりもはるかに高いとのこと。
また、税金が高い分、社会保障制度も充実しています。
2022年度は8位でしたが、常に世界幸福度ランキングで上位にランクイン。
幸福度に関係するのか、滞在中にあくせく急いでいる人を見ませんでした。
写真は平日15時くらいですが、皆さん明るい時間からお酒を飲んでいます。
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このエリアが特別ということではなく、どこに行っても夕方前には仕事を終えたばかりとおぼしきスーツ姿の方がたくさん。
早めに仕事を切り上げて、プライベートの時間を過ごす人が多いようです。
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ビジネスで関わったこともあるのですが、ワークライフバランスを重要視する方が多いと思います。しっかり休暇を取り、家族と過ごす時間を大切にします。パンデミック以降は訪れていませんが、より一層、自由な働き方になっているのではないかと思います。
そして心地よく感じたのが人と人との距離感。
街中で出会う人であっても、店員さんであっても、にこやかではありますが、決して距離を詰めてこようとはしない。干渉しない。
でも不愛想ではなく、冷たい感じもありません。
そこには適度な距離感があります。
日本人のような丁重なホスピタリティだとか、アメリカ人の陽気な明るさだとか、フィリピン人の初対面でもフレンドリーな感じだとか
そういったものはありません。
だから仲良くなりたい人がいたら、こちらから積極的に挨拶したり、ニコッと笑顔。すると、ちゃんと返してくれます。
また、特筆すべきはのんびりするのが好きな人が多いということ。
とにかく色々なところで日向ぼっこしています。(寒い季節でも)
騒ぐわけではなく友人や家族と語り合ったり、食事していたり、ぐっすりと眠っている人も。
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日本で働いていると、のんびりすることが苦手で・・・楽しいことや刺激が常にある状態。とても恵まれた環境ではありますが、心が休まらないと感じることもあります。
すごく印象に残っているのが、ベンチに座ってアイスを食べていた時。
おばあさんがお隣にいらっしゃって、そしたらバッグからひょこっと可愛い犬が顔を出しました。
あまりにも可愛くて「わぁ!」と言ったら、おばあさんと目が合ってニコッてしてくれて。
そのあと2人、隣同士でベンチに座ってアイスを食べました。
全然しゃべらないんですよ、でもフワフワした優しい気持ちで。
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沈黙があると「何か話さなくちゃ」と焦ってしまうわたしですが、言葉がなくても穏やかにいられる、静かで温かいコミュニケーションをとることができる、そんな街だと感じました。
Knowing yourself is the beginning of all wisdom.
この数年で働き方が大きく変化して現実味を帯びてきた夢のくらし。
そのくらしを思い描くことは自分自身を見つめ直すことにつながりました。
「わたしは何が好きで、何が苦手で、どんな人?」
今いる場所でも日々振り返りながら、たまに修正しながら、いつか自分にとって最高のくらしを実現したいと思います。
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