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なぜオーガニックコットンなの?

—捨てられ過ぎている服から見える問題点—

オーガニックコットンと聞いて最初に何を思い浮かべるでしょうか?
「触り心地がよさそう」「環境によさそう」と考える人が多いのではないかと思います。それらも正しいのですが、もしかすると「オーガニックコットンがいい理由」はもっと深い部分にあるかもしれません。
そこで今回ご紹介するのは、衣料品廃棄・コットン栽培の実情を踏まえた上で、我々KSAがなぜオーガニックコットンに注目したのかということです。

1. 1年間でどれくらいの服が捨てられているのか

日本の中だけで ”年間 20億着もの服が捨てられている” と聞いて信じることが出来るでしょうか?皆さんは1年に何着服を買いますか?私の周りでは1年で1着以下という人は一人もいません。「たしかにそうだな」と思う人が多いのではと思います。


2. なぜそんなにも大量の服が捨てられているのか

日本には四季があります。夏服、冬服を区別するのは当然としても春服、秋服という区別もしています。よく考えてみればなぜ春と秋を区別するのでしょうか。やはり季節を重んじる心があり、そうしたオシャレを楽しむだけの「余裕」もあるのです。余裕のある私たちが服を買えば、当然「捨てる服」も出てきます。

日本人が約1億2000万人いるとして、分かりやすく買った分だけ服を捨てるとします。そうすると最低でも1億2000万着は毎年廃棄され、年に1着以上買えばそれだけ廃棄量は増加します。こう考えると20億着という廃棄量にも実感が出てくるのではないでしょうか。

参考:HUFFPOST  “衣料品は年間20億着捨てられている” 
https://www.huffingtonpost.jp/toshio-yamada/20_4_b_5371017.html


3. フェアトレードと衣料品

消費される衣料品はどのようにして作られて私たちのもとまでやってくるのでしょうか。実はここにも国際的な問題が存在しているのです。
その問題はフェアトレードに関するものです。皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
フィアトレードとは、先進国と呼ばれる国々と発展途上国と呼ばれる国々の間でたびたび起こる問題なのですが、簡単に言ってしまうと発展途上国の貧しい暮らしの中で、人件費削減のために先進国の企業が労働力を搾取してしまっているのです。

こうした構造はマネー資本主義【お金を稼いで、そのお金でまたお金を生んで企業を大きくしようという経済の形で、労働者側からみると働くために生きているような状態になる(過労死や自殺などが起きる)可能性の高い経済のこと】において、仕方ないといえます。
なぜなら需要があるからです。先ほど見たように裕福な国は、衣料品をとてつもないスピードで消費していきます。そしてその衣料品の安さに疑問を持たず、企業努力の結果だと思い込んでいるのです。企業努力の結果であることは間違いありませんが、その努力のしわ寄せを発展途上国の人々が受けていることに目を向ける必要があると私たちは考えています。

参考: FAIRTRADE JAPAN  "なぜフェアトレード?"
https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/why_fairtrade.php


4. 衣料品は何からできているのか

そうして消費される衣料品たちは大別すると化学繊維と天然繊維から出来ています。化学繊維の中の合成繊維には、ポリエステルやナイロン、アクリルなどが含まれます。合成繊維は石油から作られており天然繊維より安価に作ることが可能で、かつ丈夫です。しかし、エネルギーを化石燃料に頼るのがよくないといわれているなかで衣料品までそれに頼っていては、環境問題は深刻化の一途をたどってしまいます

天然繊維には動物性繊維(ウール、カシミヤなど)と植物性繊維(麻、絹、綿)があります。動物性繊維で衣料品の全てを賄おうとすれば、動物虐待の問題がより大きくなってしまいます。また植物性繊維だけというのも生産が追い付きませんし、なにより栽培に使われる農薬による健康被害や土壌汚染が深刻化してしまいます。
そのため化学繊維と天然繊維をバランスよく使う必要があるのです。


5. なぜオーガニックコットンに注目したのか

上記のことを踏まえ、植物性繊維の栽培で使用される農薬によって引き起こされている健康被害や土壌汚染を減らしていくことが、衣料品における諸問題改善のための一歩になるのではないかと考えました。
そこで我々が目を付けたのがオーガニックコットン(有機綿)なのです。


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