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高校で行われている生徒指導の一手法に関する考察

高校では、問題行動を起こして、謹慎(懲戒処分を受けた)生徒の指導として、自分自身のこれまでを振り返り、自分これまでどれだけ家族の支えがあり、助けられてきたかということを自覚させる指導が主に行われてきた。

この手法は、精神療法の一つ、「内観療法」にとても似ている。
「内観」とは、狭い部屋でただ一人、壁に向かって考えます。
家族(自分と関わりの深い人)「お母さん」「お父さん」など、身近な人を思い浮かべ、これまでに、「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を思い浮かべます。
ひたすら、思い浮かべることに集中します。
心に思い浮かんだことを書き留める。
そして、1~2時間毎に、その書き留めたことに関して、面接者と話をします。
この作業を1週間ほど、継続する過程で、自分自身にこれまで起こった事柄が、「内観」され、物事を素直に、ありのままにとらえ、自分の周辺の人対して感謝の気持ちが自然とわき起こる境地に達するのだということです。

認知行動療法の一つだと考えられる。



その手法を考案したのは、浄土真宗木辺派の僧侶、吉本伊信(よしもと いしん)という方で、刑務所の教誨師、篤志面接委員としても活躍されたとのことです。

出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jna/27/1/27_5/_pdf

吉本氏は、刑務所の教誨師として、犯罪を犯して服役している者に対し、内観が有効であると気づいたと思われます。

この内観の手法がどのように学校教育の生徒指導に導入されたのか、参考となるHPを見つけたので紹介しよう。

『学校教育、生徒指導における内観は、1962年12月1日、大阪府立高校教員と府教委員合わせて28名が内観研修所を見学したことに始まり、1964年9月には埼玉県私立狭山ヶ丘高校ならびに茨城県私立水城高校、静岡県私立島田学園、1967年に岡山県私立山陽高校に内観が導入された。また1967年9月8日には四国4県私立学校職員総会で内観が講演された。』と、大阪の「学校カウンセラーズネット」に掲載されている。

http://www.oc-net.jp/wokypedia/naikantherapy_hiraki/





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