見出し画像

西洋と日本の民主主義の違い 📚『日本教の社会学』参照

西洋と日本の民主主義の違い

西洋の民主主義においては、責任者を明確にし、決断の主体を特定することが出発点である。これにより、政治の透明性と責任性が高まる。

一方、日本の民主主義においては、決断の主体が誰だかわからなくし、決断の内容を分散することが出発点である。これにより、政治の安定性と調和性が高まる。

西洋の民主主義では、多数決によって、無限に多くの主張を一つの主張にまとめようとする。これにより、政治の意思決定が迅速かつ効率的に行われることができる。

一方、日本の民主主義では、対立する二つの主張との間のバランスや平衡を重視する。これにより、政治の多様性や包摂性が高まる。


要するに、西洋の民主主義は、政治の透明性や責任性、効率性を重視するのに対し、日本の民主主義は、政治の安定性や調和性、多様性や包摂性を重視する。


具体的には、西洋の民主主義では、大統領制や議院内閣制などの政治体制において、大統領や首相などの政治指導者が、明確な権限と責任をもって、政治をリードする。

一方、日本の民主主義では、議院内閣制において、首相は議会の多数派を支持する政党から選出されるが、行政権は首相と内閣に分散されている。また、政党間や官僚と政治家間の力関係が複雑に絡み合っており、政治の意思決定は、これらの関係性の中で行われる。

このような違いは、西洋と日本の伝統的な文化や価値観の違いに起因すると考えられている。西洋の伝統的な文化は、個人主義や競争を重視する傾向があるが、日本の伝統的な文化は、集団主義や調和を重視する傾向がある。

日本では、単独採決は悪として非難され、むしろ無採決が賞賛される傾向がある。また、満場一致に至るような空気が醸成されなければ、決議は下されない。そのため、日本では根回しが重要な意味を持つ。

日本教の社会学

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?