価値観が違うからこそ~どくさいスイッチ ドラえもん 

いなくなってほしい人に向けてスイッチをカチリ。
相手は消えうせ、存在してもいなかったことになる。
ドラえもんのひみつ道具の一つ。そに名も「どくさいスイッチ」。

子供心にも印象的だった。
使ってみたいと思ったこともある。
自分も誰かと喧嘩して?いじめられて?人間関係に悩んでいたからだと思う。
のび太の気持ちが良く分かり、「あんな人、いなくなっちゃえばいいんだ」とつぶやいていた。
 
今思うと、かなり恐ろしい道具だ。

のび太は、野球での失敗を責められ、ジャイアンを消してしまう。
次にスネ夫。
最後には、「誰もかれも消えちまえ」で、世界にいるのはただ一人となる。

最初は、「一人の生活」を満喫したかに見えたのび太も、最後には孤独にさいなまれ、ドラえもんに助けてもらうことになった。
 
1960~70年代にアメリカでヒッピーがブームになった。
価値観が同じな気の合う仲間同士でコミュニティをつくる運動で、いくつもの「村」ができた。
しかし、70年代に衰退し、今や「0」と言ってもいい状態。

気の合う仲間なら、けんかもなく、のび太のように「消えちまえ!」なんて言わなくてもよさそうなのに、どうして、衰退したのか?
 
ヒッピーは、価値観が同じ過ぎて、刺激がなかった。
簡単に言えば、すぐに飽きてしまう。
だから、居心地は良さそうでも、飽きてバラバラになってしまった。

 
考えや意見が違えば、衝突もする。
話し合えば時間がかかるし、相手のことを疎ましく思うこともある。

でも、だからこそ、刺激があるし、よりよいものを創っていく土台にもなる。
ある意味、民主主義の大事な部分だ。
 
マンガでは、涙ながらに反省したのび太の一言が象徴的だった。
 
「まわりがうるさいってことは、楽しいね」
 
いろんな立場、意見がある。
多様性があるからおもしろい。
自分と違う人や意見を切り捨てていくと、成長もなくなる。

気が合う人同志の集まりも大切。気が合わない人との関わりも必要。
もちろん、嫌な思いをすることがあるし、時に距離を置きたくもなる。
それでも、のび太のように「消えちまえ」まではいかないように注意したい。

皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです
 

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