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ヒットの裏に神話あり   

自分はどうして生まれたのか?死んだらどうなるのか?
この世界はどうやってできたのか?どうしてできたのか?

はっきりとした答えはありませんし、むしろ、言葉に詰まって考え込んでしまうような話題です。
 
でも、これは、人類史が始まってずっと、どの時代の人も、どの地域の人も考えてきたことではないでしょうか?
 
その答えとして、あるいは、心に収める一方法として、「宗教」や「神話」が存在しています。

その内容には科学的な根拠は必要なくて、「信じられるかどうか」、意味を見出せるかどうかが大切です。
意味を見いだせれば、「死」に対しても、「安心」を得られやすくなります。

 
しかし、AIをはじめ、科学技術が発達した現在。
昔の人以上に、自分が願っていたことが叶えやすい時代になっています。
昔であれば、一生に1回あるかないかの夢だったこと(例えば、海外旅行、時に国内旅行ですら)が、すぐに実現できたりもします。
喜ばしい事ですが、しかし、かえって、宗教や神話に意味を乱せなくなり、逆に、生きている意味や不安をうまく心に収めることができなくなっているのかもしれません。

より生きている意味や世界の中での自分の位置づけを見失い、孤独感や虚無感を感じやすくなっているのかもしれません。

神話を信じる(生きる)●●部族のような生き方や生活ができない時、自分で「神話」を創り出す必要があります。
あるいは、それに代わる「物語」を求めるようになります。

ジョージ・ルーカス監督も神話学者のジョゼフ・キャンベルのアドバスを基に「千の顔をもつ英雄」を参考にして「スター・ウォーズ」をつくりました。
ドラゴンクエストも同じく「英雄神話」が下敷きになってます。

現代人は、失ってしまった神話(なぜ生まれた、死んだらどうなるのか、この世界の仕組み、自分の使命)をどこかで求めているからこそ、神話的な要素が入った物語や商品がヒットします。
 
最近話題の日曜劇場「VIVANT」で、今後、注目なのは、主人公の親?との対峙、対決、和解です。 
これは、ある意味「親殺し」のテーマに繋がります。
「親殺し」は、特に「オイディプス」の「父親殺し」の物語が有名です。

フロイトの精神分析学などの深層心理学で「エディプスコンプレックス」として考えられている内容です。

簡単に言うと、男児が身近な男性をライバル視し、最も身近な女性(母親)に愛情を寄せるというものです。男児が成長していき、自我を形成する中で直面する心理過程を表しています。最終的に、父親と和解し、父親のように強くありたいという思いを持つに至り、自我の確立につながっていきます。女児の場合は「エレクトラコンプレックス」というそうです。

どちらも深層心理(無意識)の領域でのことで、あまり意識されないのですが、「精神的な親殺し」を多くの人が、心の奥で経験しています。なので、今回の「VIVANT」のような話だと、何かしら神話的な意味を感じて、惹かれる部分があるのかもしれません。

皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです

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