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読書紹介39 「プラチナデータ」 

あらすじ

国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA捜査システム。その開発者が殺された。神楽龍平はシステムを使い犯人を検索するが、そこに示されたのは彼の名前だった!
エンターテインメント長篇。

感想

防犯カメラの設置、
スマホの普及、
学校での一人一台タブレット、
マイナンバーカードづくり・・・。

便利さや犯罪の抑止や防止のためなど、理由は様々ですが、今回の話を読んで、「国家」からの目線で考えると、国民を「管理下におきたい」という発想も見えてきて、ちょっと怖い気持ちにもなりました。

ジョージ・オーウェルの「1984」は監視社会を描いたデストピア小説ですが、共通点が多いと感じました。

昨今のAIとビッグデータの活用で実際に現実化してきていますし、実際、グーグルを始めとした「GAFAM」は個人のインターネットでの行動(検索やSNSの利用・・・)を、きつい言い方でいえば「監視」(情報を得て)して、その人に合った広告等をうつ戦略を採用しています。

それに同意しているから、無料で検索システムを使用できているわけですが・・・。

今回の「プラチナデータ」のような計画は実現されていくのか、
実際は秘密裏に行われているのか・・・。

なぞ解き以上にサスペンス的な内容が多く、ヒヤッとしたものを感じる話でした。

心に残った言葉は次の通りでした。

・歳をとって、耳が遠くなると、あけって長生きするという話を聞いたことはないか?情報を得ることが必ず幸せにつながるとは限らない。
知らない、見ない、覚えない~その方が幸せなこともある。

・すべて知り得ないから惹かれる。知ってしまえば愛が終わる。
 愛とは、情報の欠落を埋めるものだ。

・PCの小さな画面では、同時にいくつもの資料を並行して眺めるkとはできない。紙の資料を並べ、それら全体を俯瞰することで解決するカギを見つけ出す。

・目覚まし時計がなる直前で目を覚ますのはストレスのせい。
 要するに神経が少しも休んでいない。

AI,スマホが普及、活用されても、アナログの良さを生かしていきたいと思います。

「プラチナデータ」 東野圭吾
発行所   幻冬舎文庫
発行年月日 2012年7月15日

皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです。

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