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母の結婚

わたしを取り巻くいろいろを
お話しさせてください。

母に捧げたいHAPPYLIFE

突然、現在の話になるんですが、
そもそも母がどうしてこんな父のところに嫁いできたのか、大人になった今も理解に苦しむので、この疑問を初めて感じたときからしつこく何度も尋ね続けているのですが、正しい答えが出た日はなかったように思います。
「あの世代にしては背が高かったのよ。」
「ネコかぶってたからやさしかったんよ。」
「結婚したら親と別棟で新居建てようって言ってたのよ。」

結婚詐欺みたいよね。いざ結婚してみたら全然違ってたタイプの。嘘ばっかりだったねぇ。はずれだったねぇ。

そんな母は父に合う前、何度かお見合いをしたことがあったそうで、ある時素敵な方からぜひと申し出られたことがあったそうです。母は嬉しくてその方と結婚しようとしましたが、親戚の激しい反対にあい、その結婚は断念したそうです。
「親戚って今なんて付き合いもない人たちでしょ?」
「そうだよ。」
「なにがそんなに気に入らなかったの?」
「被差別部落出身だから駄目だって。結婚するなら縁を切ると言われてなぁ。」
「そんな事で!?」
わたしにとっては反対する理由にならないです。
でも、わたしが生まれる少し前にはまだ部落差別なんていうのが存在していたことにも、それによって引き裂かれる縁があるようなことにも不満がいっぱいになるのです。どうして人の心よりも差別の方が重要視されるの?ナンセンスです。

「それにね、お父さんと結婚したからあんたたちと会えたんやで。」
母はこの話を終えたい時必ずこれを言うのです。
ありがたいような、申し訳ないような気持ちになります。
だって、お母さんにはもっと素敵な人生が待っていたかもしれなかったのに!と。
父の両親を最期まで見送り、父の暴飲や暴言に耐え、弟の事もしっかりサポートし、
こんなわたしの下らないネガティブにも向かい合ってくれているのに、幸せにならないなんて
世の中間違ってる。

だからね、お母さん。
もう少し待ってて。
わたしの元気玉もうすぐ満タンになったら
絶対いっぱい笑顔にするからね。
わたし、頑張るよ。


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