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冷えは身体に悪い。モコモコのモコモコ。冷えだけじゃない。

大阪は年末並みの冷え込みから一転、小春日和になりました。また週末は強い寒気が入るそうで、季節に付いていくのが大変です。
田中弥三郎です。鍼灸マッサージ師をしています。

前回の記事の反省

前回は、手足の冷えについて書きました。

タイトルが良くないですね、今さらながら。
手足の冷えについて書いたものの、心の声のほうが勝ってしまいました。
手足の冷えには重ね着だ、腹巻きがオススメです、って記事です。
ただ、重ね着にもデメリットがあるのを書いていませんでした。きっちり書いておかねばと思った次第であります。

冷えは身体に悪い。だから重ね着。

そもそも寒い時期にバイクは、身体に悪い

これから真冬を迎え、一段と寒い季節がやってきます。バイクはまともに風を受けますので、体感温度がぐっと下がります。
体感温度は風速1m/秒につき1℃下がると言われています。時速25kmなら秒速は約7mですので、体感温度は7℃下がる計算です。
ちょっと寒い日には、すぐに体感温度は氷点下を割ることになるので、身体には相当の負荷になってくるのです。

ということで、寒さ対策に重ね着

寒いなら着ればいい、当たり前のことです。
だけどそれにもデメリットがあります。
血流が悪くなりやすいことです。
重ね着をすればどうしても窮屈になるので、身体が締め付けられてしまいまいます。加えて着るものの重みも乗ってきますので、身体には常に負荷がかかった状態です。
重ね着をすると肩がこる、というのは実感のある方も多いんじゃないでしょうか。
私も重ね着に重ね着なので、モコモコのモコモコです。帰ってきて着替えたらホッとするくらいです。

血流が悪くなるとどうなるのか、対策は

血流が悪くなると

血流が悪くなると、身体に悪いです。分かりやすいところでは肩こりなどですが、怖いところでは血栓ができやすくなることなど、命に関わるおそれもあります。
そもそも血液は、身体中の細胞に栄養や酸素を届けたり、老廃物を回収したりする役割です。それが滞るということは、いかに身体にとって良くないか。
単純に疲れる、ということではないのです。

対策として出来ること

いちばん簡単な対策としては、ストレッチや運動などで血流を改善してやることでしょう。
加えて水分をしっかり摂り、血液をサラサラに保っておきたいところです。
エコノミークラス症候群(ロングフライト症候群)といって、血流が悪い状態で血栓ができ、急な動きや血流の変化で血栓が流れ、肺などの血管に詰まってしまう病気があります。
それを防ぐには、水分を適切に摂取しておくことです。厚着をしていると知らない間に汗をかいていたりしますので、冬場でも気を付けていたいですね。必要に応じて塩分も摂っておきましょう。

水分補給をミスったら

水分の補給は大事なのですが、失敗したらどうなるのでしょうか。
脱水症状、水中毒、尿路結石といった危険があります。

脱水症状について

脱水症状とは、多量の発汗などで体内の水分量が極端に低下して起こる症状です。
水分は口から摂取してから腸で吸収されるのには時間がかかるので、出来れば汗をかく前に摂取しておくと安心です。ただの水よりも、スポーツドリンクなどの塩分を含んだもののほうが、浸透圧の関係で吸収は早いとされています。
汗をかいてからの補給には、スポーツドリンクのほうが効率がいいですね。
脱水症状はご存知の方、経験された方も多いと思います。
私は、気だるさや脱力感から始まって、吐き気がしてきてやっと脱水症状に気付きました。

水中毒について

初めて水中毒と聞きたとき、私はめちゃくちゃ怖く感じました。
「中毒って!!こわっ!!」
そんなに大袈裟なことではないんです。
簡単に言えば、
短時間に多量の水を飲みすぎて、体内の水分・浸透圧調整力を上回ってしまって起こる発作、
のようなものです。
脱水症状の項目でも触れましたが、水分を摂取しても吸収されるのには時間がかかることが主要因です。
脱水症状を予防しようとして、せっせと水分補給をして水中毒を起こしてしまうのが多いようです。水中毒という言葉自体、私もここ数年で知りました。

水中毒の予防のためには、汗をかく前に少しずつ水分補給をしておくことや、汗をかいてからの水分補給にはスポーツドリンクにすることなどでしょう。
脱水症状の予防と、ほぼ一緒なんですよね。
過ぎたるは及ばざるが如し、難しいですね、、、。

尿路結石について

なんで尿路結石?と思われた方、これは私の経験なのです。お付き合いください。

脱水症状も水中毒も、どちらも急性の症状です。いわば発作のようなものです。
ですが、慢性的に水分が不足すると尿路結石を起こすことがあるのです。

脱水症状を起こすほどでもないけど、慢性的に水分不足が続いていると、どうなるのか。

慢性的に水分不足になると、尿量が減少する

尿中の水分が減ることで、尿の濃度があがる

結石を起こす

ということです。
私は高校生の頃、やらかしました。
冬場の長距離走で汗をかいてから、水分補給はほとんどしていなかったんです。ポチャ気味で汗を大量にかくんですが、寒すぎて水を飲むとオナカが冷えてしまって、ちょっとしか飲んでなかったんです。

なーんか腰がダルいなぁ、ストレッチしてみようかなぁ、とか思ってたら、2〜3日後にめちゃくちゃ痛くなって。
病院に行ったら、検尿しましょうと言われて。
「なんで検尿??まぁ、いいか」とオシッコを紙コップに取ったら
「オシッコ、茶色ぉ!!」
「アカン!!絶対にアカンやつや!!」
ガクガクブルブルしながら検査台に置いたのは、二十年経っても忘れません、、、

幸い軽症だったので、たっぷり水分を摂ったら症状は治まりました。それだけで防げたんですよね。
それだけでなく、
緑茶に豊富に含まれる葉酸は過剰に摂取すると尿路結石のリスクになります。
水分補給にと緑茶を飲みすぎて、尿路結石を起こしたという症例もあるようです。
葉酸は大事なビタミンなのですが、難しいですね、、、。

お大事になさってください

寒さが身体に悪い、水分補給が大事、なんて今さら言われなくても分かってることだと思います。寒いんですからどうしようもないことですし。
でもだからこそ、適切に身体のケアをしてもらいたいと思うのです。小さなダメージが蓄積して、ある日ダムが決壊するようなこともあるかも知れません。
でもそれは裏を返すと、ちょっとしたこころがけで、防げることもあるということです。

これからが寒さも本番、健やかにお過ごしください。
寒い日には葛湯(くずゆ)が美味しいですよ。
葛根湯の主成分ですので、美味しい漢方薬みたいなもんってことで。

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