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#94【ジブン株式会社】設立趣意書作成前のインプット〜SONYの創業者に学ぶ〜

自分はいつ生まれ、何をやってきて、なぜ今自分の人生を会社に見立てて、やっていこうと思っているのか?

木下さんのVoicyを聴いて、遅ればせながら自分も今の状況を整理しようと思います。

今後の具体的なアクションをよりはっきりさせていくために、今後、自分の設立趣意書を書いていきます。


今回はそのためのインプットにあたる内容。

まず、どんな観点で設立趣意を捉えるべきかという学びからスタートです。

Voicyで木下さんが紹介されていた「東京通信工業株式会社(現SONY)の設立趣意書」

ソニーポータルというウェブサイトから拝見させていただきました。

設立趣意書のそれぞれの項目ごとに「どんなことが書かれているのか」を自分の言葉でまとめ、最後に総括としてまとめたいと思います。

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html

1946年(昭和21年)1月、ソニーの創業者のひとり、井深 大(いぶか まさる:ファウンダー・最高相談役)が起草した。「東京通信工業株式会社設立趣意書」

ソニーグループポータル 設立趣意書より

○ 東京通信工業株式会社の設立趣意書を読んでみて

戦時中に軍事用の機材等を作っていた会社である日本測定器が解散となったあとに、所属していた技術者の力を存分に活かして、社会に対する価値発揮をできるような場を作る。

終戦から平和な世の中に変わっていく中で、なぜ会社を作り、何がために経営をしていくのかということがまとまった書です。

この設立趣意書は今の時代にも語り継がれるほどの素晴らしいものであるとのこと。

拝見した感想として、この令和の時代に読んでも全く違和感がなく、何がためというところを考える上で大変参考になりました。

戦後の時代にこの書をまとめ実行された創業者の井深さん、とんでもない方だったんですね。

○会社設立の目的

設立趣意書はまず会社設立の目的から始まります。大きく8つにまとめらています。

会社創立の目的
一、真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設
一、日本再建、文化向上に対する技術面、生産面よりの活発なる活動
一、戦時中、各方面に非常に進歩したる技術の国民生活内への即時応用
一、諸大学、研究所等の研究成果のうち、最も国民生活に応用価値を有する優秀なるものの迅速なる製品、商品化
一、無線通信機類の日常生活への浸透化、並びに家庭電化の促進
一、戦災通信網の復旧作業に対する積極的参加、並びに必要なる技術の提供
一、新時代にふさわしき優秀ラヂオセットの製作・普及、並びにラヂオサービスの徹底化
一、国民科学知識の実際的啓蒙活動

ソニーグループポータル 設立趣意書より

技術を追求できる環境を自ら組織し、技術で国や国民の生活向上に貢献する。加えて、国民への科学技術啓蒙活動を行う。

自分達が理想とする職場環境を作り、何に対して価値を提供して食べていくのか。自分達の活動に対する理解促進にも努めていくという内容です。

まさしく何がためが整理された内容。

○経営方針

こちらもまずは抜粋から。

経営方針
一、不当なる儲け主義を廃し、あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置き、いたずらに規模の大を追わず
一、経営規模としては、むしろ小なるを望み、大経営企業の大経営なるがために進み得ざる分野に、技術の進路と経営活動を期する
一、極力製品の選択に努め、技術上の困難はむしろこれを歓迎、量の多少に関せず最も社会的に利用度の高い高級技術製品を対象とす。また、単に電気、機械等の形式的分類は避け、その両者を統合せるがごとき、他社の追随を絶対許さざる境地に独自なる製品化を行う
一、技術界・業界に多くの知己(ちき)関係と、絶大なる信用を有するわが社の特長を最高度に活用。以(もっ)て大資本に充分匹敵するに足る生産活動、販路の開拓、資材の獲得等を相互扶助的に行う
一、従来の下請工場を独立自主的経営の方向へ指導・育成し、相互扶助の陣営の拡大強化を図る
一、従業員は厳選されたる、かなり少員数をもって構成し、形式的職階制を避け、一切の秩序を実力本位、人格主義の上に置き個人の技能を最大限度に発揮せしむ
一、会社の余剰利益は、適切なる方法をもって全従業員に配分、また生活安定の道も実質的面より充分考慮・援助し、会社の仕事すなわち自己の仕事の観念を徹底せしむ。

ソニーグループポータル 設立趣意書より

儲け、規模ばかりを追わず、高価格帯のニッチなセグメントで社会に貢献できる商品で勝負する。形式的な事業領域の固定化はせず、技術革新を目指す。また、サプライチェーン全体で健全な経営を目指す。組織は少数精鋭で、あくまで実力と人格が全てとして評価する。形式的な職位主義は排す。利益は全従業員に分配し、充分なくらいの待遇を約束して仕事に専念できるようにする。

素晴らしいですよね。時間軸でも未来に対する内容に触れられていますし、組織の運営に関する重要なポイント(実力と人格主義)にも触れられた上で、専念するためには待遇を充実させるという点まで押さえられているわけです。

○経営部門

そしてここが目的達成のための実際の組織の分担について。3つからなります。

ジブン株式会社に落とし込むと、会社員としての自分は会社と雇用契約を結んでいるわけなので、会社での業務というのは私の1部門ということになるかと思います。

今現在ご飯を食べるための部門と、未来も永続的に事業を続けるための部門が記されています。

経営部門
一、 サービス部
全波受信機の普及、家庭電化、テレヴィジョン受信機の現出等を考えれば、今後この部門の活動は質・量共にその重要度を加えることは必至の事実である。従来、わが国においては「ラヂオサービス」と言い得るほどのもの皆無にして、ただ技術程度の低いラヂオ業者の片手間仕事に堕(だ)していた現状であるが、将来は高級受信機の出現と共に、斯かる徒輩(とはい)は当然影を消さざるを得ない運命にあり、逆にその需要面の広さと起業意義の大きさのため、一流セットメーカーとタイアップせるサービス専門の大会社の出現すら充分予想される所である。

二、 測定器部門
現在、ラヂオ製造者の数の多きに比して、これの製作・修理に必要なる測定器の製作者は極めて寥々(りょうりょう)たるものであり、また一般ラヂオ業者にして、調整・修理にあたり測定器を用いる者は皆無に近い状態である。しかし、従来の一般に普及せる程度のラヂオ受信機ならば、現在のラヂオ業者が行っているがごとき、いわゆる「勘」に依存した方法も可能なるも、今後、高級受信機、全波受信機を一般が使用するようになれば、かかる非科学的方法はその存在を許されなくなることは明白な事実である。過去において測定器製造が活溌に行なわれなかった理由は、技術の困難と多数の標準器を必要としたためであるが、いずれにせよ測定器製造業者の数が少ないという事実は、この方面への技術的・経営的分野がいまだ多分に残されているということを物語るものである。すなわち、使用資材が少なく、価
格が高価で競争相手が少ないという点で、極めて経営的に有利であり、高度な技術を有する企業家にとっては真に絶好な進路というべきである。

ソニーグループポータル 設立趣意書より

この2つは今のご飯の種ですね。市場と対話しているからこそこの領域、という感じが伝わってきます。

そして次が未来に向けた部門の話。

三、 通信機部門

 前述2部門は、大体会社の維持経営を分担する部門であるが、該当部門は当分の間、新しき特殊通信機の試作研究を分担し、今日よりも会社の明日に備え、将来の大飛躍をここに期待し得るのである。

ソニーグループポータル 設立趣意書より


新たな試みを行なっていくことも大事であるということがはっきり書かれているんですよね。

○まとめ

改めてですが、令和のこの時代に読んでも綺麗にまとまっていて、恐ろしさすら感じます。

ビジョン、ミッション、バリューですね。

個人に置き換えるともう少し自分の人生という広さで考えていくと良いかもです。

設立趣意書を読んでみて、以下のような観点をもってジブン株式会社設立趣意書の作成をしようと思います。
・何のために自分は働くのか
・何に対して価値を提供して対価を得るのか、今は何で、今後どうしたいのか
・どういう領域で勝負していくのか、勝負するうえで大事にする思想は何か(仕事や人生そのもので)
・自分の人生、どんな顔を使い分けていくのか(会社の仕事、他の仕事)

考えがまとまったら、noteで発信しようと思います。それでは!

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