最近の記事

わたしと祖母とイカと

実家の自分専用の引き出しというものは、まだ残っているだろうか。 わたしの引き出しは、電話台の下の、3段ある引き出しの一番上。幼い頃のわたしは、そこに大切なものや友だちと交換していた手紙、プリクラやシールを溜め込んでいた。 実家の引き出しは、わたしにとって少し特別で、開けるたびに心がキュッとなるような空間である。 それは、ほとんどが懐かしさからくる感覚なのだと思うが、そこに少々の気恥ずかしさや苦々しさなども混ざっていたりする。 引き出しを開けると、一気に幼い頃の思い出とか気持

    • 3人目の性別は…?

      突然だが、わたしは妊娠9ヶ月の妊婦だ。 そして、3歳の長男ともうすぐ2歳になる次男がいる。 もともと子どもは3人育てたいと思っていたのでもちろんウェルカムなのだが、わたしが妊娠当初からどうしても気になっていたこと…それは、3人目の性別である。 子どもは元気に生まれてくれるだけで十分!本当に揺るぎなくそう思う。 しかし、わたし自身が女だらけの家系でキャッキャキャッキャと育ったこともあり、長男が生まれるまでは自分が男の子の親になるなんて想像もしていなかったし、一人は女の子を育て

      • ザリガニ少年に幸あれ

        数日前からわが家は、もう何度目かもわからない保育園の洗礼をくらっている。 保育園の洗礼というのは、4月から保育園に行き始めた2歳長男がもらってきた風邪菌を家族みんなに分け与えてくれる儀式。 大げさでなく2週間に1回は風邪をひいている気がするし、家族全員回復するまでに1週間は要するので月の半分以上は何かしらのウイルスとの同居を余儀なくされている状態である。 というわけで、しつこい咳ととめどない鼻水そして微熱さらには1歳次男を携えて、わたしはなんとか長男を保育園まで迎えに行った

        • 保育園の洗礼

          何事も経験しないとわからない、とはよく言うけれど、子どもを生んでからというものまさに想像を超えることの連続でして。 「保育園の洗礼」なんていう恐ろしい慣例が我が日本に存在することを知ったのも、子どもを生んでからのこと。 (「保育園の洗礼」は、簡単にいうと保育園へ行き始めた子どもが次から次へと風邪や胃腸炎などの感染症にかかること。それまで、自宅でぬくぬくと育ってきたまだ免疫の少ない子どもたちが、保育園というあらゆる菌の巣窟に放り込まれて、打ち負かされていく現象である。だいたい

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          結婚は人生のエレクトリカルパレードや〜!!!

          まず、変に浮かれた題を付けてしまったことを先に謝りたい。実のところは、結婚して早くも4年が経ち、浮かれていられるほど新婚でもないし、「結婚とは…」なんぞ深く語れるほど熟してもいない。 まぁ中途半端な段階なのだが、現時点で考えていることをつらつらと書いていきたい。 4年前、わたしが結婚したときに諸先輩方からいろいろな言葉をいただいた。その中でも印象に残っているのが、「今が1番いいときやね!」とか「結婚は人生の墓場よ〜」というような、なにやら暗澹とした未来を予言するような言葉。

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          あの日、白米をおかわりした彼

          たまに、ふと思い出す日がある。 大学1年の、季節が春から夏に移ろうとする頃のこと。野球部のマネージャーとして新入部員たちとともに大学野球の試合を見学しに行った日のことだ。 試合を見学した帰り、誰がが「せっかくだから、みんなでご飯でも食べて帰ろう」と言い出した。春先のような肌寒さはほとんど感じなくなり、蒸し暑いような気すらしてくる夕暮れ時、20人近い人数でぞろぞろと某定食屋に入ることになった。 6人がけの長テーブルが横に3つ並んだ席に通され、奥から詰めて座った。顔や名前はな

          あの日、白米をおかわりした彼

          「おさるのジョージ」考

          最近わが家の2歳がどはまりしているのが、アニメ「おさるのジョージ」である。 ジョージは毎回やらかしにやらかしを重ねるにも関わらずなんとも憎めないおさるであり、「おさるのジョージ」はそんなジョージの日常の悲喜こもごもをユーモアたっぷりに描くアニメだ。 うちの2歳はというと、朝ご飯を食べたらYouTubeでジョージを見せろ、外から帰ってきたらすぐにジョージを見せろと、まだうまく話せないので身振り手振りで要求する。おかげで母であるわたしも繰り返し繰り返し見るハメになり、今やすっか

          「おさるのジョージ」考