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いじめるヤバい奴 最後まで見た感想(前回の続きです)

終わってしまった。
どこかで2発表とかタイトル変更とかあるのかなと期待していたけど、伏線回収も終わっちゃったし、本当に終わったんだなってなっちゃった

そしてちょっと続きを見たい感じの引きのラストページ
でもこういう後ろ髪ひかれる感じのエンドでよかったんだと思う

こんなこと思ってたのが先月中旬 時間が経つのは早いもんで

あ、前回記事です

https://note.com/kind_phlox918/n/n41f6fef54e3d

前回ネタバレ避けした紹介もチラッとしたので、今回は最初からネタバレ全開記事です
よろしくお願いします

・前回あまり話してなかったこの漫画全体の感想

まずこの漫画全体の構成というかなんというか…
あらすじとか、どう言う漫画かっていうのは前回ある程度お話ししたんだけど、全巻を改めて読んだ感想は

この漫画、息継ぎみたいなパートが本当にない

やってる事というか話のアプローチすら編ごとに変わってくので、見ててとにかく飽きないし、二周目・三周目読んでもたまに脳みそがバグる

そもそも本編の方向性が固まり切るまでの間、話数にしてもそこそこの時間がかかる
むしろこの最初の50話近く(修学旅行あたりまで)は、この方向に持っていくために、漫画の方向性を読者に匂わせ、少しずつ毒を吸入させるような導入なんじゃないかと勘繰るレベル

序盤は「なぜ白咲花は仲島にいじめさせを行うのか」「白咲の異常性」に目が向けられるサイコサスペンスな立ち上がり
正直な話、おすすめされた段階がこのど序盤だったら「この感じの漫画かぁ…」で済まされてその後読んでなかったかもしれない

それが、加藤の出現で「いじめ勝負」なる謎概念が出始めてだんだん歯車が狂い始めるも、その段階でも「まあデスノートをいじめでやってるだけだから…」と自分を納得させられる 
というか、加藤が白咲に敗北してボコられるまではまだサスペンス風味を十分に保っていたと思う
有刺鉄線1日で準備するノリノリ加藤くんはちょっともう笑っちゃうけど

そこから文化祭ミスターコン編がスタートするんだけど…ここで何もかもがおかしくなる。
具体的には「いじめを集団実行する悪の組織がボスになって各所でバトルが始まりだす(今や最初からこんな漫画だと錯覚してるまであるけど、こうなるまでに連載期間的には1年ちょっと経っている)」
修学旅行まではまだ青山と加藤がサイコ同士で殴り合いしたりするレベルでかわいいもんだったが、こっからはもう急にギャグバトル漫画になる。

でもなんだかんだで決めゴマはかっこいいし、白咲仲島コンビの頭脳戦は痺れる
正直この頃には、修学旅行からちょっとずつ「この漫画を見るための身体作り(と言うよりもはや改造手術)」を中村なん先生に施され、訓練された読者になっているので、読んでる最中もあんまり違和感はなかった。
でも読み終わって3分ぐらい経つと、「いやいや頭おかしかろうが君ら」と頭の中でツッコミが発生する そんな漫画になった。

そして、最終回までの方向性をある意味決定づけたのは、多分ミスターコン編ではなく選挙編なんだと思う。

ミスターコンの時点でバトルは結構発生してたんだけど、ここからは仲島含む非戦闘員が平気で矢面に立つわ攫われるわともうめちゃくちゃ
そして校内に迷路があろうが分断されてバトルが始まろうがいじめ見ながら白米食おうが誰も突っ込まない

個人的には、この編のラスボスは、ミスターコン編までの流れであれば貞志だし、これ以降のパニック編になぞらえて考えれば霧矢だと思っている。
なんだかんだでラスボスと仲島の知恵比べも展開されつつ、締めでバトルに強い霧矢も出てくるみたいなノリで、結構欲張りセット

そして最後のいじめパニック編になるともうバトルにバトルを重ねつつ、過去の白咲の因縁の相手がラスボス(?)という王道バトル漫画になった。

死んだはずの人間がピンチに駆けつけたり、戦いの最中で覚醒したり 根性で踏ん張って勝ちをもぎ取ったり
もう結構ずっとバトルだ
そしてエピローグとなる最後の10話ほどで、今までの伏線をざらっと回収して(拾い切れてないのもあるけど…)、急に青春ラブコメになって終わる
急に朝のHRに場面が飛んで次編始まったのが多分この漫画全体通しても最速の導入
でもエピローグみたいなものだしこれはこんなもんなのかな

こんなめちゃくちゃなことをずっとしているのと、編の移り変わりがまあまあ早く、日常回のようなものがほんとに一話 もしくは半話ほど組み込まれるだけで次編の導入にはいるので、息つく暇を与えてくれない。

そんなただただめちゃくちゃに見えることをしながら、この漫画がこの記事書くぐらいすげー面白いのは、漫画作りがすげえ上手いからなんだと思う これデビュー作ってマジ?

と言うのが漫画全体通しての感想 次は前編で話題に出せなかった人たちのキャラ評

やっぱこいつらだね、田中及び新撰組メンバー

こいつらの共通点としては「最初の印象が良くないのに、新撰組入ったら評価がグンと上がる」だと思う。
正義感だけで何もできず沈んだ雑魚の田中
怪力キャラなのにウザめの立ち回りをするきしょい加藤
弱くなった加藤に襲い掛かってイキリ散らした挙句覚醒加藤にボコられたかませの岩瀬
岩瀬と加藤の引き立て役みたいな顔面と能力の薬師丸
こんな奴らが寄り合って、仲間を増やして、お互いを助け合いながら互いに成長していく。
正直これだけで漫画描けるんちゃうか?って感じの集団

加藤に関しては前回語ったし、みんな大好きだろうからいいとして
個人的には岩瀬がめちゃくちゃ好き
といってもこれも読み直したからなのかもしれないけど、この男とにかく根性で敗北以上のものをもぎ取って、チームの勝利に繋げる熱い男すぎる
そんな岩瀬も最終的には根性で勝ち切ることが出来たり、味方になってから2戦ぐらいしか戦ってないけど全部がベストバウト。

薬師丸はラジコン野郎ぶっ飛ばしたけど、「敵時点の実力で勝てる雑魚を倒した」感が強い

それに対していじめパニック編で岩瀬に当てた相手は栗原
こいつとにかく前振りが凄くて(いじめパニックに動じないし洗脳効いてないし、いじめっ子かも怪しかったりとか)、作中で強キャラオーラをバッチバチに出してる状態で戦闘がスタートする
そんな奴相手に前回薬師丸戦で最高の活躍をしたかませの岩瀬くんが正直勝てるとは思っておらず「どうせ良い感じで持ち堪えて加藤が後ろから肩ポンしてくるやつやろな」と思ってた。

そしたらあの激アツ展開からの勝利だから、この漫画のサブキャラからは本当に目が離せない
これで岩瀬好きにならんやつおらんだろ

そしてそういう展開が書ける作者なだけに、薬師丸ももうちょい連載続いたらもっとかっこいいところいっぱいみれたかも知れんなと思ってしまうね…

あとやっぱり新撰組といえば外せないのは正義感だけの雑魚からいじめ浄化の概念と化した田中

正直刀見ながら俺は新撰組だとか言い出した時点でついに頭までやられたかと思ったけど…
そこから友情に厚いムーブと正義ムーブをずーっと繰り返し徐々に好感度がアップ(その前段階で加藤の好感度がストップ高になるから隠れがちではある)

こいつらが主人公でいいだろとまで思わせてくれるぐらいには成長して、最終的にもはやいじめという概念と化してるレベルのラスボスの六峰にトドメを刺し、最後にパニックすらいじめいけない放送で止めて、ある意味「表の英雄」みたいな立ち位置にちゃんと立ったのは、この漫画の根幹にある「いじめは悪」っていう大前提を見せる上で必須だったんじゃないかと思う。
この漫画、いじめっ子が主人公なだけあり色んな事柄がいじめで解決したりするんだが、こいつは終始真摯な態度と折れない意志で戦ってる。
なんだろう、こういう奴が序盤から出て、インフレに置いてかれずストーリーについて行って、最後には強い仲間が敗れた相手に気合いで勝ちをもぎ取ったりするのは男の子ならみんな好きだと思う
新撰組はそんな奴だけで構成されているので、前半はともかく後半は嫌いになれる要素の方がむしろ少ない…と思う

こいつらのがヤバイやつ過ぎていじめるヤバイ奴のタイトル回収されるの遅れたまである色ヒロインズ

次は青白以外の色ヒロインたち
青白以外であればやっぱ緑がヤバすぎると思う
こいつが敵勢力に居て好き放題暴れたりしてるだけで謎の安心感がある、サークルクラッシャー兼鉄砲玉兼ジャガーノート
ナイフは効かないし凄い勢いで吹き飛ばされても無傷 途中からアホ毛での攻撃防御までし出すこの漫画のメルエム枠
あとナイフが効かない
あとこいつと徳光貞志のコンビはわりかし好き
洗脳自分でぶっちぎれる忠誠心とかほんまかっこいいと思う

赤さんは正直影が超薄いけど、キャラデザとかは可愛いと思うよ
こいつも連載続いてたらなあって思うキャラの一人

あと黄会長は、最後に色ヒロインであることがわかったからちょっとアレなんだけど、立ち位置的に若干ビュティっぽい人かと思いつつ最後に最大級の爆弾を持って「この漫画はコレだぜ!」と示し出すヤベー女 キャラデザとか設定関連とか正直色ヒロインで一番真面目だと思う

真ヒロイン 徳光霧矢
正直こいつに関しては加藤や白咲と並んで無限に語られてそうではあるけど、終始かっこいいイケメンヒロインキャラ
正直編区切りで言うとあんまり登場期間自体は長くないんだけど、いじめパニック編自体が結構長いのでレギュラーと言って差し支えないキャラだと思う
今までの(貞志の)悪行に責任を感じ、ガチで正義側の立ち回りを続けるというこの漫画にしては妙にまともなキャラ

ただ能力に関してはこの漫画らしくまともではなく、いきなり喜怒哀の赤ちゃんとか出す
俺この能力のせいでこの漫画一回読み返したもん、それで選挙編見ても一切赤ちゃん出てなくて笑った

あれは貞志の消滅したと言われてる精神が実はバラバラになってて赤ちゃんの形で顕現できる能力とかなんだろうか
廃人化で具現化されるものとも違うし、マジで最後まで意味わかんなかった

クッソ短期間だけどちゃんと仲島の友達になったのは本編通して(エピローグ以外だと)こいつだけだし、廃人状態のチビハゲ爺さんみたいになってる姿はかわいいしで結構真面目にヒロインしてると思った
赤ちゃん出すけど


レギュラーキャラの感想はこんな感じかな

この漫画は何だったんだろうか

何だったんだろうな、わかんねぇ…
主題は「いじめは悪」であることで、いじめをやってる連中をとにかく馬鹿らしく見せることで、いじめ自体をこの漫画では一切肯定していなかったりして…なんだろう、暴走族を珍走団ってメディアが取り上げるあの感じみたいな…

いやこれもなんか違う気がする…

単純にいじめでバトル漫画書いたらこうなっただけな気はするけど…

まあ、面白かったからいっか!

中村なん先生、思わずnote書いちゃうぐらい面白い漫画を4年以上も見せてくれて本当にありがとうございました。久々に単行本も買うぐらいハマりました。新作もこんなぶっ飛んだ感じだけど芯はアツいみたいな漫画であれば超嬉しいです。

おわり

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